活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

子の生活安定なくして親の幸福なし

2009-08-25 23:00:00 | Weblog
高齢者の方には失礼であるが、ご子息たちが就職できないのは「飽きっぽい性格」と思っていないだろうか。それではかわいそうだ。思い違いもはなはだしい。

ご自分の現役時代を振り返れば、終身雇用、年功序列の正社員で、定年退職するまで、収入も生活も安定したサラリーマン人生だったからその思いは強いはずだ。

いま新たに就職しようとしても、正社員で採用されることは滅多にない。何十回と面接を繰り返しても、正社員はおろか非正社員の道まで閉ざされているのが現状だ。経済不況のせいではない。それ以前から問題にされていた。

「グローバル経済に対応するため」として、95年に日本経団連(当時は日経連)が、賃金や昇進に差をつける雇用形態を採用するために、労働法制が相次いで規制緩和された結果によるものだ。

簡単に言えば、経団連は①正社員②正社員以外の派遣や契約社員等の有期社員③パートやフリーター等に色分けした新しい雇用システムを導入した。①以外はどんなに頑張っても昇進の道はないどころか、いつまでも不安定な生活を余儀なくされる。

経団連が主張した新しい雇用システムに、理解を示した堕落政権がこれを積極的にバックアップした。企業の利益、最優先の政治がおこなわれた。これではご子息たちは浮かばれない。

ところで高齢者の総選挙での最大の関心事は「年金」だという。昨日、新聞で東京・新宿区の「限界団地」といわれる、お年寄り住民を取材した記事が掲載されていた。それによれば、構造改革や経済のグローバル化は自分たちの暮らしには「関係ない」という。あまりにも淋しいではないか。

高齢者にも「自分さえ良ければ」が蔓延しているのだろうか。否、そうではないと思う。どんなに時代が変わろうと、子らの生活安定を望まぬ親はいないからだ。すべて今の堕落した政治が、親子の生活の安定を奪い去ったのだ。

国民を人質に、財界には「言いなり」の政治を献上した挙げ句の果てにだ。いつの間にか「お先真っ暗」の日本になってしまった。この現状は変えなければいけない。こんな政治を二度と許さないことだ。8月30日、日本の行方が決まる。