パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

年金の危機(?)

2007-06-19 22:51:11 | Weblog
 また、年金の話を。

 政府、与党としては、参院選挙までの間に国民の年金問題に関する熱が醒めてくれることを期待しているということだが、今回はそれはないのではないか。もっとも、だからといって民主党にも期待できないし……困った。
 しかし、それより何より、世論は相変わらず、社保庁の不手際を責めてばかりで、うんざりだ。もっと、根本的な疑問、たとえば、厚生省は、国民年金の滞納者が四割を越えているので、年金財政が危機に瀕していると言っているが、年金は最低25年間収めなければならず、それ以下の人は無年金になる、つまり払わなくてよいわけだから、それで、なんで「危機」なのだろう。ずっと疑問に思っているのだが、是非、役人に質問してほしいところだ。

 もし、役人の答が、無年金の老人が大量に発生すること、それこそが「危機」なのだ、というのだったら、厚生省の役人は「健全」な心の持ち主と考えてよいし、そこから、政治家と一緒に対処法方を考えればよい、ということになる。

 ところが世論の一部には、未納の結果、無年金になった老人は、身から出た錆なのだから、勝手に自殺するなり、野垂れ死になりせよという向きもあるようだ。遊び呆けたキリギリスは死んで当然、というのだ。そして、実際の話、今のままだと、こういった世論がさらに大きくなる可能性がある。

 しかし、実は、私としては、こういう世論が――あえて言うのだが――もっともっと大きくなればいいと思ったりもするのだ。というのは、このような《世論》に対決することによって、政治家、官僚たちの「公器」としての真価が発揮されると思うからだ。

 ちょっと花田清輝風になってしまった。