パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

わんこ挽き肉挟み揚げ

2005-12-07 15:38:45 | Weblog
 今朝のサンケイ新聞のコラム、「断」で、大月隆寛がいいことを書いていた。

 「郵政民営化はアメリカの陰謀、という議論がある。先の衆院選以降、さらにそういう声が論壇周辺で大きくなっているようにも見える。あらかじめアメリカのシナリオ通りに日本は解体されつつある、それを座視して受け入れる小泉政権はアメリカ追随、まさに「ポチ」なのだ、というきめつけは、今の政府批判、小泉批判の一つのモードになっている感がある。
 この手の陰謀論、かならず一定の信憑性をもって語られる。陰謀の主役は、たとえばアメリカでありユダヤ資本であり、冷戦下だとソ連や中共、それら「東側」の謀略というのも普通にあった。……
 そういうこともあるかもしれない、としか当面言い様がないような説明の仕方は、現状未確定なものとして扱っておく、それが良識というものだ。眼前の材料から穏当に判断できる範囲でしか、我々は現実を見通すことはできない。それを一気に何とかしようと、世界の秘密、この世の真実を究めよう、未来に向けて何か明らかにしよう、と過剰に思い込むことは、それがいかに誠実な動機に裏付けられていても、現れとして必ず不健康な傾きを孕んだものになる。たかだかこの自分が、という留保がなくなるところに陰謀論は忍び込み、心の健康を蝕んでゆく。
 ……」

 まったく同感である。もっとも、大月自身、この論を「中庸の美徳」という観点から書いているわけではないだろう。何か、もっと別に言いたいことはあるはずだ。で、そういったことも含んで、同感である。
 ただし、冷戦下の陰謀論は、ユダヤ資本が米ソ両政府を操り対立を演出しているというもので、文中みたいなものじゃない。つまり、陰謀論は常にユダヤと共にある……というか、それでしかあり得ないのが陰謀論なのだ。では、ユダヤの「陰謀」の目的は何かと言うと、ユダヤによる世界支配だ。「国家」を持たぬユダヤ民族にとって、究極の安心は「世界支配」によってしか得られないというわけだ。
 で、かつて彼らは米ソ対立構造の上に立つことで世界を支配しようとし、今は、日米協調路線の上に立つことで世界を支配しようとしている、というのが現在の陰謀論の構図ということになるが、私はこれは結構悪くない構図じゃないかと思っているわけだ。大月氏も同じようだが、別に、ユダヤが何を考えようが、「日米協調」でしか世界の平和は維持できない、これが世界の現実なのだから。

 スーパーのお惣菜コーナーで、「わんこ挽き肉挟み揚げ、税込み105円」とあったので、「韓流もついにここまで来たか!」と思ったら、「れんこん挽き肉挟み揚げ」だった。じゃんじゃん。

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1 コメント

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陰謀説は、 (うさぴょん)
2005-12-07 22:48:27
自分が凡人でないと思いたい人が好きなんではないだろうかと思う。

しかし、世界の平和なんて無理に外向きな責任感を背負い込まなくても、日米協調路線でのそんなに悪くない今の社会にほどほどに内向きで、自分の生活がそれなりに楽しめればそれでいいのじゃないだろうか。

結局、自分の安全を阻害されたくない人は、自分の身の周りでの争いも好まないものだと思いますよ。
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