風景はめっさ印象的だったんですが。
「裁かれるは善人のみ」54点★★★
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ロシア北部の入江の町に住む
自動車修理工コーリャ(アレクセイ・セレブリャコフ)は
若い妻(エレナ・リャドワ)と
前妻との10代の息子と暮らしている。
だが強欲な市長(ロマン・マディアノフ)が
再開発のため
コーリャの土地を狙う。
コーリャは対抗すべく
モスクワから友人の弁護士を呼び寄せるのだが―-?!
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1964年、ロシア生まれで
「父、帰る」「エレナの惑い」の
アンドレイ・ズビャギンチェフ監督作。
ゴールデングローブ賞外国語映画賞やカンヌ国際映画祭脚本賞など
受賞多数の話題作。
140分です。
しかし
なんだろう、もっと圧倒的な絶望とか、
壮絶な喪失とかを想像して
肩に力を入れすぎたのかもしれない。
トマス・ヴィンターベア監督とか
ダルデンヌ兄弟系のテーマかなと思ったけど
もっと違う、別の系譜ですね。
主人公はまじめな小市民コーリャ。
彼を愛着ある家から追い出し、
再開発をしようともくろんでいる市長。
悪徳市長に対抗すべく
コーリャはモスクワから友人の弁護士を呼ぶんだけど
その弁護士が違う方面で“仕事”をしちゃったり
「え?社会派ストーリーじゃないのか?」と
ちょっと拍子抜けしたり(苦笑)
深刻でヘビーな話かと思ったら
不思議にのほん、とした空気もあったり。
そう、万事において
どこか「そういうこと」と、
諦めているような感じがあるというか。
すごく不思議だ。
シビアな状況でもウォッカをあおり
どんどんグデングデンになっていく男女を見ながら
「これは……こういうもんなの?」みたいな(苦笑)
これはロシアの空気なのでしょうか。
そういや
「父、帰る」も印象的だけど、不思議なリズムだったか。
監督の持ち味なのか。
話のつながりも
ワシにはちょっと読み取りにくかったんですよね。
舞台となる入江の町を囲む海や
鯨だろうか、巨大な骨がぽつんと置き去りにされた浜辺など
壮大で、印象的なんですけどね。
★10/31(土)から新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
「裁かれるは善人のみ」公式サイト
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