ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

マティアス&マキシム

2020-09-24 23:59:20 | ま行

グザヴィエ・ドランが、本気で帰ってきたゾ!

 

「マティアス&マキシム」73点★★★★

 

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幼なじみの

マティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)と

マキシム(グザヴィエ・ドラン)は

30歳を超えたいまも、ずっと親友同士。

 

マティアスには近く結婚する婚約者もいて

マキシムもそれを祝福していた。

 

が、あるとき二人は

知人の妹が作る短編映画に無理矢理出演させられることになり、

さらに

キスシーンを演じることになる。

 

「えー?!」と言いつつ、協力せざるを得なくなった二人。

 

だが、そのキスをきっかけに、

二人はいままで封印してきた相手への思いに気づいてしまい――?!

 

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あるキスから

自分の想いに気づいてしまう幼なじみの男×男を描いた作品。

 

男同士とか超えた、普遍の切なさを描いていて

かなーり指先ジンジン痺れ系です。

 

自ら主人公を想うマキシムを演じるグザヴィエ・ドラン監督は

「君の名前で僕を呼んで」(18年)にインスパイアされたそうで、

「この映画好き!」→「自分流に描きたい!」→「描いちゃえ!」「演じちゃえ!」という

まっすぐな走りかたが手に取るようにわかりやすく、

そこが、いい(笑)

 

19歳で表舞台に躍り出て

紛れもなく「恐るべき子ども」だったデビューから、はや11年。

 

若さゆえの情熱と、30代にさしかかり生まれた深みが、うまくマッチした

原点回帰、といった印象もあり。

 

さらに、いいとこのボン=マティアスと

そうじゃないマキシムの家庭環境の格差など

社会への、より広域で、シビアな目線が付加された気もして

そこも好感でありました。

 

「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」(18年)でも

ディカプリオのファンだったことを公言しているドラン監督、

今回は「タイタニック」をまんま彷彿させるシーンとか、

やることが可愛い!としか言えん(笑)

 

★9/25(金)から全国で公開。

「マティアス&マキシム」公式サイト


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