パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

筋論ってなんだ

2006-12-04 22:05:15 | Weblog
 自民復党問題は、いわゆる筋論というわけで、面倒臭い。A、B、C、Dと何本も筋があって、それのどれが正しいとも言えないから、実りがある結論が出るわけでもなく、ただ面倒臭い。しかし、そういう筋を主張しあって、お互いに相手を消しあって、最後に何が残るかと言うと、大枠としての自民党という存在を認めるか認めないかということになって、そうなれば、当然、認めることになるわけだから、案外、党組織としては健全な結果となるかもしれない。民主党さん、喜んでいる場合じゃないと思うが。

 デカルトがヨーロッパで活躍をはじめた頃、日本ではちょうど鎖国をはじめてしまい、それまで、たとえばスコラ哲学などはキリシタン神父などを経て結構日本にも知られていて、仏教の僧侶とやり合ったりしていたのだが、肝心要の、スコラ哲学を論破し、近代を切り開いたデカルト思想以降がまったく入ってこなくなってしまった。そして、そのデカルトが切り開いた「科学革命」が、行き詰まりを見せ始めた頃に、開国となった。たとえば、マルクスなんか、江戸時代末期の人だ。イメージしているより随分古い。ダーウィンもそうだ。つまり、科学革命が行き詰まった結果、出てきた人が日本では、いかにも西洋科学の代表者みたいに受け取られてしまった。このボタンの掛け違いは、日本近代において、いかにも痛かった、といったようなことが、中央公論社、世界の名著シリーズ、「デカルト」編の前書きに書かれていたが、なるほどなと思った。