昨日に受験記録を書いたのですが、コンピューターかプロバイダーの不具合でデータがとんでしまいましたので、今日英検 1 級 2次試験の受験記録をご報告します。
初めて受けた英検 1 級 2 次試験は出来が悪かったというより、非常に悔しい思いをしました。一日経った今でも悔しいです。なにが悔しいかは、これから書きますので、長くなりますが、お付き合い下さい。
7 月 7 日(一昨日)は久々の丸一日フリーに使える日だったので、朝の 4 時まで、スピーチの原稿 (というより、マインド・マップか QC (quality control) の特性要因図のようなもの)を書いたり、自己紹介を考えたりしました。まさに一夜漬けですね。
翌日、7 月 8 日は、午前9 時頃に起きて、自己紹介を声を出して練習しました。またJR 国立駅から、試験会場の神田の神田外語学院まで、ウオークマンに録音した自分の声の自己紹介を 4 回ほど周囲に迷惑にならない程度にぶつぶつとシャドーイングしました。
しかし、4 回やると飽きてきましたので、元気づけに自分の好きな曲を聴くことにしました。
松田聖子(?!) 『 瑠璃色の地球 』 (松本 隆 の歌詞がいいです。)
尾崎豊 『 I Love You 』
綾香 『 I believe 』
平原綾香 『Blessing 』
いきものがかり 『 Yell 』
です。尾崎豊の 『I Love You 』以外は元気が出そうな曲ばかりです。ちょっと古いですが。。。
午後の試験は 午後 2 時からですが、僕が試験会場の神田外語学院に 1 時半頃到着したときはすでに受付の前にかなり長い列が出来ていました。
受付を済ますと、受験者全員がまず大教室に集められます。僕がざっとみたところ、200 人ぐらいいました。皆さん若い。明らかに帰国子女と思われる人が大半です。僕のような中高年おやじは数えるほどしかいません。大まかな構成は、帰国子女および大学生以下 60 %、主婦らしき人および 30~40 歳台ぐらいの女性 25 %、25~35 歳ぐらいのサラリーマンらしき男性10 %、僕のような中高年男性 5 %といったところです。
おやじの図々しさで、僕は他の受験者ともよく話をすることがあるのですが、僕の左隣りは 14 歳の女子中学生で、ロンドンに 7 年住んでいたとのこと。右隣りは女子大学生で、アメリカに 7 年住んでいたとのことです。
僕は普段から勉強時間が不足しており、待ち時間も貴重な勉強時間ですので、大教室で待っているあいだも、しこしこと前の晩に作った、スピーチ原稿(というよりマインド・マップ)を眺めていましたが、帰国子女組は余裕しゃくしゃくで、顔を机に伏せて、昼寝をしている人も 10 人以上いました。
さて、大教室から 3 ~4 人づつ順番に面接室(小教室)に案内されます。面接室の前には椅子が 4 つあり、順番に面接室に入っていきます。僕の前は先ほどの 7 年アメリカに住んでいた女子大生で、後ろは、言葉は交わしませんでしたが、明らかに帰国子女風の 18~20歳ぐらいの若い男性で、僕はこの待ち時間でもしこしことスピーチ原稿を読んでいましたが、彼はなんと日本語の文庫本の小説をよんでいました。
僕は面接を受けるのは、30 年前の入社試験以来で、異常に緊張してきました。この 15 分ぐらいの待ち時間のうち、2 回 トイレに行きました。
さて、僕の前の女子大生が面接室に入るときに、その時には結構親しくなっていましたので、『God bless you. 』 と言うと大変きれいな発音で、『 You too. 』と言われました。
面接室の壁が薄いせいか、面接室の外から、前の女子大生のスピーチが聞こえてきました。ネイティブと聞き間違えるほどのきれいな発音です。
こんな上手い人の後では、比較されていやだなあと思いましたが、ここは気持を強く持って、面接室に入りました。
面接官は、中年というより老年の、発音から判断してイギリス人の痩せた男性と、中年というより、60 歳ぐらいの日本人の女性でした。この人の英語は完全にジャパニーズ・イングリッシュでした。
まずはじめに、 『 名前は何ですか? 』 と訊かれたので、『 私の名前は●●●●です。』 と答えました。
次に、『 ここにどこからどうやって来ましたか?』 と訊かれましたので、『 東京の西の国立市に住んでおり、電車で来ました。約 1 時間かかりました。』 と答えました。
次に、『 普段日曜日は何をしていますか?』 と訊かれましたので、正直に、『 大阪に行って、心臓弁膜症 (Heart Valve Disease)の母を元気づけてます。』と答えました。
初対面の外国人と話す時は、自分が何者で何をしているか、分かりやすく話すことが重要で、自己紹介については前の晩にかなり考えて、ウオークマンに吹き込んでここに来る電車のでもシャドウイングしていました。
さあ、これから自己紹介か、と待ち構えていたところ、『 これからテストを始めます。机の上のカードを裏返し、書かれてある5 つのトピックの中から 1 分間で 1 つのトピックを選んで下さい。』 と言われました。
えっ!自己紹介させてくれないの?と思いましたが、気を取り直して、カードを裏返してトピックを見ると、寝不足もあり、頭が真っ白になりました。
今までの過去問でも、テソーラスハウスの模擬クラスでも、昨晩一生懸命作った想定スピーチ案(というよりマインドマップ)にもどれにも属さない、奇妙なトピックばかりです。僕は、演劇や映画や絵画や歴史などのトピックは、準備なしで喋れます。
また、カレント・イシューの原子力の功罪、消費税増税の是非、いじめの問題、民主党の内紛、環境問題、宇宙開発の是非、オリンピック誘致の是非などはマインド・マップで昨夜準備していました。
しかし、どれにも類似しないトピックばかり。わずかに religion の文字が目に入りましたので、『 学校で宗教を教えるべきか?』 というトピックを選んでしまいました。
言い訳がましいですが、そういう意味では、2 次試験は得意なトピックに当たるかどうか、運・不運もあると思います。
直前に参加したテソーラスハウスの模擬クラスでは、10 秒でトピックを選び、残りの 50 秒で文章の内容を考えろ、と教えられ、僕もその通りと思いましたが、トピック選びにもたもたして 40 秒ぐらいかかり、残りの 20 秒では内容を組み立てる時間もなく、そうこうするうちに『 スピーチを始めて下さい。』という声がかかり、まさに口から出まかせでスピーチを始めました。
『 人によって考えは違うが、私は宗教を学校で教えることには反対です。どの宗教を信じるかは極めて個人的なことであり、公共の場である学校で教えるべきではない。家で教えればいい。次に、宗教はオウム真理教のようなカルト集団のように時として偏った考えに走りがちでその点からも学校で教えるのは反対です。』 というようなことを話しました。論理的に破綻したスピーチでおそらく時間も 30 秒ぐらい余ったと思います。
僕は家は浄土真宗ですが、日本人の多くがそうであるように、ほとんど事実上、無宗教であり、結婚式はホテルの中の教会で挙げましたし、ふだんしているのは、初詣と苦しい時の神頼みぐらいで、宗教についてあまり深く考えたことはありません。
しかし、どなたかのブログの記事で、スピーチがだめでも、Q & A で挽回出来ると読んだので、気を取り直して(気を取り直してばかりですが)質問を待ちました。
一つ目の質問は、『 宗教とはなんですか?』 えらい大きな質問です。『 人間は誰でも死ぬが、人間がもっとも恐れるものも死である。その死の恐怖を、死んだら天国に行くとか極楽浄土にいくとか、死の恐怖を和らげてくれるのが宗教である。』 と適当なことを言ってしまいました。
二つ目の質問は、『 色々な宗教について学ぶことは悪いことなのか?』 僕は『 宗教はその民族のバックボーンであり、宗教を学ぶことはその人のバックボーンを知ることなので、国際化が進んでいる今日、色々な宗教について学ぶことは無意味ではない。欧米人であるあなた(試験官)はおそらくキリスト教を信じていると思うが(試験官うなずく。)欧米人のバックボーンを知るために、私は旧約聖書と新約聖書を読んでいる。またアラブ人のバックボーンを知るために、コーランも読んでいる。(実はコーランは難解なので、20 ページほどしか読んでいないのですが、全くウソというわけではない。) 』 と、後で考えるとスピーチの内容と矛盾することを言ってしまいました。
三つ目の質問は、『学校で宗教を教えるべきでないとすれば、あなたは何を最も教えるべきと考えますか ?』 僕は 『 歴史だと思います。歴史は繰り返すとよく言われます。私は人間の愛とか悲しみとか、本質的な部分は何百年経ってもそんなに大きく変わっていないと思う。だからこそ、ギリシャ時代のオディプス王が現在でも上演され、人々の共感を得ている。歴史から学べるものは価値がある。』 と答えました。
ようやく自分の“得意技”の方に向いてきた。その時、ケマル・アタチュルクにより政教分離して民主化を実現し、経済発展を遂げているトルコのことが頭に浮かび、次の質問が来たら宗教と歴史と経済をからめて話をしてやろう、と考えていた矢先、『 試験は終わりです。』と言われました。
えっ!もっと質問してくれないの、と思いました。(スピーチの内容がプアだったので、あまり質問することもなかったのかもしれません。)
面接の時間はトータルで 8 分ぐらいときいていましたが、僕の場合は 6 分ほどでした。
英検 1 級で唯一自分を表現できるのが、2 次面接だと思っていましたので、(1 次のエッセイは、制限が 200 語と短く、イントロとボディ 3 つとコンクルを書いたら終わりです。) 6 分ぐらいで僕の何が分かるのか?と喋り足りない欲求不満が溜まりました。
しかし、会社の入社試験のようにその人の個性や思想、信条を計るために、2 次、3 次面接をやる場合と違い、英検の面接は”英語”の試験なのでそれも致し方ないと思います。
日本人がインプロンプトで 2 分間の英語のスピーチをするのはほとんど無理で(日本語でも難しい)そもそも僕の準備不足が原因です。
面接は客観テストではなく、主観テストなので、自己採点は難しいですが、どう考えても 50~55 点だと思います。
唯一よかったのは、アイコンタクトを一度も外さなかったことと、声の大きさぐらいです。(大学時代、演劇をやっていましたので。)が、これがそれほど加点されるとも思えません。
どうせまた再チャレンジすることになると思いますが、悔しいので、今度はマインドマップを 100 枚ぐらい用意してやろうと思います。
その前に通訳案内士と TOEIC IP もあるので、今日から、通勤電車の中で、『 日本的事象 』の英語の CD を聴いています。
長い記事をお読み頂き、有難うございました。気持に整理をつけて次に向かいます。
下手な文章の長い記事をお読み頂き、有難うございます。ちゃんと伝わっていればいいのですが、発音も文法もめちゃくちゃですので、自信はありません。が、英検 1 級は合格するまで受け続けます。
今後も宜しくお願いします。
終生30歳
ちゃんと伝わっていたと思いますよ。
お疲れさまでした~
長い記事をお読み頂き、有難うございます。英検 1 級の1次は難しいですね。僕は1次に合格したのでホッとして、2 次は合格率は60%なので、甘く見ていたところもあります。しかし、神田外語学院の試験場の方は記事で書きましたように帰国子女らしき人が60%もいましたので、その人達と同等の英語がしゃべれないとダメということになり、2 次も難しい試験であることがわかりました。
Mikiさんはおそらく2次も合格していると思いますが、僕は合格するまで受け続けます。2 次の試験準備は発信型なので、演劇をやっていた僕にとっては1次の準備よりはずっと楽しいです。
今後とも宜しくお願いします。
終生30歳
初めまして。
私も1級1次を8回目くらい(正確に数えてないのですが)でこの間合格し、日曜に栄えある第一回目の2次を受験してきました。場所は四谷の日米英会話学院です。
40代働く主婦(夫婦二人と犬一匹)で、海外留学経験もありません。普段人前で話す場は全くありません。あ、でも同じように演劇経験あります♪
感触は悪くなかった(どちらかといえば結構良かった)のですが、帰宅してから文法や語彙のミス、QAのときの答えがひとつ不安、などなど気分が下がります。
お伝えしたかったのは、頑張ってらっしゃる様子に元気を頂けます!私も万が一合格していても不合格でも英語の勉強は続けますので、またお邪魔させて下さい。
はじめまして。コメント有難うございます。僕も「日本はアジアでよりよく政治的役割を果たすべきか」というトピックがあったように記憶していますが、日本の今の政治を見ていると民主党の分裂や国内問題が山積みでとてもアジアで指導力をはたせそうもないので、「アジアで指導力を発揮すべきだか、出来ない。なぜなら日本の政治家の理念がプアだから。」と、30秒ぐらいでスピーチを終えてしまう気がして、やめました。経済支援や技術支援ですと話せることはあったのですが。。。
そんなこんなで記事にも書きましたように、トピック選びにほとんど時間を使ってしまい、スピーチの内容を組み立てる時間がありませんでした。
2次を合格された方のブログを読んでみますと、時間をオーバーしても構わない、むしろそれぐらいしゃべる方がよい、というご意見がほとんどです。
通訳案内士の試験に対する応援メッセージ有難うございます。英検1級と通訳案内士試験のどちらが難しいかは、試験に求められる要件が違いますので、なんとも言えないと思います。英検1級保持者でも、「こいのぼり」や「三三九度」のような日本的な単語を英訳出来る人はほとんどいません。
要件が違うということは、よくいえば自分の英語の幅が広がるということですので、今年も受けます。すでに通訳案内士の試験は合格されているとのことですので、よいアドバイスなどありましたら、お教え頂ければ幸いです。(通訳案内士試験は英検1級よりもさらに受験者が少なく、あまり情報がありませんので。)
終生30歳
こんばんは。私が受験したのは福岡ですが、そのトピックと迷って、「日本はアジアでよりよく政治的役割を果たすべきか」を選びました。2分でスピーチをさえぎられることを極度に恐れてしまい、1分30秒ほどでスピーチ終了させてしまいました。その後の質問もなかなか簡単に答えられるものでなく、緊張から、とても簡単な英単語が聞き取れずに何度も聞き返したりして、とても6割得点できた気がしません・・・ でも、10回近く受験した1次私権に初めて合格し、いい経験ができたと思ってます。私も同じく、あきらめる気持ちはありませんので、今回落ちても11月に再チャレンジします。通訳案内士試験巌頑張ってくださいね。私は既に取得しています。英検1級よりも取得しやすいですよ!
初めまして。ご丁寧なコメントを頂き、有難うございます。2次試験で頭が真っ白になるご経験は、僕も記事で書きましたように、身をもってよくわかります。
もし今回だめでも、一度そんな状況を経験した者は強いので、次回はかならず合格する気がします。
お互いに合格するまで頑張りましょう!
終生30歳
初めまして!終生30歳さんの頑張って勉強されていらっしゃる姿は大変心強く勇気を下さいました。また、二次試験のご報告を頂き有難うございます。
私は神田外語学院午前の二次を受けました。初めての二次試験で本当にドキドキしました。
面接官は二人とも男性で、終生30歳さんの時とは正反対の流れで、「ここまではどのように来ましたか?」を聞いてもらえず、自己紹介をするように言われました。私の過ちはインターネット情報を正しく集めずにイメージトレーニングをしてしまったことでした。恥ずかしながら、自己紹介を考えていませんでした。イメージと違う事が起きたので思考が一瞬停止しパニックを起こしてしまい、そのパニックの勢いで突然に40年余りの人生を1分で振り返るような壮絶な自己紹介をしました。
パニック状態のままで選んだトピックは「現代社会で人々はより孤立化するようになったか?」です。
他のトピックを記憶する余裕はありませんでした。
合否の結果を見ないと分かりませんが、時間を多少オーバーしても構わないのだという印象を私も受けました。ベルが鳴るのと共に話を丸く収めて終わらしても、面接官の方が興味を示し、「続けて下さい」と自己紹介・スピーチ共に促され、それぞれ10秒は追加で喋りました。
私が喋り過ぎて時間を使ったせいか、本格的な質問はなく、会話調の意見交換の形で面接が進みました。
暴走列車のように筋の通らぬ話を強引にたくさんしてしまい、本当に恥ずかしく、未だ思い出すと頭を抱えてしまいます。
合否結果が待ち遠しいですね。
皆一緒に合格できる事を祈っています。