Retriever Legend's blog

散歩好き、本好き、惰眠好き、犬大好きの彼(旦那)の戯言を僕が代弁します。

詩は孤立している

2009-07-22 06:33:57 | 未分類
ちょっと一服

黒春の頃から飽きもせず購読している雑誌があります。
と言うより、本屋が律儀に届けてくれる所為なのかもしれませんが。
その雑誌「現代詩手帖」が、創刊50周年を迎えました。

何百冊かの「現代詩手帖」は、本置き場に平積み状態です。
先住猫は、本の天で爪とぎをしていましたし、今の愛猫は、崩れそうな場所なのに、仰向けで寝転がっています。
猫も好きな「現代詩手帖」なのかもしれません。

記念シンポジウムの様子が、講演した吉本隆明の写真入で朝日に掲載されていました。

『詩は今、孤立している 「現代詩手帖」創刊50周年シンポ』(09.07.08朝日)抜粋

北川透氏「ノイズに近い言葉で、果たして時間的空間的に遠くに届く言葉でありうるか、切実な問題」
「中原中也の詩は分かりにくさを超えて届く。孤立自体は恐れなくてもいい」

荒川洋治氏「私たちは99%が散文という中で暮らしている。60年代などと比べ、詩的言語が片隅に追いやられている」

松浦寿輝氏「世界は大きなテキストで、それを凝縮したものが詩だ」

吉本隆明氏「教科書を壁にして両親には勉強していると思わせ、詩を書いた。自分を納得させるために詩を書いた」。尊敬する高村光太郎や西行らの作品を模倣することで「詩の書き方を覚え込んだ」。でも、簡単には書けず、「毎日、机の前に座った。そのうちに脱出口が分かった気がして自分の詩を書くことができるようになっていった」という。


好きな詩人とかはいませんが、好きな詩作品とか詩集は数知れずあります。
現代詩の良い所(悪い所?)は、読み手に「思考」を強いますので、北川透氏の中原中也の詩評は、そのことを的確に話したと考えます。



後日、シンポジウムの採録が現代詩手帖に掲載されればと思います。