映画「夢売るふたり」R15を観てきました。
9月8日(土)公開ということでまたまた公開初日にみてきました。
監督西川美和 キャスト松たか子、阿部サダヲ、田中麗奈、笑福亭鶴瓶ときたら観ないわけにはいかないでしょう。
西川美和監督は「蛇イチゴ」「ゆれる」「ディア・ドクター」と、ずっと男性の心理を描いてきました。
その描き方がなんとも不思議な描き方をしてきているので、興味をもってきていました。
今回は、阿部サダヲを起用ということで、ちょっとコミカルな感じになるのかと思っていたら、意外とヒューマンな作品になっていたので少し新鮮でした。
今日公開ということであまりつっこんだことを書くのはよくないのかもしれないけど、書きたい衝動もどこかにあります。
もし、これから観る人のじゃまになったらごめんなさいということにします。
ストーリーをごくごくかいつまむと…
小料理店を営む貫也と里子の夫婦は、5周年を迎えたその日に火事で店を失ってしまいます。
自分たちの店を持つという夢を諦めきれない2人は、資金繰りのため結婚詐欺を画策します。
里子が標的を見つけ、貫也が実行に移すという手口で結婚願望の強いOL、男運の悪い風俗嬢らを次々にだましていきます。
でも、順調に進んでいた計画は徐々にほころびを見せ始め、夫婦の間にも微妙なずれが生じていくという話です。
二人で必死に支えてきて5周年の店が火事になってしまい、自暴自棄になってしまう夫と、再起をめざしてラーメン屋のパートに出かける妻、里子(松たか子)。
その妻を見ることでますますいらだっていく夫、貫也(阿部サダヲ)
初めは夫目線で描いていた映画が、浮気がばれるシーンから妻の目線が加わってきます。
夫がもらってきた(借りてきた)大金が二人の人生を変えていきます。
里子自身が標的を見つけ、里子の立てたあらすじに沿って演じることで結婚詐欺を繰り返していきます。
つまり、妻公認の浮気(不倫)という関係をもつわけです。
最初は店を再建するために仕方なくやっていて、納得していたけど、どこか二人の間に微妙な食い違いが生じてきます。
それを阿部サダヲ目線で描いたり、松たか子目線で見せたりそこらへんが西川美和監督らしいところだと思います。
妻公認の浮気を認めているものの、どこか女(妻)としての存在を見せる場面をいくつか見せます。
松たか子も体当たりの演技をしていて女優魂を見せています。
映画「告白」の時にも松たか子の長台詞に感服しましたが、今回もなかなかの演技だと思います。
阿部サダヲさんを風呂場で問責するシーンはちょっと怖いものがあります。
松たか子の演技ではいくつか気になるシーンがあります。
夫が外で他の女性と関係している時に、自分でズボンの中に手を入、ドアフォンの音で途中でやめて手をティッシュで拭くシーンや
そのティッシュで鼻をかむなどのシーン
トイレから出て来て、生理用ナプキンをつけてさっと下着をはくシーンなど
何の意味があるんだろうと思いました。
松たか子が演じるから余計そう思うのかもしれません。
悪いことをしているのにこの夫婦は、実にさわやかに生活しているのです。
そういうふうに日常の生活をいつものように変わりなく自然に生きているということを見せるためなのかとも思いましたがちょっと違和感が…
自転車の二人乗りだったり、店の中の二人の働く姿など実にさわやかに描くところが、二人の心情を考えるといろんな思いが…。
そういう映画なのかもしれません。
だまされる側の女優の目線に立ってしまう人もいるかもしれません。
この映画も何を感じるかは見る側の権利とでも言うような作り方なのかもしれません。
松たか子、阿部サダヲの起用ということで持つ先入観を裏切る映画だと思います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます