昨日、大阪から帰ってきました。大阪は東京より 3 度ほど暑く、38 度ぐらいになる日もあり、非常に疲れました。
夜は、8 月 26 日の通訳案内士の試験に備えて、参考書も持ち込みましたが、暑さにバテたせいか、ほとんど出来ませんでした。
さて、よく TOEIC と英検の比較とか、通訳案内士の試験は英検 1 級よりも易しいとか言われます。 (英検 1 級に合格すると、通訳案内士の英語の 1 次試験が免除となるため) また、通訳案内士の 2 次試験は、1次試験合格者の 9 割以上が合格しているようですので、英検 1 級の 2 次試験ほどには難しくないようです。
僕の個人的な意見ですが、TOEIC と 英検 1 級と通訳案内士試験はそれぞれの試験に求められるリクワイアメントが違うので、比較するのはあまり意味のないことだと思います。
TOEIC は試験のダイレクションも含め、全文英語ですので、ネイティブ、あるいは帰国子女が断然有利です。しかし、ライティングとスピーキングがありません。
英検 1 級も試験のダイレクションも含め、全文英語ですので、ネイティブ、あるいは帰国子女がかなり有利です。2 次試験の受験記録のところで書きましたように、60% ぐらいの受験者が帰国子女風なのには驚きました。また 1次試験にはエッセイ、2 次試験にはスピーチもあるため、比較的英語の 4つの 要素はカバーしているように思います。
通訳案内士の試験は、そもそも問題のダイレクションが日本語で書いてあるし、記述式の英文和訳も和文英訳もあるため、相当の日本語力が必要です。日本人のための英語の試験だと思います。僕の 3 度受験した経験では、帰国子女風の人はほんの僅かでした。ネイティブや帰国子女が有利となる試験では全くありません。
そのせいか、英語については毎年受験者数はわずか 3.000人程度で、合格者数はわずか 400 人程度と受験者からして非常に少ないです。これでは “事業”としては成り立ちませんね。
僕は帰国子女をライバル視しているわけではなく、言語形成期に英米豪加で過ごし、日本に帰国した帰国子女の大変な話は実際よく耳にします。どうしても日本語より英語の方が上手で、日本語の発音、表現がやや不自然なので、いじめの対象になり、普通校から学費の高い、在日インターナショナルスクールに転校した例などよく聞きます。
そういう意味では、僕の知っている限りでは、日本語と英語を同じぐらい使いこなせる、”日本語と英語の真のバイリンガル”には今まで出会ったことがありません。大抵英語か日本語か、どちらかが重くなっています。
ヨーロッパ人には、もともとヨーロッパ言語は同じオリジンから派生しており、思考回路も似ているので( 現在のウクライナあたりで使われていた、”インド・ヨーロッパ祖語”が派生して、ドイツ語も英語もフランス語もイタリア語もロシア語も出来たと仮定されている。ただし、紙や碑文に残されたインド・ヨーロッパ祖語は存在せず、あくまで推定ですが。。)”英語と同様にフランス語を使える”イギリス人や、”フランス語と同様に英語が使える”フランス人には沢山会ったことがあります。
僕はこの年で、日本語と英語のバイリンガルは絶対に無理なので、前にも記事に書きましたが、せめて日本語力の 7 割程度の英語力をつけるのを最終目標としており、その意味では日本語力も問われる通訳案内士試験は非常に評価しています。帰国子女の方も臆せずにチャレンジして頂きたいと思います。
ただ、この試験の欠点は、願書を提出してから、最終結果が分かるまで半年もかかるということ (お役所仕事ですね。実際は国交省から委託された民間会社が試験問題を作っているのですが。。)と合格、不合格は紙ペラ一枚で通知されるだけで、英検のように、自分がどこで間違えたのか、自分の得点はどのぐらいなのか、合格点は何点なのか、一切解りません。また 1 次試験にリスニングの試験がありません。
しかし、出来れば TOEIC や英検だけに拘泥するのではなく、どの試験も一長一短がありますので、様々な試験に挑戦し、自分の英語の幅を広げるのは、悪いことではありません。
僕の場合、和文英訳 (日本語を再構築して英語で表現する)を今まで真剣にやったことがないので、ずぼらな僕は試験でもないと、絶対にやらないため、通訳案内士の試験勉強をすることで、ある程度の和文英訳力をつけていきたい、と考えています。
ただ、今年も通訳案内士の試験に落ちたら、来年は 1 次試験免除の権利を使うかもしれませんが。。。