ワシは、野菜カレーでいいです(笑)
*******************************
「カレーライスを一から作る」70点★★★★
*******************************
「グレートジャーニー」の探検家、関野吉晴氏が
武蔵美で「カレーライスを一から作る」ゼミを開催。
その様子を追ったドキュメンタリーです。
一から作るって
野菜、米、スパイス、もちろん肉も・・・です。
なぜ、そんなことをするのか?
関野さんは
「ものごとの“最初”を探ると、社会が見える」と言う。
学生たちはそんな関野さんに連れられて、
おっかなびっくり畑を耕し、米を作り、
ニンジンやスパイスの種をまくんですね。
さらにカレーを入れる器も自分たちで焼き、
塩までも海に取りに行く、という念の入れようで(笑)
最初は
「なんで、美大来て、畑耕してんの?」と(笑)
ボヤいていた学生たちが
だんだんたくましくなっていく様子も伝わり
本作は
世界を旅し、さまざまな知見を得たマスター=関野さんの見ている世界を
紹介する映画でもあり、
学生たちの成長を追うものでもあるんだなと感じます。
そしてやっぱり一番の山場は
“屠る”問題。
学生たちはヒナから育てた鳥を
食べるか食べないかで議論することになる。
観客も彼らとともに
命と向き合い、自分たち人間のエゴと向き合い、
“無感覚”だった自分と向き合うことになるわけです。
そうしていくうちに確かに
いろんなことが、見えてくるような。
『AERA』11/14号で
関野吉晴さんと前田亜紀監督にインタビューさせていただきましたが
前田さんが
「ポーカーフェイスで(鳥に向き合ってた)子も
後で話を聞くと『何も憶えてない』って言うんです」
とおっしゃった言葉が印象的でした。
“体験”の重みをかみしめられたような。
それに武蔵美の学生たちが
なんとも“素朴”なのが実にいいですね(笑)
★11/19(土)からポレポレ東中野ほか全国順次公開。
「カレーライスを一から作る」公式サイト
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます