いいねえ!大好き。こういう映画(笑)



「フレンチアルプスで起きたこと」80点★★★★




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フレンチアルプスの高級リゾートにやってきた
スウェーデン人一家。

スマートなパパ(ヨハネス・バー・クンケ)

美人のママ(リサ・ロブン・コングスリ)

愛らしい娘と息子たちは、
楽しいバカンスを過ごしている。






しかし2日目。
一家は、思いがけない出来事に遭遇し――?

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第67回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門、審査員賞受賞作。


もうね、大好きですよ。

こういう
日常のなんでもないことから
「え……?」

シュールでいじわるで、シニカルな映画(笑)

事件は小さいけど、いや~意地悪いわあ(笑)

スマートなパパと美人ママ、カワイイ娘と息子という
L.L.Beanのカタログのような4人家族が





スキーリゾートにバカンスにやってくる。

冒頭の
「写真、撮りますよ~」のシーンから
どこかヘンで引っかかるやりとりがあり、

いったい何が起きるのか……?とウヒヒ。
黒ディズニーを描いた「エスケイプ・フロム・トゥモロー」的でもあり、
しかも事件の起こりやすい雪山ですからねえ!(笑)

実際に何が起こるかというと
まあ、ちょっとした雪崩なんですが
そこで夫がとったある行動から、
家族に、亀裂がピシピシと入っていく。

全編を覆う、静かでいや~な不吉さがたまらないんですわ。

なんでもない風景を

いや~な感じに仕立てる演出も悪いわあ。うまいわあ(苦笑)

細かい人間観察と描写で、
こういう「あるある」なスペクタクルを作りあげる人を
尊敬してしまいます。


結局これは
ステキ家族であることを演じたり、良き夫・良き妻を演じたり、
取り繕ってる人間の表層や外聞を、いかに上手にひっぺがすか


おもしろさなんでしょうね。
そしてそれは
ステキを見せている側、見せられている側の
嫉妬心や、優越感の逆転の快感でもある。

この監督、
夫婦間の小さな不満を


細かいシーンで描いたりするのもうまくて
便座の上げ下げのところとか、笑っちゃいました。


と、
ワシはいじわるに楽しんでましたが
おなじみ週刊朝日「ツウの一見」で
男性学研究者で武蔵大学助教授の
田中俊之さんにお話を伺ったところ


ワシが考えてもいなかった視点をいただき
実におもしろかったです。

それはズバリ
「男の生きづらさ」。

来週7/14発売なので、ぜひ読んでみてください!

★7/4(土)からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。
「フレンチアルプスで起きたこと」公式サイト