Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

京都暮らし268. はねず踊り

2010年03月29日 | Kyoto city
 昨日は午前中、小野小町ゆかりの寺、随心院へ「はねず踊り」を見に出かけた。小学生達による舞いである。いかにも春の到来を思わせる雅な京都の踊りを感じさせてくれる。
 上品な赤という色が、これほど似合う行事もないだろうと思わせてくれるぐらいに、赤い色の饗宴である。この画像の中だけでも20色以上の、大変美しい赤系統の色が使われている。特に着物の赤が3~4色もあり、それらが微妙に違うというのは、粋でさえある。小学生だから暖色が大変似合うのだろう。
 赤という暖色は、人間の眼で識別できる色数としては5,000色ある。そのなかから、この赤を選ぶというのは、やはり都人達の感性なのだろう。
 古来から日本人は、赤という色を好む。それも大変美しい赤である。ところが、私が仕事でつきあう名古屋の技術屋達は、赤という色の使い方が大変下手であるという経験を私は持っている。彼らは赤と言えば、5,000色ある暖色系の色の中から12色絵具の赤を連想するらしい。それはステレオタイプ化した大変貧しい感性である。
 実をいうとこのビビットトーンだけが納められた12色絵具或いは12色色鉛筆セットというのが大変曲者なのである。私がデッサンをするとき、絵具は必ず混ぜて使うのが常識である。そしてまず12色絵具のビビットトーンを使うことはない。自分が使う色だけをバラで調達するからだ。だから文房具屋で売っている12色絵具セットは、まず使い物ならない。
 例えば黄色いレモンを描こうとする。そのとき私は茶系や朱系の色を最初に使う。そして淡いイエローをその上に重ねるのである。そうするとレモンのふっくらした量感が表現できるのである。こんな技を書き出すとキリがない。
 まあそんなことはおいといて、この寺は梅園もあり、なにかと暖色系が目立つ。小野小町ゆかりの寺という華やかさが漂っている。

京都市山科区,随心院,撮影日2010年3月28日
FUJI S5pro,AF-S Nikkor16-85mm/F3.5-5.6ED,VR
シャッター:1/320,絞りf5.6,焦点距離85mm,ISO100.
コメント
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