ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

少年は残酷な弓を射る

2012-06-28 23:50:37 | さ行

ティルダ・スウィントンが
戦慄ですねえ。

「少年は残酷な弓を射る」67点★★★☆

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エヴァ(ティルダ・スウィントン)は、
世界中を旅行する作家。

だが
恋人フランクリン(ジョン・C・ライリー)に出会い、
彼の子を妊娠したことで、彼女の生活は一変する。

息子ケヴィンを出産して
家庭に入ったものの、

夜通し泣き続け、ちっとも言うことを聞かない赤ん坊に
頭を抱える日々。

母とのぬぐえない違和感のなかで美しく成長した
ケヴィン(エズラ・ミラー)は

しかし
ある悲劇を引き起こしてしまう――。

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子どもを愛せなかった母親と、
その子どもに起きた悲劇を描く物語。


「ある悲劇」が起こったあとから、
時間を遡り、現在と過去を行き来していく構成で、

悪い予兆をシグナル的に見せてく映像センスといい、
万事整っていて、高レベルではあります。

ただ、
何が起こったかがあらかた見えたあたりで
ダルくなるんだよなー(笑)。

おおよそ読めるのが始まって3分の1あたりなので、
そこから全体を持たせるのはちょっと辛いのだ。


それに
ワシは自分を含め
母親にむいてない人、あるいは
むいてない時期は絶対にあるという考え方なので

(例えば動物界でも、子育てを放棄した母親が、
必ずしも全ての子を放棄するわけではなく、
別のタイミングでは子を育てることもある、というようなものじゃないかなあと


なので、ここで起きる悲劇自体には
正直あまり心が動かなかった。

まあ確実に児童虐待の一種であり、
理解のない夫が一番の問題であるとは思いますけどね。


逆にティルダ・スウィントンの
望まぬ妊娠と、その結果である息子を見つめる空白な目の感じ、
すごーくうまい・・・なんて失礼か、

本当にさすがだ!と、感嘆いたしました。



さらにこの映画は
少年役のエズラ・ミラーが
好みかどうかでも大きく評価が分かれるかもしれない。

ワシ的には、松潤っぽくて
正直好みではないんですよねえ~~すいません。

幼少時代のほうがかわいかったな。


★6/30(土)からTOHOシネマズシャンテほか全国順次公開。

「少年は残酷な弓を射る」公式サイト

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