パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

細木さん、私を告訴しても無駄ですからー!(ギター侍風に)

2006-05-25 14:34:54 | Weblog
 「南京百人斬り競争」訴訟、高裁で控訴棄却。理由は、内容的にはホラ話の疑い濃厚だが、当事者である将校二人が記者に話したという事実は消えないからということらしい。なるほどね……ホラ話であることを知らずに、ホラ話を聞かされ、それを全国記事にした場合の責任は、ホラを吹いた当人にある、っていうことか。まあ、それはそうかもしれない。二人は、戦後、日本に帰還して普通の一市民として暮らしていたのだが、いきなり戦時法廷から呼び出しがかかり、出頭したらそのまま中国に送られ、そこで、「あれはホラ話」と主張したが、重大証人である毎日新聞(当時は日々新聞だったかな)の記者が、「ホラ話だったとは認識していなかった」と、責任を回避したため、結局、ホラ話が本当のこととなって、死刑になってしまったが、自身は「やむを得ない」というか、「身から出たサビ」なのだと、諦観の境地だったようだ。
 しかし、マスコミ人というのは、まったくタチが悪い。おそらく、「ホラ話と知りつつ、本当の事のように記事にした」(と認めてしまったら、毎日新聞の立場がなくなることを恐れた毎日新聞上層部の命令なんだろうが。
 実際、「突撃する中国兵の銃弾をあわやと避けるなり、そいつの胴を、わが愛刀で寸胴切り! 一丁上がりだ! と言いつつ、貴様はどうだと問うと、ワッハッハ、言われて片腹痛いとはこのこと、ワシなんか中国兵の鉄兜ごと真っ向から竹割りだわ! ウワハッハと豪快極まりない。日本男児まさにここにありだ」と(今のは私の創作w。でもこれに近い)、まるで講談の荒木又衛門伊賀の36人切りみたいな記述で、これを「筆が滑ったきらいはあります」と認めちゃったら記者として恥ずかしい。というか、新聞記者失格ということになるから、「あんた、俺の話は戦意高揚のためのホラ話だとわかっていたんだろう?」と本人に聞かれても、シカトを決め込んだのだろう。
 
 くだらん、まったくくだらん! おまけに、この毎日新聞記者(たしか浅見とか言ったが)は、おかげで戦後、毎日新聞の看板記者にのしあがって、中国の文化大革命礼讃記事を現地から書き送ったりしている。浅見なりの屈折した「贖罪」だったんだろうが、結果的にはまたまた「現実」を見誤って、恥をかいたわけだ。

 実は、こんな話を長くする積もりではなく、月光で連載した「歌謡界銘々伝」の島倉千代子の回で、島倉の莫大な借金を細木数子が肩代わりして救ったと書いたことがあるが、あれは、島倉千代子の自叙伝だったか、あるいは、彼女について誰かが書いたバイオグラフィーから引き写したので、細木が、「事実無根よ!」と私を告訴しても、「ホラ話をホラと認識せずに書いた記事は、必ずしもホラ報道に非ず」なる判決がありますから、細木さん、告訴しないでねと言いたかったのだ。

 しかし、なんでマスコミは細木数子と島倉千代子の関係(どんな関係かしらないが、細木が自分の経営していた銀座のクラブを売り払って、島倉千代子の莫大な借金の三分の一を返済してあげたというのだから、普通の関係ではないだろう)に触れないのだろう。島倉の方も、細木の名前はおくびにも出さないし、不思議である……と今日、「週刊文春」の「細木数子超ロングインタビュー」を立ち読みしながら、改めて思ったのである。でも、このロングインタビューは、「次号に続く」とあったので、もしかしたら、「島倉千代子借金返済肩代わり事件(?)」に触れるかも知れないが。(でも、多分、触れないだろう。)

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4 コメント

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さすが (loro)
2006-05-25 18:01:23
さすが南原さん、面白いなー。
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なぜって (はぐ)
2006-05-25 23:07:34
取り上げないのは暴力団がらみ(細木が)でやばいからでそ。
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Unknown (青狐)
2006-05-26 03:09:58
ところが、靖国神社の遊就館所蔵の日本軍兵士・望月五三郎氏の手記には、二人が農民などを殺しまくる「殺人競争」をしていた、という記述があったことがこんどの裁判で明らかになったわけですね。

これが事実なら「農民を殺す競争」を「白兵戦での競争」と二人はホラ吹いたことになります。

つまり、浅海記者の記事よりももっと酷い残虐行為だった可能性も否定できません。
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Unknown (ナンバラ)
2006-05-30 13:44:19
 軍服を着ていない民間人を殺すことは厳禁で、犯したら死刑になる。しかも、二人は一般兵士ではなく、将校ですから、「農民を殺す競争」をするとは、考えられない。また、もし、そのことに心当たりがあったら、二人は、帰国後結婚して子供もできたところだったので、出頭を拒否して逃げたと思うのですが。



あと、当時は、もちろん徴兵制ですから、いろいろな人間が軍隊にはいた。中には、日本の敗北を望む共産主義者もいただろうし、殺人鬼もいたでしょう。実際、強姦魔で有名な小平よしおは、中国で強姦の味を覚え、帰国後もそれが忘れられなくて連続殺人魔になったそうだし。



ちなみに、「百人切り」を日本で宣伝したのは朝日新聞の本多勝一記者ですが、彼は、後に、斬ったのは戦闘中ではなく、捕虜の「据え物切り」だったと記述を変えていると聞きました。ということは、あの!本多記者でも、「農民を殺す競争」とはしていないと言いうことは、望月氏の手記とやらは、相当怪しいと想像できるとも言えます。

 まあいずれにせよ、人間の知覚というものは、たとえ、現に目の前でそれを見ていても、半分は脳で作り上げられるものなので、まして、「記憶」となると、真実はほとんど期待できないということになるでしょう。

 となると、結局問題は記事の真贋ということになって、まるで大衆講談のような記事内容は明らかにあり得ないが、でも、それを本人が喋ったことは事実なので、それを記事にしたことについて、責任を問うことはできないという、本判決のような結論になるのでしょう。
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