妻を撮る人もいれば
娘を撮る人もいる、と。
「戦火のナージャ」58点★★☆
ロシアの巨匠ニキータ・ミハルコフ監督が
娘ナージャと共演した
「太陽に灼かれて」(1994年)の続編です。
1943年。
ロシア革命の英雄ながら
スターリンの粛清により
処刑されたコトフ大佐(ニキータ・ミハルコフ)。
しかしコトフが
実は生きているとの情報を得たスターリンは
ドミトーリ大佐(オレグ・メンシコフ)に
捜索を依頼する。
コトフとの因縁があったドミトーリは
コトフの娘ナージャ(ナージャ・ミハルコフ)を
引き取って育てていたが
成長したナージャは
ドミトーリがふと漏らした言葉から
事実に気づく。
「お父さんは生きているのね……?」
ナージャは激しくなるソ独の戦火のなか
父を探す決心をするが――。
2時間30分、いや~壮大でした。
監督は
「プライベート・ライアン」を見て
本作を作りたくなったと話していますが
なるほど
第二次大戦を同じようなスケールで
ロシア側から描きたかったんだな、というのは
よくわかります。
ただ
映画としての構成は
放棄しちゃった感じがする。
軸となるのは
父と娘なんですが
話が時間を前後して展開するなど
各エピソードをブツ切りにして
つないだ感じなんですよ。
それでなくても
前作から数年後のはずなのに
6歳だったナージャが20歳くらいになってたり(苦笑)
そんな穴はあちこちにある気がしますが
しかしながら
各エピソードががそれぞれ
「戦争の写し」として
ものすごく印象に残るのは確かです。
雪の中で命を終え、時を止めた若い兵士。
砂ぼこりのなかで一人踊るジプシーの少女。
瓦礫のなかで向かい合う若い男女……
それらが
ややシュールな一枚の静止画となって
心に刻まれて、
実は
それを目的にしたのかなと思いました。
この作品、3部作になるそうで
監督はすでに続編を制作中とのことです。
ナージャ、また大きくなってるのかなー。
★4/16からシネスイッチ銀座ほかで公開。
「戦火のナージャ」公式サイト
さてさて
おなじみ『週刊朝日』(4/26発売と思います)「ツウの一見」で
ネ申スクリプターの野上照代さんに
本作についてお話を伺いました。
黒澤監督とミハルコフ監督は
とても親交が深かったそうで
来日時のエピソードなども
興味深かった。
ぜひご一読ください☆
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