パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

ベストアンサーを目指して……

2007-06-21 23:06:03 | Weblog
 今回は、社保庁民営化の話。

 私は、基礎年金(国民年金)部分は税金でまかなうべきだという考えだから、社保庁は完全解体し、とりあえず、役人は財務省の一部局に繰り込めばいいと思う。(今さら急に「全員クビ!」ってわけにもいかないだろうから)

 これは、民社党の意見と同じなのだが、最近の動きだと、民社党はこの「公約」にあまり熱心のように見えないのが残念だ。これから、選挙まで一ヶ月ほどあるから、それまでに「やる気」を見せるかどうかで、こちらの態度もきめることにしよう。

 それはさておき、実際問題、社保庁は民営化されることに国会で決まったようなのだが、では、この政府与党のすすめる民営化とは何なのか。

 これが、また、今一つよくわからないのだが、ヤフーの「知恵袋」をみたら、こんな質問がなされていた。

 Q 社保庁が解体し民営化され倒産すると、年金は再び消えた年金となるの。

 ベストアンサー いずれにせよ問題が生じたとき、政府に責任はない!と強弁できます。厚生労働省はこの手のことが大得意。予防接種で合併症がでれば、強制を止め、勧奨に。これで何かあっても受けた人の責任。政府は関係ないもん・・。受ける人が少なくっても、勧奨に応じないヤツが悪いんだもんってなもんです。その結果、日本は世界に冠たる麻疹流行の危険国に落ちてしまいました。とにかく責任から逃げたかっただけでしょ。不祥事の始末をつけて、責任者をはっきりさせてから民営化でも何でもやってね。

 『ベストアンサー』というのは、ネット参加者の投票で決まるようだが、これはないでしょ。

 何故って、これでは、民営化した社保庁は世界最大の金融機関の数倍、あるいは数十倍の規模をもつモンスター金融機関になってしまう。もっとも、これが自民党政府の狙いで、やらせている黒幕はユダヤなんだ、という話もあるみたいだが、それはない。

 もっとも、ここで、「ない」と断言する証拠もないのだが、そもそも、私の理解する「社保庁の民営化」というのは、三菱銀行と野村證券と日本生命を合わせてさらに大きくしたメガ金融機関の新たなる誕生……ではなく、「政府の下請けとして、年金掛け金の集金と配分を行う会社」と理解しているわけ……なのだが……これでいいのでしょ? 喩えて言えば、今問題になっている「コムスン」みたいなもの。

 つまり、「コムスン」は、政府(厚生省)と契約して、介護作業を請け負い、政府からその代金を貰う。ここで、インチキをしたので、契約を解除されてしまった。

 新しく発足する社保庁もこれと同じで、年金《事業》ではなく、年金《作業》を行って、その手間賃を貰う。これが、年金《事業》だったら、年金基金を運用して、それ自体から利益を得る。そんなこと、元になるデータを数千万、もしかしたら「億単位」で紛失してのけた、旧社保庁にやる能力もなければ、行政側も、まさかやらせる積もりはないでしょ、と思うのだ。

 というわけで、コムスンに対する厚生省の態度が、ちょっとやり過ぎではないのかと思えるくらい厳しいのは、多分、社保庁民営化を目前にして、引き締めにかかっているからではないかと想像するのだが……。

 それはともかく、新しく民営化する「社保庁」は、年金資金の運用に携わるのではなく、年金にまつわる「手間賃」だけを貰うのだと、私は理解しているので、ヤフー知恵袋の「倒産したらどうなるの?」という質問に、私だったら、

 「コムスンの代りに大衆割烹のオーナーが名乗りをあげたように、別の組織がやることになると思います」

 と答えることになるんだが、これでは、「ベストアンサー」にはならないだろうなあ。