パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

私の好きなもの

2006-01-12 21:32:58 | Weblog
と、唐突に書きますが、私の好きなもの、それは、アイスクリーム用の平べったいスプーン。あれがなぜか好き。もちろん、そのスプーンでアイスクリームを食べるのが一番好きなのだが、ただ、口にくわえて、ぺろぺろなめているのも好き。

 昔、(前にも一度書いたことがあるが)うちの近くに「つんぼさん」という短髪で白髪のおじいさんの「便利屋」さんがいた。垣根の修繕とか、屋根の雨漏りをなおしたりとか、ゴミの穴を掘ってくれたりとか、ともかく力仕事なら何でもやるおじいさんだった。「つんぼさん」というのは、少々耳が遠かったからで、子供達は、「つんぼさん」(本名は中村)を遠くから見つけると、思いきり大声で「つ・ん・ぼ・さ~ん」と叫んだものだった。
 さて、ある日、そのつんぼさんにゴミの穴を掘ってもらおうと思ったら、生憎、不在だったので、自分達で掘ることにした。といっても、私は小学校の低学年だったので、あんまり役には立たないのだが、ともかく、うちには穴を掘ろうにも、草花用の小さな、おもちゃみいなものしかない。そこで、まず、ちゃんとしたシャベルを買おう、いずれ必要になるだろうし、ということで、私は、近所のお兄ちゃんと一緒に、近くの荒物屋に行った。そして、並んでいるシャベルの中に、四角くて平べったいものを見つけ、「これにしよう」と言った。すると荒物屋の主人は、私に向かって、「これは、セメントをかき混ぜるためのシャベルなので、穴掘りには向いていませんよ」と言った。
 そう、私は、アイスクリームのスプーンと形が似ているというだけで、セメント用のシャベルがほしくなったのであった。

 もう……、なんか、「ひらべったい」という言葉も好きだ。でも、おしなべて「ひらべったい」状態が好きというわけでは必ずしもない。
 鈴木翁二だったかのマンガに、「私は尻のひらべったい女が好きで云々」という台詞があったように記憶しているが、こんなことを覚えているのも、「ひらべったいスプーン」を連想したからなのだが、でも、女のおケツはやっぱり丸いほうがいい。

上野千鶴子って「いい人」らしい

2006-01-12 04:06:45 | Weblog
 前に、アフォーダンス理論について少し書いたけれど、えらく難しい。本当に理解している人は世界に数人かもしれない、てくらい難しい。(アインシュタインの相対性理論を理解している人は数人、なんて話があったけれど、そんなことは全然ない。少なくとも特殊相対論は中高校生でも理解できる。もちろん、「完全なる理解」となると難しい。アインシュタインは間違っているという人が今も多いのはそのせいだ)それで、あちこちのウェブで記事を探して読んでいるところだけれど、大半は、「デザイン」理論として紹介している。そんな中で、「読書好きの医者」という人のHPが、なかなか面白く、それで、この人の前後のページをのぞいたら、上野千鶴子について書いてあって、いやー、上野千鶴子はもう終わってますな。(彼女は社会学より、文芸評論のほうがいいと思う)「女は、自分が弱者であることに居座るべし」が、自分のフェミニズム論の原点だと、最近の著書に彼女は書いているそうだが、「女性が男性に比較し、(社会的)弱者であることから抜け出ようと言うのがフェミニズムだと思っていた」と「読書好きの医者」に皮肉られていたが、まったく返す言葉もないだろう。「意外にいい人らしい」とおだてられた後「でも、私は悪い人の方が好き」とバッサリ切り捨てられたり、いや、痛快。

 ところで、上野千鶴子は私の知り合いの女性カメラマンの友達で、その写真展に来る、というので、その会場にいた私は、一つ聞きたいことがあるから絶好のチャンスだ、待ち構えたものの、結局あらわれなかったことがある。
 で、何を聞きたいと思ったのかというと、ちょうどその頃、パチンコに熱中した母親が、駐車場の車に置き去りにした赤ん坊を熱射病で死なせる事件が相次ぎ、バカ母親とバッシングされていたので、もちろん、赤ん坊を自分のミスで死なせてしまったことは弁護の余地がないが、私の理解では、上野千鶴子あたりがこの母親を弁護しないで、誰が弁護するのだと思っていた。ところが、うんともすんとも発言しないので、どう考えているのか聞いてみたかったのだ。
 この問題については、下川コーシさんに、「パチンコ屋が責任をもって駐車場を見張るべし」と主張して、「とんでもない、母親にパチンコをすすめるのか」と反論され、半ば喧嘩になってしまった苦い記憶がある。それ以来なのだな、下川さんの原稿が消えたのは。実際は、その後にさらにちょっといざこざがあったのだが、火種はこの時に醸成されていたのだ。たぶん。
 もっとも、一方的に怒鳴られた後、間に奥さん(じゃないんだけど、事実上の奥さん。えー名前は…小説家の稲葉真弓さんだ)が仲介してくれて、「17歳の犯罪」のテーマで一本原稿をもらった。正直いって、これは下川さんのあらゆる原稿の中で(「月光」だけじゃなく)、もっともよかったと思うが、その後も結局気まずくて、また、しばらくして事務所も引っ越してしまったので連絡がつかなくなってしまった。
 それはともかく、その時の私の提案は、駐車場の車の中に赤ん坊が放置されていたら、その親に連絡してパチンコを中止させるようにせよ、というものだったのだけど、下川さん、結構、短気なんで、私の言ったことなど耳に入らず、「パチンコ屋に責任がある」と私が言ったと解釈して、「何をバカなことを言うか!」と怒りまくったのだ。デザイナーのKさんも同じなんだよな。世界一の短気ものといっていいくらい短気で、人の言うことを2、3秒聞いただけで、「アホとちゃうか!」だもんなー。(2、3秒はオーバーじゃない。ほんとのことを言うと「瞬間」!)
 なんか、変な話になってしまった。

 追伸 駐車場云々の話は、別に法律を作るまでもなく、パチンコ業界が申し合わせて、駐車場に係員を常駐させるようにすれば、それですむ。もちろん、このアイデアでなければならないということはないけれど、ともかく、「バカ母親」に責任を擦り付けたまま、業界としてなんの対策もたてなかったことが今のじり貧状態を招いているのではないか。プロ野球のジャイアンツと同じだ。