活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

基地問題で暗雲ただよう新政権

2010-06-07 23:08:47 | Weblog
菅新首相が誕生して、支持率は60%を超え、V字回復しているが、喜んでいることはできない。基地問題の暗雲が大きくのしかかっているからだ。

鳩山前首相の下、普天間飛行場の移設先は、辺野古崎に決定すること、日米で過日、合意した。しかし、この合意は沖縄県民の意思とは真逆の選択だった。

菅新首相も「国と国の約束だから引き継ぐ」と鳩山路線を踏襲することを明らかにしたが、これは間違いである。安定した政権運営を図るためには、共同声明の撤回を米政府に申し入れることが、先ず最初にするべき仕事である。

民主党は昨年8月の総選挙で、日米地位協定や在日米軍基地のあり方を見直すことを選挙の公約にして圧勝した。おかげで念願の政権交代も実現した。

ところが鳩山政権はこの約束を反故にして、米に従属する道を選んだ。米への屈伏で政権を追われ、その期間、わずか8ヶ月余の政権の座だった。

鳩山前政権が米に約束したことを、菅新政権も引き継ぐということは鳩山同様、同じ道をたどることを意味する。

「県外もダメ。国外もダメ」で、どうして沖縄に押しつけられようか。現実を直視すれば、県民の総意を尊重し、「普天間基地の撤去」を宣言するべきである。

繰り返すが、アメリカの「抑止力」などは大ウソだ。海兵隊は日本を足場にして、イラクやアフガン攻撃の最前線にした。また、安保存続の口実として中国・北朝鮮が攻めてくるなどの保守・タカ派の喧伝に踊らされるほどに、わが国政治は主体性を喪失、劣化が加速した。

新生菅民主党は、自民党が歩んできた「売国政治」と同じ撤を踏もうとしている。それは国民の血税を使って、米軍の侵略戦争に加担する「永久基地」の建設をしようとしているからだ。

菅新首相は民意を無視した政治は、永らえないこと「百も承知」だと思うが、米と対等な政治を構築できなかったら、いっきょに信頼を失い、政権浮揚することは100%ありえない。