ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

脳内ニューヨーク

2009-09-20 23:33:38 | な行
読者からのリクエストにお答えして

「脳内ニューヨーク」74点★★


「エターナル・サンシャイン」の
チャーリー・カウフマン初監督作
×
「マルコヴィッチの穴」の
スパイク・ジョーンズ製作

まあ
いかにも業界人が好みそうな映画ですが

けっこう好きでした。


はじめのうちは
妻に捨てられ、人生うまくいかない
孤独な劇作家(フィリップ・シーモア・ホフマン)の
よくある日常話なんだけど


彼がNYの巨大スタジオに
擬似NYを作り出し
役者たちに「ありのままの自分」を演じさせるという
プロジェクトを思いついたあたりから

次第に彼の作る演劇と現実が交じり合い
混沌としてくる…という。


これも昨日書いた
デヴィッド・リンチの超混迷作
「インランド・エンパイア」を思わせるんだけど

こちらは混乱しつつも、一応の流れがあり
いたずらに観客を翻弄しようという気配がないので
なんとかいけます。

それに
なんというか全体の手触りが柔らかくていい。


思考が必要だけれど、いい映画だと思う。


まあお疲れのかたは
間違いなく寝ると思いますが…


★11月からシネマライズほか全国で公開。

しかしこうしてみると
D・リンチの「インランド・エンパイア」って
アート志向のクソ映画かと思っていたけど
意外にいろんなシーンで思い出されるんだよね…。
コメント (8)
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