土曜日は関東地方は台風で雨風が強かったですが、今日はまた真夏の日差しが照り付けています。
さて、2週間遅れの『TIME』ですが、昨日は台風でどこも外出しませんでしたので、一挙に40ページほど読み、なんとか”1週間遅れ”のレベルまで到達しました。
7月23日号の『TIME』は上の表紙にもあるように、民主主義(Democracy) の危機と、それでも民主主義は勝ち進んで行く(prevail)という内容でしたが、記事の内容はもとNATO軍の最高司令官のスタヴリディスが書いたもので、西側諸国よりの視点で、常識的なあまり面白いものではありませんでした。2006年には民主的な選挙で議員が選ばれる国が世界の全人口のうち46%だったのが、2018年には39%になると言われています。民主主義は人道的で柔軟性があるが、物事を決めるのに煩雑な手間と時間がかかるので、問題が山済みで変化の激しい時代にあっては、国民は即断即決していく強いリーダー(スタヴリディスは authoritarianizm とまで言っていますが)が求められる傾向にある、とスタヴリディスは言っています。
チャーチルは、民主主義について”Worst form of goverment except for all the others" (最悪だが、今までのすべての政治形態をのぞいては(まだまし))と言っています。しかし、ニュージーランド・チリ・リ ベリアでは女性が政界のトップに立っていますし、全人口の半分を占める女性の活躍 は、民主主義に安定をもたらし、チャーチルの言うように不完全なシステムでも、ビジョンを持ち続ければ、民主主義は機能していく、とスタヴリディスは締めくくっています。
しかし、民主主義云々のカタイ記事より僕の気を惹いたのは、日本でも報道されましたが、タイの洞窟に取り残された12人の少年と1人のコーチの救出劇の記事です。
6月23日に奥行き2.5マイルもある洞窟に入り、モンスーンによる水位の上昇で、洞窟の奥に閉じ込めた少年たちとコーチの救出の記録が感動的に書かれています。救出の選択枝は3つあり、1、地上から少年たちのいる場所まで垂直に穴を開ける。2、少年たちが水で満たされた幾つかの洞窟を潜水して脱出する。3、食料だけ届けてこのまま雨季が終わるまで待つ。というものでしたが、モンスーンによる雨がさらに激しくなり、現地の救出の指揮をとるこの地域の知事のNarongsak は2、の方法を取ることを決断します。しかし、少年たちは潜水をおろか泳げない者がほとんどで、しかも天井が塞がっているケーブダイブビングは上級者でも難しく、視界は1インチほどしかありません。
2人の救出ダイバーが寝袋型のシートに包れ、酸素ボンベを装着した少年の前と後ろについて、狭い洞窟では酸素ボンベを背中から外して通るなど、智恵に智恵を重ね、3日間かけて7月10日には少年、コーチ13人がすべて救出されました。閉じ込められた洞窟でのコーチの少年たちへの指示も素晴らしく、彼は10歳で両親をなくし、寺院に入りましたが、その時の瞑想の方法が、余分なエネルギーを消費させずに救出された要因とも言われています。
救出隊の1人のダイバーが亡くなられ、手放しで喜んではいけませんが、ここ最近暗い話が多いなかで、この救出劇はもっとも明るいニュースでしょう。
今週新たに出会ったか、忘れてしまっていた単語
uproar 騒ぎ、騒動(基本的な単語)
mockery あざけり、冷やかし(これも基本的な単語)
purveyor 仕出し屋、まかない屋
ramification 分枝、分岐(かなり基本的な単語)
guaff 痛飲する
flotsam 浮き荷
prevaricate 言い逃れる
chalice 杯
amphitheater (古代ローマの)円形演技場
chute 射水路
stalactite 鍾乳石(知っていそうで知らない単語)
investiture 授与、任官、叙任
portend ~の前兆になる
fledgling 巣立ちひな
squelch ~を押しつぶす
Paleoluthic 旧石器時代の
defunct 個人となった
lozenge 菱形
blast 強い一吹き
cot (羊、ハトなどの)小屋、囲い
来週も猛暑が復活しそうです。がんばっていきましょう。