Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編457. 新型コロナウィルス14. 夏休み前の感染状況

2020年08月02日 | analysis

 

 この感染が始まった頃から、メディア報道に科学の知見や論拠がみられなかったし、様々な情報が錯綜し、論拠のなき推測発言ばかりでは結局なにもわからなかった。そこで自分で厚生労働省のデータを時系列で集計してきた。特にこのブログ「新型コロナウィルス10.まとめ(番外編432.新型コロナウィルス(COVID-19)感染者数の推移について、その7.日本と韓国の比較考察2020年5月2日、検証5月20日)」の中で、新型コロナが発症前に既に感染をひろげていたとする知見にたどりつき、ようやく自分なりに納得できた。つまり発熱などの発症期前から曝露が始まり、それは本人もわからないのだから当然自覚もしてない。そこがこのウィルスの特性でもあり、やっかいなところだということを。そのときの図を以下に再掲しておく。

図1. 新型コロナウィルスの構造(再掲:番外編432.新型コロナウィルス(COVID-19)感染者数の推移について、その7.日本と韓国の比較考察2020年5月2日)

 

 その結果我が国の保健所制度などは、すべて後処理でしかできないことを思い知らされた。もちろん政府の対応、防疫、検査態勢、医療施設への支援、都市封鎖などなどは脳天気なほどに遅すぎた。重要なときに、全てが遅いというのが日本政府の特性なのでしょう。あの真珠湾攻撃のときでも、米国への宣戦布告が開戦後に届いたという不始末。だから米国では、不意打ちも武士道なのかとする日本人認識は消えない。

 さて推移データをみていると、個別的にみれば興味深い推移をしめす部分もあるが、全体としてみれば、そんなに面白いデータではない。私のように構造的に見たい人間にとっては、感染構造はわかったけど感染が納まらない要因をさぐれるデータではない。つまり現象データばかりであって、物事の属性を示すデータではないから興味も薄くなります。 

 こんなデータ集約とか解析などは、高校生にでもさせておけばよいと思うが、夏休みも近いし、感染も拡大しているので少しデータを集約してみた。

 

1.G7主要国の感染者数推移の状況について

 先ず図2でG7国家+中国、韓国の感染者数累計値をみてみます。

図2. G7国家+中国、韓国の新型肺炎患者数累積値の推移(単位:人)

 

 米国の増加は線形の傾斜が少しきつくなってきたので、感染者数が増加傾向。どうしてここまで拡大してゆくかを探ることは興味がありますが、手元にデータが無い以上私は静観してます。おそらく新型ワクチンの開発投与で一気に低減することを意図していると思われます。増加する感染者数の追跡調査は米国側に膨大にあるわけですから適切な解析をおこなえば傾向や関係性はわかります。尚V字型にくぼんでいるのは欠損値です。

 米国の値が大きいので各国の傾向が読みにくい。そこで1日あたりの感染者数値でみてみます。表でアップできればよいのですが、昨年暮れからのデータですから、ブログ画面にはとても納まりませんし、数段に編集するのも手間がかかります。だから 要点だけ説明します。

 さてここ直近1週間の推移を最小値と最大値でみてみます。中国21〜105人で推移、日本596〜1146人の間で推移、韓国18〜113人の間で推移、米国56,336万〜74,985人7万の間で推移、カナダ355〜717人の間で推移、フランス0〜1062人の間で推移、ドイツ389〜839人の間で推移、イタリア171〜306人の間で推移、英国688〜779人の間で推移、スペイン0〜8189人の間で推移、とバラツキがあります。

 ヨーロッパ各国の4月頃の1日の感染者数は2,000〜8,000人代ですから、それよりは低減しているのでしょう。二次感染と呼ばれる所以かもしれません。日本は第一次も第二次も類似の数値で感染者数を発生させています。やはり中国と韓国が終息に向かってゆく傾向があります。特に中国・武漢市の感染者数0値が続くという報道をみると、発生地であると同時に、世界でただ一つの終息できるという実証例だといえます。強い国家の意思のもと、一斉に国民を統率できる力を持っていることを中国は、世界に示しました。

 

2.我が国政令指定都市を有する都道府県別感染者数の推移について

 7月30日時点の日本の感染者数累積値を図3でみてみます。

 図3. 政令指定都市を有する都道府県別感染者数の推移について(単位:人)

 顕著な傾向は東京都が再び増加に転じたことでしょう。その傾斜も前回より少しきつい、つまり増加数が前回よりも多いということです。あきらかに東京に遅れて、他都道府県の感染者数も増加傾向になりつつあります。つまり感染源は、当時感染が完全には納まりきっていなかった東京といってよいでしょう。やはり自粛解除の時期が早すぎたといえます。

 こうしたデータをみていると、Withコロナという政策が成立するのだろうか疑問に思われます。どこか文科系政治家達のスローガンのようで偽善的ですね。私が一番知りたいのは、都市活動、あるいは都市人口の移動をどこまで回復させたときに、感染者がどの程度増えるかとする方程式です。私は、多分専門家会議で使われていると想像しています。その方程式を示してくれないと、こちらは何もわかりません。ただ数値が上がった程度のことはデータをみればわかるので、子供の診察ではないのですから、文科系メディアはやはり方程式なりモデル式ぐらいを示し、科学報道、あるいは子供向けではなく大人の報道をしてほしいですね。

 

3.無症状の感染者が増えたのではないか?

 小見出しは、最近メディア報道で聞かれる言葉ですが、特に新しい現象ではありません。このブログでは、前述したように2020年5月2日のなかで、発症期前に曝露していたとする見解を示しました。今では多分検査体制が整いつつあり、ようやく少し広範囲に感染者数が把握できるようになったという程度の話。そのことを1日入院数/1日感染者数の構成比で図4でみてみます。縦軸が構成比の合算値、横軸が3月19日以降の日付です。

 政令指定16都市の構成比をそれぞれに算出し、各構成比を合算したものですから縦軸目盛がMax1,400になっています。本来なら全国値の構成比を出すのが簡単ですが、それでは個別的都市についてわからない。多分医療機関の余力に応じて全て入院させる、自宅待機などの措置が、都市ごとに違うということは数値からわかります。

 統計的にはあまり使わない方法ですが、個人的には面倒なのでこれで説明します。疑わしいと思ったら各自でデータを集めて検算してみてください。データは3月20日〜7月30日までの16都道府県別入院数/感染者数累積値の百分率を算出し合算しました。計算上欠損値はデータなしの扱いとしました。

図4. 構成比(入院数/感染者数%の合算値)

 この入院者数というのがなやましいのですが、定義は当該日に何人が入院していたかとする値です。しかし前々日から入院している人も含まれているとすれば退院もあるフローデータです。ここでは累計値とみてよいのかな?。そうであれば、感染者数累計値との比率をとればよく、それが図4になります。

 確かに構成比で見る限り7月以降は、入院数が4月頃と比較して大きく低減しています。低減理由として、検査態勢が拡充されたので多くの検査数を扱えるようになった。その結果入院を必要としない軽症の感染者が多く捉えられたということではないでしょうか。つまり前述した発症期まえに既に感染を曝露させていた未発症感染者の一部をようやく把握できるようになった、ということでしょう。

 さて図4は、構成比ですから、ベッド数に余裕があるという意味ではありません。毎日報道されている感染者数をみればわかりますが、前回以上の急激な増加に伴い医療施設は次第にひっ迫しつつあるというのが現在の姿です。

 

4.まとめ

 このブログ2020年5月2日、5月20日の中で、新型コロナが発症前に既に感染を曝露させていた。それは発熱などの発症が現れる以前のことですから、本人自身もわからない感染なのだという感染構造に私の認識は変わりません。そこがこのウィルスの特徴でしょう。だから防御は、マスク、密集地にはゆかない、もちろん感染増加の都道府県にもゆかない、今はワクチンがないのですから、個人でできる対策といえば、この程度しかありません。

 さて新型コロナウィルスの今回のブログも、クリエイションの最中に執筆したので、頭を切り換えるのが難儀でした。もうエイヤッという感じで。だから面倒なので深く検証はしていません。というのも感染に関するデータに特に新しい構造があるわけではありませんし、高校生が解析すれば間に合いそうな知見しか得られない。感染症ってこんなつまんないデータと向き合うんだ。そういうことを初めて理解しました。

 そんなわけで、今日のブログは論理的に?もありますが、個人的にはどうでもいいや、の気分です。Withコロナ等という政策がありますが、とてもじゃないけど私は、コロナとの共存は不可能だとする見解です。共存ではなく終息させることです。それっていかにも文科系政治家・役人達の悶々表現ですね。

 基本は、現在米国が治験をしている新型ワクチンの早期投入でしょう。おそらく米国は、相当の数量を製造してくると思います。政府は来年6月までには・・・、何アホなことを考えてんの。アビガンを提供している日本をバカにしているのですか!。そんなの今年中に実施ですよ。もう文科系政治家や官僚達の対応の遅さにはあきれるばかり。感染症の防止策は、すべてスピードが勝負です。そういう政府にしたいですね。

 最後に、かって管政権時代にスパコンの予算審議の中で「なぜ世界で2番目のコンピュータではダメなんですか?」とする政治家の発言がありました。それこそ文科系国家の最たるもので、私にいわせれば世界のトップを越えるスパコンを常に開発してゆかなければならない所に私達がいるということです。感染症飛沫の3次元解析は、空気力学の解析と類似していて、空気のからむ3次元計算は膨大な計算量が必要になります。かって私は空気力学の解析で1解析に1晩かかるという経験をしたことがありました。今はスパコン「富嶽」で瞬時に3次元シミュレーションができると推測しています。さらにマウスの動物実験で時間がかかる検証を、スパコンでシミュレーションできないかと考えたら、今以上の速度をもったスパコンの開発が必要になります。さらには今後スパコンのハードとソフトの一般化が望まれます。感染症は、つねに対応のスピードが感染拡大の規模や生死をわけます。それを今回の新型コロナウィルスの蔓延が、教えてくれた知見ではないでしょうか。

 

データ依拠:厚生労働省WEBサイト、新型コロナウィルス感染症の状況と厚生労働省の対応について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00086.html

 

沖縄県那覇空港

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