プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

『武士の一分』――「労働者の一分」は?

2006-12-08 20:45:07 | 政治経済
山田洋次監督作品『武士の一分』を観た。「武士の一分」とは、侍が命をかけて守らねばならない名誉や面目をいう。 人には命をかけても守らねばならない一分(いちぶん)がある。譲れないものが何であるかは人によってさまざまだろう。藩主の毒見のために盲目となり、職を失いそうになった、愛する夫・三村新之丞(木村拓哉)のため、口添えを得ようとした、愛妻・加世(檀れい)は、藩番頭・島田藤弥(坂東三津五郎)の罠にはまり、身を捧げてしまう。素朴だが、こころ豊かで幸福な日々の生活。その「譲れないもの」を権力者によって無慈悲に奪われたとき、妻は夫のために身を捧げ、夫は妻のために”一分”をかけて自らの命を賭けるのだった。 現代日本の大企業や公務職場にも、「労働者の一分」をかけてたたかう人々がいる。 . . . 本文を読む