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逆襲するさらりーまん

ーやっとこさ英検1級、通訳案内士試験合格。しかし英語の道は長い。基本的にやり直し英語+その時々に思うことなど。-

赤沢経済再生担当大臣 記者会見

2025年04月17日 17時54分08秒 | 国際・政治
今日は東京地方は夏のように暑い一日でしたね。

さて、『トランプショック』に対応するため、赤沢経済担当大臣が米国を訪問し、日本時間の17日(今日)トランプ大統領、ベッセント財務長官、ラトニック商務長官、グリア通商代表と会談を行いました。会談が終わっての赤沢大臣の日本人記者との記者会見を一次情報としてネットで全編観ました。(15分ほどの会見でしたが)

赤沢大臣は、僕とほぼ同年代の64歳(僕より2歳若い)で、東京教育大学付属駒場高校(現在の筑駒)から東京大学法学部、運輸省(現在の国土交通省)のキャリア官僚、官僚時代にはアメリカのコーネル大学に国費留学し、MBA取得、その後小泉政権の時に、『小泉チルドレン』の一員として国会議員に転身、石破政権下で閣僚、という絵にかいたようなエリートコースを歩んでいる人です。

トランプ大統領はアンチ官僚、アンチエリートのところがあり、官僚の話には全く耳を傾けず、役所の人員を強制的に削減したり、現在はエリート大学のハーバードやプリンストンやスタンフォードと『喧嘩』しています。そういうトランプ氏との会談は、官僚出身の赤沢大臣のあまりにもエリート過ぎる経歴のため、上手くいかないのではないか、と考えていました。(赤沢大臣のことは今回の交渉役に抜擢されるまで、ほとんど知らなかったので。)

赤沢大臣は、エリートキャリア官僚出身者にありがちな、論理指向が強く冷徹でタカビーなところは全くなく、何か飄々としていて率直な人だとの印象を受けました。トランプ大統領の主張は論理的に破綻しているところが多いのですが、それを真っ向から否定して論理で対抗しようとすると結果として交渉は決裂してしまいます。トランプ大統領のような人と交渉する際に、一番やってはいけないことは、論理的に正論をぶつけ、論破してしまうことで、論破すると一時的にスッキリし、気持ちいいでしょうが、結果として交渉が決裂してしまっては元も子もありません。

日本との会談は当初トランプ大統領は出席する予定はなかったのですが、いきなり直前になってSNSで『俺も出席する。』とつぶやき、これも彼一流の揺さぶりでしょう。赤沢大臣は当然大統領と担当大臣とでは格が全く違うので、当初はビビったでしょうが、『80か国も交渉したい国が列をなしている中で、全ての国との交渉に大統領が出席するのは不可能で、大統領が日本との交渉をもっとも重要と考えてくれている現れであり、大変ありがたい。』と大統領の日本に対する『配慮』に感謝する旨を会見で表明しました。赤沢大臣、なかなかのものです。

赤沢大臣は、アメリカ陣営から、今後も誠意を持って定期的に(他国よりも優先順位が高く)交渉を継続していく、という意向を引き出せたので、会談は成功だったでしょう。この会談を反映して、今日は日経平均株価は450円以上も上昇しました。もちろん、今後交渉を続けていくのは、最低限の必要条件で、今後の交渉の進展については全く予断を許しませんが。

それにしても、記者会見で、赤沢大臣に対する記者の質問内容の程度の低さには呆れてしまいます。どの記者も他社が得られない特ダネ情報を引き出したいという思いだけで、この国難に対して、ジャーナリストとして対応していこう、という意識は全くありません。

赤沢大臣が、『交渉の内容についてはまだ何も決まっていないので、お伝え出来ることは現在のところはありません。』と再三言っているのに(僕はこの赤沢大臣の発言は正しいと思います。未確定の事を言うと色々な憶測を生み、誤解や不安を煽るだけです。)色々な記者が異口同音にどんなことを会談で話したのか、聞いてばかりいます。ある記者は会談で『為替と安全保障(防衛)のことは話したのか?』としつこく訊くので赤沢大臣はついうっかり『為替のことは話していません。』と言ってしまったものだから、防衛に関することは会談で話された、という憶測を呼び、事実本日の株式市場で防衛関連株(三菱重工や川崎重工、IHIなど)は軒並み上昇しています。赤沢大臣はこういう憶測からの実態と乖離した社会の反応を警戒しているのだと思います。僕もその姿勢は賛成です。

また、ある記者は、『今日の会談を大臣ご自身が評価されて、何点だと自己評価しますか?』という、どうでもいい、バカな質問をしました。これに対して赤沢大臣は、『交渉は、結果として日米両国のWIN-WINの関係に資するものが構築されないと意味がないと思っているので、(まだ一切結果が出ていない)今の段階で、採点するのは意味がないと考えている。こういうお答えで申し訳ありませんが。』と、穏やかに、しかし至極もっともに、記者のこの質問は全く意味がない、ということを示しました。日頃からこのブログでもカネと政治の問題など政府を非難している僕ですが、何か懐の大きささえ感じ、赤沢大臣のことを好きにさえなったほどです。

それにしても世間を賑わせているフジテレビの問題でも露呈しましたが、日本のメディアの記者のレベルの低さは他国に比べ目を覆うものがあります。僕なりの考えもありますが、また別の機会に記事にしたいと思います。


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株価乱高下とトランプ氏の陰謀(?)

2025年04月11日 12時14分29秒 | 社会・経済
せっかく春らしい陽気が続いていたのに、今日の東京地方は雨模様で肌寒いです。

さてここ5日間の日経平均株価の動きは4月7日が全面安、8日が全面高、9日が全面安、10日が全面高、そして11日(今日)は全面安と歴史上類がないほどジェットコースターのように乱高下しています。しかも上げ幅も下げ幅も史上類を見ないほど極めて大きい。アメリカの株式市場の指標のダウやも同様に乱高下しています。(というか、アメリカのダウやナスダックが乱高下しているから日本株も乱高下している。)

僕は、実は25年以上前から資産を株式と投資信託に投資しています。理由は、銀行に預けていても受け取る金利はスズメの涙ほどなので、株式と投資信託で儲けたい、という分かりやすい理由の他に、会社員としての当時は国際経済の状況を把握することが仕事の一つで、現在の日本を含む世界の経済体制は一部の国を除き、ほとんどが株式資本主義体制なので、株式と海外を含む投資信託の動きでそのことを学べるが、本来生粋のナマケモノの僕は、『お金がかかっていない』と、絶対に真剣にやりませんので、お金を出して投資を始めたわけです。もちろん当時は副業など許されない時代で、業務時間中は当然業務に集中しなければなりませんので、帰宅後、家からネット証券会社を通じて取引をしていました。今ではネット証券会社の利用は当たり前ですが、当時はさきがけでしたかね。

前置きが長くなりましたが、僕の25年の経験でも、これほど日替わりで株価が明確に乱高下したことはありません。リーマンショックやコロナ禍の時も、株価は大幅に下落し、その後回復しましたが、このような短期間での明確な乱高下ではありませんでした。ふつう株価は色々な要素で決定するので、これほどクリアな乱高下にはなりません。

そこに、僕は何か恣意的、人為的な意図を感じます。

株式や投資信託の投資を経験した人には理解出来ると思いますが、株価はずっと長期に安定しているならば、社会経済の安定にとっては望ましいですが、株式投資では決して儲けることは出来ません。具体的には株価が年率1%安定的に上昇するとすれば、株に投資しても、逆に1%以上儲けることは出来ません。株式で儲けることの出来るのは、現在のようにたった一日で株価が5%も上下する状態なのです。(ちなみに株価は上がったらもちろん儲けることは出来ますが、下がっても『空売り』という手法で儲けることができます。要するに上下の変動幅が大きく(ボラタリティ)、コントラストが明確であることが株式投資では重要なのです。)銀行や保険会社などの金融機関の投資部門のいわゆる機関投資家は、このような『乱世』の状態を歓迎します。ちょうど天下泰平の時代より、戦国時代の方が立身出世するチャンスがあるのと同じように。しかし、彼らとて、事前に株価が上がったり、下がったりは確実に予測することが出来ないので、当然投資にはリスクが伴います。ではインサイダー取引のように、事前に株式が上下する出来事や事象を知っていれば。。。。

私はトランプ氏は、関税を中心とした自分の言動が、株価を大きく動かすことを十分理解していると思います。(事実、結果として彼の言動だけでこの5日間、株価は乱高下した。)しかも前述のようにただ下がるだけではなく、上がったり下がったりする明確な変動が株式投資で儲けるためには必要ですので、関税措置を変更する考えはないと言って関税措置を実施したかと思うと、1日も経たないうちに報復関税をかけない国には90日間延期と言ってみたり、コロコロ関税措置を変えることで、『株価の明確な乱高下』を演出しています。

さらに僕がトランプ氏の陰謀ではないかと憶測する理由は、彼は自分の言動の株価への影響をよく理解しているので、事前に投資銀行などの機関投資家に『明朝オレは●●時に90日関税措置延期のアナウンスをするぞ。』などの情報をリークしているのではないかと考えているからです。事前に情報を知った機関投資家は株式を大量に買い占め、大量に買い占めればさらに株価は昨日アメリカ株式市場で起こったように明確に大きく上昇し、その結果巨額の利益が転がり込みます。株価が下がる局面でも事前に株価を下げる要因となる関税措置が確実に実行されるという情報や報復関税の実行などの情報を事前に知っていれば、機関投資家は大量の空売りを仕掛け、それがさらに株価の明確な大きな下落を引き起こし、結果として巨額の利益が転がり込みます。アメリカでは、日本でも最近はそうですが、銀行などの機関投資家は富裕層が多く、国論に大きな影響力を持ち、機関投資家の利益になることをすれば、支持を取り付けることが出来ます。また、自称『ディールの芸術家』のトランプ氏のことですから、利益を得た機関投資家から、政治寄付金との名目で、見返りに多額のキックバックを受け取っているかもしれません。また彼の本業である不動産ビジネスは、相場の影響を受ける株式取引に似た性質をもち、彼の会社も当然投資部門を持っているでしょうから、株式でしこたま儲けているかもしれません。

もっともこれらは僕の、現在起こっている歴史的現象と、トランプ氏の性質から類推した憶測にすぎません。また、アメリカでは多分犯罪行為にはあたらないと思います。

今回の株価の乱高下で、急な株価の下落で更なる下落を懸念して損を少なくするため、損切りを実施したら、翌日高騰した、あるいは資産のほとんどを株式と投資信託に充てていたので、含み損を2000万円もかかえてしまった、などの話はよく聞き、僕自身もかなりの被害を被ってガックリしていますが、大事なことは、こんな時こそトランプ氏の『乱高下の演出』に一喜一憂し、パニックになったりするのではなく、著名投資家のバフェット氏のように長期的視点で投資をとらえることだと思います。

最後に、トランプ氏が『乱高下の演出』をする最終目的はなんだろう。彼は大富豪なので、前述のキックバックがもしあったとしても、多分最終目的ではないでしょう。僕が思うに彼は、たとえ論理的に間違っていたとしても、自分がかたくななまでに正しいと考える、アメリカを再び偉大にする、という信念(というか妄想)を実現し、歴史に名を残したいだけなのだと思います。そこで株価の乱高下により、社会不安・生活不安を煽ることで、強いリーダーに頼りたくなる大衆心理を醸成し、かつ自分の影響力がすごいことを周知させ、独裁者のように自分の信念を実行しようとしているのでしょう。

しかし、僕は彼は独裁者にすらなれないと予感しています。独裁者といえば真っ先に思い浮かぶのがヒトラーです。彼がドイツの首相になった1930年代前半のドイツは、第一次世界大戦の敗戦の天文学的賠償金に端を発するハイパーインフレーション、高い失業率、世界恐慌の影響など最悪の状態で、社会不安・生活不安が頂点に達し、現状を打破する強いリーダーが求められていました。人間、不安な状態の時は、なにかの強力な力に頼りたくなります。そこで合法的に首相になったヒトラーは個々の是非はともかく、様々な経済政策を打ち出し、ハイパーインフレなどを解消し、社会不安・生活不安を解消し、ドイツ国民の信任を得ました。当時のドイツ人は盲目的に悪魔的な独裁者を生み出した、と揶揄されることが多いですが、ドイツ人は当時でも世界でも最も論理的で、理性的な国民の一つです。独裁者を妄信するバカではありません。ヒトラーがドイツ国民の信頼を得たのは、経済政策による社会不安・生活不安の解消という実績があったためです。ヒトラーは国民の信任を得るためにはまず社会不安、生活不安を解消する施策を実行することが必要と考えたのでしょう。そういう意味では彼の政治家としての初期活動は、優れたものだったのかもしれません。(しかし、当時のドイツ人の圧倒的信任を得て、強力な権力を掌握し、独裁者となってからのヒトラーの悪行は周知のとおりです。)

トランプ氏は社会不安・生活不安をあおっているだけなので、最終的に国民の信任を得ることが出来ず、ヒトラーのような独裁者にすらなれないと思います。
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トランプ批判(みんな同じことを考えていると思うが。)

2025年04月03日 11時35分03秒 | 国際・政治
日本時間の今朝、アメリカのトランプによる関税政策についての演説がありました。現在2次的な色々なニュースが沢山報道されていますが、僕は加工されていない1次情報に接する必要があると思いましたので、ネットで大統領自身の演説そのものを見ました。50分近い長い演説でした。78歳になるジイサマが、原稿も持たずしゃべり続けたエネルギーには感嘆しますが、演説の内容は、自分のやったことと、これからやろうとしていることの自画自賛とバイデン前大統領の批判の繰り返しが多く、演説の目的である関税政策の理解を得るための説明はわずかな時間でした。日本からアメリカへの輸出に対し24%の関税(自動車は25%)がかけられることになり、これは予想よりも高い関税率で、日本の株式市場は暴落、アメリカへの輸出比率が高い企業も対応に大童のようです。

以下、トランプ大統領の演説を聞いて、僕の考えていることです。
政治家の最大の使命の一つは国益を増大させ、国民生活を豊かで幸せにすることだと思っていますが、持続可能でないと意味がありません。また100年以上前の帝国主義の時代ならいざ知らず、グローバル化が進んだ現代にあっては各国の経済が緊密に関係、関連、依存しており、一国だけ繁栄するウイナー・テイクオールという自国第一主義は現実的に成立しない状況にあります。彼はアメリカ第一主義を掲げていますが、アメリカ国民でさえ、経済状況の悪化に苦しんでいます。

私の考えでは彼はハードネゴおよびネゴの成果に快感を覚えるネゴシエーターに過ぎず、財とサービスの拡大により最大多数の幸福を目指す経済学(政治家として、また特に関税政策を語るには必須の学問領域。彼の大学での専攻は経済学のはずにもかかわらず)については全く素人で、国際情勢の判断が出来ず、また年齢から来ると思われる認知の偏り、頑固さも散見され、多くの人々の人生を左右する政治家という仕事には全く適していないと考えます。アメリカの国益だけを考えれば民主主義が確立しているアメリカで、トランプ氏を選んだのはアメリカ国民ですから、アメリカ国民の自業自得とも言えますが、アメリカ大統領は事実上世界のリーダーで、世界最大の権力と権限を持つ存在ですから、世界中に影響力を持ち、かつての帝国主義が第二次世界大戦の遠因となったように、彼の政策は時代の流れに逆行し、100年前のように世界を分断させてしまう恐れがあります。

アメリカ大統領職は不信任などで簡単に辞めさせることの出来ない特別な職ですから、彼が大統領でいる限り、 今後の見通しは大変暗いです。が、現役の会社員時代、何度も仕事でアメリカを訪れた僕は、アメリカ人の特性も少しは理解しています。穏やかで人との諍いをあまり好まぬ日本人と違い、自己主張が強く、また理不尽なことや独裁を嫌い、フェアということを重視する国民性を持っているので、あまりに理不尽で不条理な政策については、すぐに早い段階でデモやスト(時には暴動)で反対を主張するので、トランプ氏の政策に反対する、トランプ氏も無視できない強い世論が形成されると思います。またアメリカは過去に人種差別など色々問題はあったにせよ、多様性を備え、人材が豊富な国ですので、危機の時にはかならず優秀なリーダーが現れるという自浄能力、復元力が高い国でもあり、だからこそ長期の繁栄を遂げているのだと思います。他力本願かもしれませんが、アメリカ人のこれらの特質に期待したいと思います。
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