パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

俳優の杉浦直樹と拉致被害者の会の横田滋会長が同い年であることとイラン問題について

2006-04-29 17:07:05 | Weblog
 「ときめきに死す」の珍優、いや怪優(同じか)、杉浦直樹が紫綬褒章をもらったそうで、その記事に年齢74と、2とか書いてあった。仰天。とても、そんな年には見えない。
 同じ新聞に、例の北朝鮮拉致被害者の会の横田滋さんの年齢が出ていたが、72だった。杉浦直樹と同世代……信じられない。まあ、横田さんもそれなりに元気そうではあるが、でも、今年の初めに倒れたそうだ。それで、アメリカに行かなかったとか。

 さて、その拉致問題なのだが、マスコミの論調では、被害者の会の必死の訴えにブッシュが遅まきながらやっと腰を上げてくれた、といった感じだが、どこを見ているのかと言いたい。明らかにイラン問題絡みでしょ。
 では、分析。

 まず、イランが核兵器を持つことは絶対に阻止しなければならない。イランの核は、インドや中国が核を持つのとは意味が違う。これからすべてははじまる。
 では、どうしたらよいか。各種報道によると、アメリカは武力を使ってでも阻止すると言っているが、イランは核関連施設を分散させ、かつ地下に作っているので、実際は武力攻撃を仕掛けても壊滅させることは難しいらしい。そして、そのことはアメリカもわかっている。
 だとしたら、武器化を防ぐことが次善の策になる。実際、核爆弾を作ってもそれを武器として使えなければ意味がない。そこで、技術と金のイランへの流出をなんとしてでも阻止せよということになる。
 そこで、ブッシュは、まず、アメリカを訪問した中国の胡にきつく釘を刺した。(実際、ブッシュと胡の会談の大半はイラン問題だったそうだ)
 次に問題なのは、実はアメリカの同盟国である日本だ。日本はイランの大規模油田の権利を獲得してその開発に大金を注ぎ込もうとしている。しかし、頭ごなしに止めさせたら、昔から日本はイラン(ペルシャ)と仲が良いため、日本の国内世論が反発する可能性がある。そこで、浮上してきたのが、日本の抱える「拉致問題」の解決に積極協力するというアイデアだ。おまけに拉致をしたのはイランにミサイルを輸出したりしている、北朝鮮だ。まさに一石二鳥だ。「人権問題」を強調することでアメリカ国内の超党派的支持を得ることもできることも考えれば、一石三鳥だ。(誰だろう、こんなうまいことを考えたのは。ライスだろうか、やっぱり)
 こういった分析は、日本のマスコミだって当然考えていると思う。なんといっても今のアメリカ(ブッシュ)の最重要課題はイラク問題であり、すべてはこの問題の解決のために動いているといっても言い過ぎでない。しかも、現実はまったくのてづまり状態で、ますますイラク問題で頭が一杯のはずだ。だとしたら、そんな時期に、「北朝鮮による拉致問題への積極的関与」を唐突といってもいいようなタイミングで持ち出した本意がイラク問題と無関係ではあり得ないことぐらい、わかっているはずだ。ところが、そういった点に照明をあてた報道をまったくしないのは、一つには、これまでずっと情緒的な報道しかしてこなかったため、アメリカの態度変化についても情緒的に報道せざるを得ないこと、もう一つは、そのために、北朝鮮の出方次第ではもう一方の当事者である日本が覚悟をきめなばならない事態になる可能性があることを認めたくない気持ちを引きずっているということ、この二つだ。
 ……と思うのだがどうだろう。

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2 コメント

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イランを攻撃というのは (大将)
2006-05-07 13:08:30
イランを攻撃というのは



非常に困りますね。

イランはとりあえず選挙やってますし、大統領を自由選挙で選んでいる主権国家ですからね。



独裁者の恐怖政治国家イラクとは違いますよ。イラクは実際クウェートにも侵攻してますし。



まあ、もちろん、もともと「大量破壊兵器」がうそだったのに平然と攻撃してるわけで、その一方で「大量破壊兵器保持宣言」をしてる国は攻撃してないという全然矛盾した態度なんで、一貫性なんかないんですが。北朝鮮攻撃したら、後面倒みないといけないし、石油がないから持ち出しだし。

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Unknown (大将)
2006-05-07 13:47:35
映画「太陽を盗んだ男」。ジュリー演じる理科教師が原子力施設からプルトニウムを盗み出し、お手製の原子爆弾を製造。自身を第九番目の「核保有国家」とみなし、政府に「巨人戦のナイター中継を延長せよ」と脅迫する。続いての要求はローリング・ストーンズの来日公演。



★沢田「巨人戦のナイター中継を延長せよ」

政府・・今の時代だったら「テレビ東京、テレビ大阪でやってくれ」 で解決しますね(もしくはジータスに加入)
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