久しぶりの洋画を観に行きました。
いつ以来だろうと真剣に考えても思い出せないくらいです。
CG満載のアドベンチャーものや、パニックムービーが好きでなくてついつい敬遠しがちでした。
今回は、シネコンのポイントを利用したタダ券の使用期限が迫ったこともあり、何となく興味のあった映画にしました。
あまり期待していなかった映画だったのですが、印象深い映画でした。
久しぶりの映画の割には、心にヒットした映画でした。
『レスラー』のダーレン・アロノフスキー監督、ナタリーポートマン主演と話題のコンビです。
映画の売りとしては、「内気なバレリーナが大役に抜擢されたプレッシャーや嫉妬から少しずつ心のバランスを崩していく」とされています。
公開されたばかりなので、あんまりストーリーに踏み込むことは避けたいのですが、感想を言おうとするとどうしても少し踏み込まざるを得ません。
そこらへんを考慮していただきたいと思います。
舞台はニューヨークの有名バレー楽団。ニーナ(ナタリー・ポートマン)は将来を嘱望されたバレリーナです。
夢は『白鳥の湖』のプリマを踊ること。
新シーズンのオープニングとなる『白鳥の湖』のキャスティング・オーディションが始まりニナはこれに全てをかけています。
よくある話なのですが、このストーリーは若きバレーダンサーの夢という話ではなく、様々なものが織り込まれたものなのです。
かつて、バレリーナだったけど、ニナを妊娠してバレリーナの道をあきらめた母親との確執、
つい先頃までニナのポジションにいた先輩プリマのベス、ニナにない奔放さと官能さを醸し出すライバルのリリーと関係性が様々に交錯します。
母親との確執で言えば、バレーとピアノの違いはあるけど『ピアニスト』の映画を思わせるものがあります。
幻想と現実を行ったり来たりするニナの頭の中の世界を映像で描き出します。
映画を観ている我々にとって、見えるもの全てが真実だけに後からそれが幻想だと言われてもなかなか戻れません。
そこがこの映画のややこしいところです。
もう一つ鏡の使い方がやたらややこしいのです。
鏡を使って幻想と現実を演じ分けるところも見られます。
バレーダンサーだから鏡を使うということだと思いますが、鏡と音楽というものがキーワードになっていると思われます。
ある人に言わせれば、ニナの母親でさえ現存しないニナの頭の中にだけある人物ではないかという解釈もあるそうです。
もう一つ、ニナは母親の魔法によって白鳥に変えられた娘という解釈も成立するようです。
白鳥から人間になるために様々な試練が試される。
それが、黒鳥を演じるための様々な試練ということになるということです。
何が現実で何が幻想かというストーリーの追い方ともう一つは純粋にニナの成長に合わせてバレーそのものはまり込んでいくこともいいのかもしれません。
ともあれ、見ている時間飽きることなくずっと画面に食い入るように見てしまう映画だと思います。
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