綿谷りさ原作×大九明子監督。
「勝手にふるえてろ」タッグ再び。
「私をくいとめて」71点★★★★
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黒田みつ子(のん)、
都内でおひとりさまライフを謳歌する31歳。
休日ともなれば、ひとりで話題のスポットに行ったり
ひとり焼き肉を楽しんだり。
彼女には脳内に相談役の「A」がいて
彼と会話しながら、楽しく不自由なく暮らしているのだ。
が、そんなみつ子に、最近気になる人が。
それは会社に営業にくる、年下男子・多田くん(林遣都)。
彼もこっちを気にしてるよね?まんざらでもなくない?
いやいや。年下だし、カノジョいるでしょ、ないわー、いや、意外とある???
――と、脳内会話も暴走気味のみつ子は
果たしてどうする――?!
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小気味よく走る会話に
これがいまの30歳おひとりさま女子の最前線かあ――と
興味深く拝見いたしました。
脳内キャラと会話し、楽しげにおひとり様ライフを送る
黒田みつ子(31)。
「すっげーつまんねえ自分」の日々を
ひとりで立つ自由さと、行動力をもって
ワクワク&キラキラにしようとしてる様子は
50になったワシからみても
共感できるし、カワイイ。
20年の差を超えて
ああ、やってること変わんないなーという感じもあるんだけど
反面、
根底にある世代的なあきらめ感とか、
我々の世代より、さらにめちゃくちゃ将来を不安視してるんだろうな――という
たしかな感覚もあって、ちょっと切なかったり。
それにね
脳内にいる妄想キャラとの対話とか
やってることが「おらおらでひとりいぐも」のおひとりさま、75歳・桃子さんと同じじゃん?
ってところが、妙におもしろかったり
いろいろ感じ入るものがありました。
主演のん氏もとても良く、
イタリアに嫁いだ親友役の橋本愛氏とのやりとりは
やっぱり「あまちゃん」を思い出させて
なんだかホロリするし
それに
デキるキャリア女史役、片桐はいり氏が
やばいほど、ナチュラルにリアルなんですよ。
うっ、なんだか自分っぽい・・・(笑)っていうか。
あと、脳内の「A」の声は
「劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族」(2021年1月8日公開)を
試写で観ていたので
すーぐに「あ!」とわかりました(笑)
★12/18(金)から公開中。
のんさんの「一人芝居」に改めてこの子の演技力に感嘆しました。
私にはおひとりさまライフの中に垣間見える一人であることの自由さと他者と交わることの不自由さを感じて笑い泣きでした。
ついでながら、Aの声をだれが演じているかずっと考えながら観ていました。
第一感 池松壮亮 第二感 瀬戸康史
見事に外れましたね~。
Nさんでした。
ワシも直近にイワゴーさん映画を観てなかったら
絶対わからなかったなア。
のんさん、自分の行く道を確実に
自分で切り開いている気がします。素晴らしいです。