ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

男はつらいよ お帰り 寅さん

2019-12-27 23:57:21 | あ行

ああ、寅さんって

ホントにおもしろかったよなあ!

 

「男はつらいよ お帰り 寅さん」73点★★★★

 

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現代の東京。

 

寅さんの甥っ子・満男(吉岡秀隆)は、五十路を前に

サラリーマンを辞めて、念願の小説家になった。

実は満男は、妻を早くに亡くし、

中学生の娘と二人で暮らしている。

 

妻の法要で、柴又の実家へ戻った満男は

母(倍賞千恵子)、父(前田吟)と昔話をしながら

伯父である寅さん(渥美清)との日々を思い出す。

 

そんなとき、満男は偶然、

初恋の人・イズミ(後藤久美子)と再会し――?!

 

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「男はつらいよ」シリーズに主演し、

1996年に亡くなった、寅さんこと渥美清さん。

 

本作は97年に作られた49作から、22年ぶりに作られた

50作めの「男はつらいよ」です。

 

渥美さんは亡くなっているけれど

映画では「寅さんがいない」とはしていなくて

「いつか帰ってくる」となってる。

 

そんな体で作られた、あったかい作品で

これが

予想以上に笑ってしみじみしました。

 

吉岡秀隆氏演じる満男を主人公に、

満男のいまの暮らし、

そして、かつての思い人イズミ(後藤久美子)との再会、というストーリーが

寅さんの名場面をうまく散りばめながら、進んでいく。

 

舞台は現代だけど

やっぱり変わらぬどこか古風なテイストが気持よく

なにより

過去の寅さんの名場面に、マジで笑いました(笑)

 

「ホントに寅さんって、おもしろかったよね!」と

改めて思い返させる作りで、うまーい!

 

タコ社長(故・太宰久雄さん)の娘役、美保純氏の

タコ社長を彷彿とさせるそっくりぶり、

 

さくら役の倍賞千恵子さんの、いまも変わらぬ可憐さ、

博(前田吟)、おばちゃん(故・三崎千恵子さん)、

おいちゃん(故・下條正巳さん)たちと

みんながにぎやかに食卓を囲んだ

あのドタバタが懐かしく、ホロリとしました。

 

こんなにも、どんよりした世の中だからこそ

いま寅さん、必要なんじゃないかと。

昔みたいにお正月、笑って観てほしい映画です。

 

 

本作にも登場する寅さんのバディ(?)

源公こと、佐藤蛾次郎さんに「週刊朝日」でインタビューをさせていただいてます。

 

AERAdot.にアップされてますので

ぜひ、映画と併せてご一読くださいませ~

 

★12/27(金)から全国で公開。

「男はつらいよ お帰り 寅さん」公式サイト


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2 コメント

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男はつらいよお帰り寅さん (ソウザエモン)
2019-12-28 13:14:35
 お帰り寅さん感想読みながらうんうん頷いてました。朝日の蛾次郎さんインタビューも読んで2人の友情に泣きました。BS木曜シネマのコトブキツカサさんが今年のBestにJokerと並んで上げてました!
昨日「カツベン」でほっこりしたので、明日見ます。寅さんは今年最後の映画かな?
ほっこりしますよね (ぽつお番長)
2019-12-31 14:17:12

蛾次郎さんインタビューも読んでいただき
ありがとうございます!
寅さんファミリー、本当にステキですよねえ。

「カツベン!」もたくさん笑えて
いい映画でした!

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