ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ドリーム

2017-09-25 23:26:43 | た行

正統な良作!


「ドリーム」75点★★★★


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1961年。

米ヴァージニア州にあるNASAの研究所では
優秀な黒人女性たちが
“計算グループ”として雇われていた。

リーダー格のドロシー(オクタヴィア・スペンサー)は
能力に見合ったポストを求めているが
白人の上司(キルスティン・ダンスト)に
「黒人は管理職にできない」と暗に言われてしまう。

そんななか、幼いころから数学の天才とされてきた
キャサリン(タラジ・P・ヘンソン)が
黒人女性として初めて、ハリソン(ケビン・コスナー)が率いる
宇宙特別研究本部に配属される。

しかし
全員が白人男性である職場の雰囲気は
想像以上につらいものだった……。

だが、ソ連との宇宙開発競争に一喜一憂するNASAで
彼らはやがて
彼女たちの才能にひれ伏すことになる――。


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1961年のNASAで黒人で女性というダブルハンデと闘い、
偉業を成した3人の女性数学者の実話。

うん、
正統派におもしろかったです。


数学の天才、技術者、計算の天才の3人の黒人女性たちが
人種差別の理不尽さと闘い、
アメリカの宇宙開発を大きく前進させる“希望の光”となっていくさまを
克明に描いていて

黒人が白人と同じトイレを使えなかったり、
もちろん昇進も出来なかったり、という差別に
歯ぎしりするほどもどかしいけど

所々にあるにユーモアが、そのイライラを救い、
かつ、全体の描写にあたたかさがあるのがいい。


それにね、
こういう状況を
「大昔の、あ然とする差別」――とはまったく思えない
現代の状況もしみじみ考えてしまう。
特に日本はね……。

だからこそ
立ち上がり、一歩を踏み出す彼女らの言葉は
いまも心に響く、金言に満ちていて、
人を説得する「説得術」としても見習えるものがあると感じました。

そして
ケビン・コスナーは最近の良作映画のキモですよ。


ちなみに。
計算の天才を演じるオクタヴィア・スペンサーは
来月公開の超おすすめ映画
「ギフテッド」(11/23公開)
数学の天才少女を見守る隣人役でも登場してます。

このリンク、
うん!いいね!と思いました。


★9/29 (金)から全国で公開。

「ドリーム」公式サイト

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