この 3 連休は関東地方は晴天が続いています。とはいえ、寒いので、どこにも外出していませんが。
さて、昨年末までに読み終えるはずだった、『 A WHOLE NEW MIND 』を昨日ようやく読了しました。
この本は、文体は簡単だか、単語は難しい。1 ページに 1 つは今までに知らない単語が出てきます。ということで、英英辞典を引き引き読んでいたので、時間がかかってしまいました。(英英辞典(ロングマン英英辞典やオックスフォード英英辞典)にも載っていない単語もあり、ネットで調べたりしましたので、余計時間がかかった。)
作者のダニエル・ピンク氏の著作は、数冊が翻訳版が出版されており、『 モーチベーション 3.0 』 や 『 フリーエージェント社会の到来 』( これは以前英語版 『 FREE AGENT NATION 』 を読みました。)この 『 A WHOLE NEW MIND 』は (おそらく) 『 ハイコンセプト ー新しいことを考え出す人の時代ー (大前研一訳 三笠書房 )』という名で翻訳版が出ています。
が、翻訳版を読んだことがないので、全く同じものか、日本人向けにかなり構成を変えているのかは分かりません。しかし、題名からしてかなり意訳しているので、かなり中身は変わっていると思います。
『 A WHOLE NEW MIND 』 の主旨は、人間には左脳と右脳があり、左脳は論理的思考(例えばコンピュータープログラムのロジックなど)を司り、右脳は感性や共感などを司る、左脳の分野は、人間の演算能力をはるかに超えるコンピュータが出現し、また(彼はアメリカ人ですので)インド人や、中国人がはるかに安いコストでアメリカ人に取って変わることが出来る。しかし右脳部分が司る感性や共感と言った部分はコンピューターでは代替できない(またインド人や中国人がすぐには真似出来ない部分なので)右脳部分を磨くべきだ、というものです。
とはいえ、彼は左脳部分を否定しているわけではなく、左脳部分だけでモノが売れる時代は終わり、左脳部分+右脳部分が相乗したものでないと今日のようにモノが溢れた時代は、受け入れられない、ということです。
機能だけでなく、いわゆる、ハイタッチや物語性などがないと売れない、という訳ですね。(左脳+右脳=A WHOLE NEW MIND という訳ですね。)
この考え方自体は別に新しい発見でもなんでもないですが、ダニエル・ピンク氏の著作の良いところは、実例が多いことと、そのような能力を磨くためには、こういう本がいい、こういうサイトがいい、と具体的にツールを紹介していることでしょうね。
感性や共感、といったソフトの分野は昔から日本人の得意な分野ですので (いわゆるおもてなし、もそう)また日本の時代の到来か、と思わないでもない本ですが、日本ではハードの部分がすでに非常にコスト高で競争力が無くなってきているので、なかなか彼の考えるようにはいかないというのが率直な読後感です。