ブログの引っ越しなどで、時間が開いてしまいましたが、11 月 25 日の記事の続きです。
京都駅七条口の近鉄京都駅ホテルのロッカーに重い荷物をようやく預けて、財布とデジカメだけの身軽な体になり、待たせてあったタクシーにまた乗り込み、南禅寺に向かいました。
洛東の南禅寺から銀閣寺まではいわゆる 『 哲学の道 』 と呼ばれている散策道で、途中にある法然院というこじんまりとした寺も含め、京都では僕の好きな定番コースです。
しかし、京都の交通事情に詳しいタクシーの運転手さんによると、南禅寺まで行くのも大渋滞で一苦労だという。
僕は南禅寺まで行くのが目的ではなく、そのそばにある 『 哲学の道 』の入り口に行くのが目的ですので、その行き先を告げると、運転手さんは幹線道は避け、京都の街の路地裏を上手くすり抜け、30 分ほどで到着しました。もし市バスなどに乗っていたら、渋滞で 2 時間ぐらいかかったと思います。
『 哲学の道 』の入り口に到着しましたが、ここから銀閣寺まで歩いても、そこから京都駅まで帰ってくるのが大渋滞で大変なので、なにかいい方法はないかと運転手さんに訪ねると、銀閣寺からタクシーで四条烏丸まで出て、そこから地下鉄で京都駅まで戻るのが最も良い方法だと言う。僕もそう思い、タクシーを降りて運転手さんと別れ、『 哲学の道 』 を歩き始めました。

この散策道は過去に何度も歩いていますが、上の写真のように、京都らしい風流な竹垣などある、静かな散歩道です。ですから西田幾多郎のような哲学者が歩きながら思索に耽ったのです。
前に来た時は、爺さんばあさんが数人歩いているだけでした。しかし、今回は列を作ってみんなぞろぞろ歩いています。近場から来たと思われる若いカップルも多いです。

途中に茅葺の門の屋根がなんとも風情のある法然院があります。(上の写真)しかし、ここも人でいっぱいでした。
さて、人の列について、銀閣寺に着きました。
ここも普段はかなり静かなのですが、入場するのはディズニーランドの人気アトラクションのように、300 m ぐらいの行列が出来ていました。有名な銀閣も回りも、上の写真は人混みの部分が入らないように撮ったのですが、実際は下の写真の右端のように、押すな押すなの人波でした。

しかし銀閣寺には下の写真のように、わび、さびの効いた庭園もあります。

さて、混雑した銀閣寺を後にし、先ほどのタクシーの運転手さんのアドバイス通り、タクシーを捕まえ、四条烏丸に向かいました。四条烏丸に行く途中で、運転手さんに 『 僕も何十回も京都に来ているが、春の桜のシーズンや、秋の紅葉のシーズンでもこんなに混雑しているのは初めてだ。』 というと、運転手さんは、『 今は遠くからの観光客だけでなく、京阪神からの日帰りのカップルが多い。昔は若者のデートと言えば、男が無理をして車を用意して、ドライブしてディナーというパターンが多かったが、いまは車もなく、電車に乗ってお金のかからない日帰りの安近短のデートが増えている。イオンでデートするカップルもいる。』 との分析でした。この分析はあたっていると思います。
四条烏丸でタクシーを降りました。ここは特に観光地ではなく、人はほとんどいませんが、同志社大学があります。僕は同志社の出身ではありませんが、昨年の NHK の大河ドラマ 『 八重の桜 』で新島 譲の生き方にも感銘を受けたので、寄ってみることにしました。
ちょうど法学部の推薦入試を行っている日だったので、正門は空いていました。
下の写真は同志社の精神的原点のチャペルです。
また、下の写真はクラーク理化学館です。

どちらも赤レンガが美しく、重要文化財に指定されているとのことです。大学の中を歩くのは、自分の学生だった頃に思いをはせる事が出来るので、僕は大好きです。
四条烏丸の地下鉄の駅から京都駅まで 10分ほどで、京都駅で無事荷物をピックアップして、新幹線で東京に戻りました。
わずか半日でしたが、中々中身の濃い京都旅行でした。今後もし外国人を京都に案内する機会があったら、このすさまじい混雑は念頭に入れておく必要があります。