柏市根戸の住宅街の傾斜地(写真)で毎時57・5マイクロシーベルトという異常に高い空間放射線量を検出した10月下旬ごろから、千葉県の東葛地方を中心に、従来の学校などの公共施設だけでなく、私有地についても線量測定を希望する声が高まり、各市役所には電話などの問い合わせが殺到しているという。
問題の端緒となった柏市では、職員による私有地の測定を11月1日より始めたが、受け付け開始予定の1日午前9時前から、約30人の市民が市役所窓口に並んだ。電話申し込みのための5回線も、つながりにくい状態で、午後5時までに691件を受け付けた。11月2日から、市職員が2人1組が出向いて測定するというが、このままでは、申込みを裁けるのは、いつになるかと不安視されている。
以下は、11月2日の毎日新聞よりの引用となります。
受け付け開始前から並んだ同市松ケ崎のマンション管理組合理事長の安武洋さん(61)は、マンション敷地内の測定を申し込んだ。「57・5マイクロシーベルトが出た場所から500メートルぐらい。住民の間で不安が高まったので」と事情を説明する。長女(4)の手を引いて並び、自宅の測定を申し込んだ同市ひばりケ丘の主婦(40)は「原発事故後もあまり心配していなかったが、最近あちこちで騒ぎになったので、一応測ってもらえれば安心できるかな」と話していた。
私有地の測定では鎌ケ谷市が10月26日から実施し先行している。市民から要望があった私有地の放射線量を8人の職員が出向いて、測定している。1日までの申し込み件数は65件で、うち42件の測定を実施した。
特に、放射線が高くなりやすいとされる雨どいや庭の木の下、菜園などの測定を希望する市民が多く、職員が測定後、気になる場合、除染の方法や放射線のたまりやすい場所などの説明にも力を入れている。同市放射線対策室は「今のところ、高い線量は測定していない。職員が行って測定することで、放射線に対する正しい理解をしてもらうことと、何よりも実際に測定して安心してもらうことが大きい」と話している。
一方、松戸市では、共産党市議団が先月、市内の農地から同7マイクロシーベルトの高い数値が検出されたと発表したことを受け、同市農政課がこの農地を調べたところ、同2マイクロシーベルトが検出されたという。同市は農地についても除染を進めようと、計測を始めているが、農地以外の民有地については「まずは学校や公園などの測定を急ぎたい」と見送っている。
線量計を貸し出す自治体もある。白井市は11月1日、市民向けに簡易測定器貸し出しの受け付けを始め、75件の申し込みがあった。11月7日から実際に貸し出す。
流山市も11月1日から簡易測定器の貸し出しを始める計画だったが、機材の納入が間に合わず、同14日にずれ込んだ。同市も、個人の住宅や庭など私有地について、11月7日から受け付けを始める予定という。