パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

疲れた一日

2006-01-19 23:07:33 | Weblog
 昨日のことだけれど、午後4時半から歯医者で抜歯の予定を忘れて、S不動産のチラシ配付のバイトに出かけた。すぐ御近所の富久町の「戸建て住居」のポストに、「あなたの不動産買います」というチラシを放り込むというもので、一戸あたり、わずか五円。でも、がんばって沢山まけば、まあ、月に三、四万にはなるのではないかと思っていたが、二千枚以上播く必要はないと、説明にあたったS不動産(隠すこともない。住友不動産だ)の岡田前民主党代表によく似た社員から言われた。「え? じゃあ、一万円以上稼ぐことはできないのですか?」と聞くと、その岡田似の男は、生真面目な顔で、「そうです」と言った。にこりともしない。こんなところまで岡田前代表に似ている。
 岡田が任期なかったのも無理はないと思いつつ、これじゃあ、断るしかないなと考えたが、まあ、どうせ暇だし(す、すみません……)、幾らになるのか聞かなかったが、買い上げ契約が成立したらボーナスがでるそうでもあるし、どんなものかやってみるのも面白かろうと、なんとかかんとか280枚配って、クタクタ。
 大体、新宿区富久町は、バブル最末期に開発対象地域となって、全域虫食い状態になってしまった町で、マスコミに頻繁に取り上げられた場所だ。残存している「戸建て」住宅そのものが何軒残っているか、と思ったが、いざ行ってみたら結構ある。ただし、二千軒は、多分、ないだろう。せいぜい千~千五百軒くらいではないか…だとしたら、どんなに頑張っても五千円~七千円じゃないか!などと思いつつ、狭い路地を歩き回っているうちに、疲労も重なって、目がぐるぐるしてきた。
 そんなわけで、出発が二時、戻ってきたのが四時半。やれやれとお茶を飲みながら、「バイト募集のチラシには《運動不足の解消に》とか書いてあったけれど、ただ疲れただけで、あんまりよい運動になったような感じはしないなあ」などと初日の感想に思いを致している時、ハッと気がついた。歯医者に行かなければ! それも抜歯だ。明日にするか? でも、やなことは、少々疲れていても、今日やってしまいたいと思い、歯医者の門をくぐった。(ちっちゃな歯医者で門なんてないけど)
 前にも書いた通り、抜歯箇所はずっとブリッジでごまかしていた奥歯数本である。ブリッジは無理すかねえ、と、土壇場で再度哀願してみたが、「無理無理無理! 入れ歯しかないよ」と言下に却下された。入れ歯かあ……でも、ブリッジも、実のところ「固定式入れ歯」なんだそうだ。じゃあ、「入れ歯」なんて爺臭い言葉じゃなく、もっとかっこいい言葉考えてよと言いたい。

 ともかく、バリバリと音をたてて抜歯完了。時間はほんの数分だったが、疲れていたせいもあり、その後なんとなく気分がすぐれず、こういう時は睡眠をとるのが一番と、早々と毛布にくるまった。しかし、元来、寝つきの悪い質なので、ただ目を瞑っているだけの時間が多く、そのうち退屈して起き出して深夜の大相撲ダイジェストなんかを見たり、栄養をつけようとチーズをかじったりしているうち、結局「朝ズバ」まで見てしまった。みのもんた復帰。確かに勢いのある番組ではあるのだが、復帰したみのの顔を見るなり、入院治療中の映像まで流させた挙げ句の果ての、得意満面の笑顔に、いったい何様のお帰りだ、という嫌悪感がむらむらと沸き起こって(もしかしたら、私は寝ぼけたままみのの「声」を聞いただけで、まだ復帰はしていないのかも知れないけど…どうなんだろう)、即、チャンネルを変えた。もちろん、視聴率にまで影響をおよぼすことはないだろうが、あたかも「凱旋将軍」のような「みの」を見て改めて辟易した私のような人間は少なくないのではないだろうか。