昨日は女房と東京ドームにライスボウルを観に行ってきました。
アメフトにあまり詳しくない人のために説明しますと、ライスボウルは、大学日本一と社会人日本一が対戦して真の日本一を決定する、アメフトの日本選手権です。
僕は毎年東京ドームへ観戦に行っていると誤解していましたが、ブログの過去の記事を確認すると、昨年は母の介護などで忙しかったので、観に行っていません。いかに昨年が忙しかったかわかりました。
ということで、2 年振りの生での観戦です。
2 年前は学生日本一の関西学院大学がオービックに惜敗しましたが、昨年も同じ顔合わせで勝てず、今年は社会人王者が富士通に替わりましたが、学生王者は関西学院大学です。
何を隠そう、あるいは隠すこともないですが、僕は関西学院大学の一応 OB ですので (一応、というのは、4 年間ほとんど授業に出ずに好きな事やアルバイトばかりしていましたが、卒業させてくれましたので)、心情的には関西学院大学びいきで、座席も学生サイドの一塁側です。ちなみに、余談ですが、この大学のいいところは卒業後も徒党を組まない、ということです。
自由だが自己責任、ということですね。大学によっては、卒業後も会社の中でX 門会やX田会や○門会などで徒党を組んでいる人も多いですが。。。
一匹オオカミ的な僕にフィットした、いい大学でした。また余談ついでにその後、国内や海外の色々な大学の授業に顔を出しましたが、日本の大学は、どこも同じようなものです。まだ若い人で、本当に自分の能力を磨きたい人は、社会に出て X 門会等のおこぼれにあずかろうなどと思わずに、目線を高く持って、海外の大学を目指して欲しいですね。
さて本題に戻りますと、実は関西学院大学は、4 年連続でライスボウルに出場していますが、過去 3 回は社会人王者に負けています。関西学院大学の主将の4年生の鷺野君は、『 この 1 年、社会人を倒すためだけに練習してきた。』 と言っています。こういう執念は僕は好きですね。今年勝たなければ、大学在籍中に 1度も日本一になれないわけですから。
ということで、4年生は皆頭を坊主刈りにして決死の覚悟で臨んでいます。こういう浪速節的なことも僕は嫌いではないです。
さて、2 年前は、ライスボウルもあまり人気がなく、自由席でもかぶりつきで観戦できたのですが、今年は超満員で、2 階席のさらに上の方しか席がなかった。
選手はまるで点のようにしか見えませんが、全体のフォーメーションを観るにはいい位置です。ちなみに写真はオリンパスのデジタルミラーレス一眼に 40 mm ~ 150 mm (アナログカメラの 120 mm ~ 450 mm に相当)の望遠ズームをつけて取りました。
遠目にも学生と社会人の体格差がありありと分かります。とにかく富士通の選手はでかい。しかもよく見れば黒人など外国人が数名混じっています。日本選手権なのにずるいじゃん、と一瞬思いました。
試合の方は一進一退、1 Q (Q はクオーター。1 クオーターは 15 分)は 富士通 3 関西学院 7 、2 Q は 富士通 17 関西学院 3 で前半終了。前半終了時点で、富士通 20 関西学院 10 のダブルスコアで、今年もまた社会人には勝てないのか、と思いましたが、3 Q で富士通が 3 で関西学院が 14 で、3 Q 終了時点で富士通 23 関西学院 24 で逆転。これで一塁側の応援席はいけるのではないかと、盛り上がりました。
しかし、4 Qで 関西学院のQB ( クォーターバック)の斎藤君 (下の写真の左下のボールを投げようとしている 11 番の選手)が無理な態勢から放ったパスが富士通にインターセプトされ、4 Q は関西学院は 0 で抑えられ、富士通が 10 で、結局、富士通 33 関西学院 24 で、今年もまたしても社会人の勝利でした。
僕の印象では、総獲得ヤード数は、富士通 297 ヤードに対して、関西学院 454 ヤード、攻撃時間合計は、富士通が 27 分 13 秒に対し、関西学院は32 分 47 秒 ( 合計すると、当然 15 分 X 4= 60 分になる。)で、いずれも関西学院が上回っているので、勝てる試合を取りこぼした、という感じです。
特に、4Q に斎藤君のパスがインターセプトされたのが、直接の敗因です。が、アメリカンフットボールは完全に分業制で、個々の選手の役割は決まっており、斎藤君に無理な体勢にさせてしまったパス・ガードの選手にも責任はあります。
まあ、後輩たちは小兵ながらよくやった、という感じです。また富士通の方も外人の”助っ人” が何人かいたにせよ、社会人として仕事をしながら何か別のことを続けることのしんどさは、僕はよく分かっているので、拍手でしょうね。
関西学院の RB (ランニングバック)の高橋君は大男の富士通のディフェンス相手に健気にも中央突破でヤードを何度もゲインしていましたが、試合の後泣いていました。まだ 2 年生なので、来年も是非東京ドームに戻ってきて、雪辱を果たして欲しいですね。
最後に、また余談ですが、当然のことながら、アメリカンフットボールはアメリカで一番の人気スポーツです。戦略と限られた時間の中で専門的分業での組織全体の成果を求める、というのがアメリカ人のメンタリティーにフィットするのでしょうね。(というより、自分たちの好みに合うように、ルールを作り変えてきた。アメリカ人はアメリカンフットボールをファイナル・スポーツ (スポーツの最終形)と自負して憚らない。)また、アメリカンフットボール起源のイディオムも沢山あります。(日本語にも、押しの一手、や四つに組む、など相撲起源のイディオムが沢山あるのと同じです。)
アメリカ人と友人になるには、あるいはアメリカ人のメンタリティを理解するには、アメリカンフットボールは、”一般教養” です。今まであまり興味がなかった方も一度ご覧になってはいかがでしょうか?