一昨日7月30日朝、、1か月半ごとの心臓の検査のため、ニューハート渡辺国際病院に行ったら、病院のテレビで、各テレビ局ともまるで第3次世界大戦が勃発でもしたかのように、独占的かつ繰り返しカムチャッカ半島で起こった大地震と日本に押し寄せるであろう津波のニュースを放送しており、何事が起ったのかとびっくりしました。カムチャッカ半島と言えば半島の面積だけで日本全体の国土とほぼ同じ面積のある巨大半島で、活火山も多くあります。温泉も沢山あり、現在は人があまり住んでいない極寒の秘境ですが、もし観光開発されれば、魅力的な地域です。

津波といえばまず思い起こされるのが東日本大震災で、その時は事前の警報や避難指示、報道の遅延などの初動対応の遅れが後で非難されましたので、今回の津波予報と警報は、避難を免れるための予防線からか、非常に速い時点で大げさに出され、『3m以上の津波』とか、『津波は繰り返し来襲し、第1波より、第2波、第3波の津波の方が大きい』などといった警報や報道ばかりでした。
地震の発生時期と規模を事前に予測することは、非常に困難ですが、地震発生後の津波については、AIによるシュミレーションやビックデータの解析が急速に進歩している現代、地震の規模と震源までの距離、海底の地形と深度、海水の流体量と海流、潮の満ち引き、気象条件、海水温などのビックデータから、日本の各海岸線に到達する津波の高さと時間は気象庁はかなり正確に予測できるはずですが、まだまだ日本の津波予測技術はこの程度のものです。津波予測どころか、もっと解析が容易な台風の進路でさえ、今の日本の技術では正確に予測することは出来ません。
もっとも、気象庁を庇うわけではありませんが、カムチャッカ半島での震源の特定までは正確に出来ていましたが、海底の地形や海流や気象環境の情報等はロシアの領土で国家機密ということもあり、詳しく把握できていませんでした。またロシアが日本の津波予報のために、詳細なデータを迅速に日本に提供するような仕組み・状態にはなっていなかった、ということがあります。従って、正確な津波予測をするためには必要な情報が不足している状態だったと言えます。
結果として非常に大げさな最大リスクを考えた警報・報道になってしまいました。『大げさ』な警報・報道により避難した人は200万人、避難の最中に自動車事故を起こし、亡くなった方や酷暑の避難で熱中症になった方、またほぼ終日に及ぶ経済活動の中止による何百億円もの経済損失など、様々な問題はありました。
しかし、前述のようにデータが不足している中で津波の正確な予測は困難であり、もし巨大津波が来た場合、避難していなければ、何千、何万の生命が奪われることになるので、今回の最大リスクを考えた警報・報道はやむを得なかったと思います。
一方、現在の気象現象で最も顕著な、気象台始まって以来の酷暑と台風の多発については、今回のカムチャッカ半島地震と性質が異なり、人為的かつ予防・予測が可能と考えますが、長くなりますので次回のブログで書きます。