コナスビ
丁度、正午ごろに次の山の登り口に着いた。車を停める道の脇のスペースには3台ほどが既に停まっていた。何が目的の人たちなのだろうか。
この時期に此処に来る人の目的は山歩きか、蕨採りだ。蕨採りであれば直に出会うことになるだろう。
なるべく軽装にして歩き出した。ここは車を降りて歩き始めて直ぐに急な登りが続く大嫌いな場所なのだ。口数少なく兎に角、登る。
疲れて立ち止ると何かを写して休憩する。そんなことの繰り返し。
毎年、見ているこれは何だっただろうか。桃色の花が咲くのだけれど・・・・、登り坂に耐えて進みながら考えるがどうしても思い出せない。
不思議とこんなことが毎年、繰り返されている。友人と二人、黙って考えながら進むのだが思い出せないのだ。女優の名前と同じだし、その女優の顔は
思い浮かんでいるのに・・・・
急登は一旦、おやすみ。緩やかな傾斜になる。この辺りは例年では蕨が沢山出ているのだが、今年はちょっと盛りを過ぎているのか。既に展開した
蕨の葉が沢山見えている。そして、蕨の出る草原には誰の姿も見えない。見えている広い花はゴマギの花だ。
また、傾斜が急になり、耐えて登って行くが、平原の中にポツリと残った立ち木の木陰にはヤマシャクヤクの芽が伸びていた。
いつもよりも芽が伸びている。蕨も盛りを過ぎている。ということは、例年よりも少々、時期的には遅いのだろう。
ちょっと、遅めに来たいと思っていたのだ。それは、これから向かう場所でヤマシャクヤクの花を見るつもりなのだが、その場所には
花弁にベニバナヤマシャクヤクの余韻を残した花が咲くことがある。去年はそこで沢山の花に出会えたのだが、白花ばかりだったのだ。
もっと、遅めに来ればまた出会えるのではないか・・・・
ようやく二つ目の急登を登り終え、日陰の杉林の中を進んだ。
チゴユリ
ここから間もなく広葉樹林の中に入り、三つ目の急登を這うようにして登った。登り切ったところを右に折れて支尾根を下ると・・・・・
少し下った所にあるヤマシャクヤクの小群落は健在だったが、花は終わっていた。やっぱり・・・・。でも、それはそれで良い。さらに下ると・・・・
ヤマシャクヤク
見頃の花ばかり写しているが、実は既に散ってしまった花が多い。友人は遅すぎたと言って落胆している。でも・・・・
今年もやはり此処では白花にしか出会えないのかと思った時に・・・・
もう、盛りを過ぎて散りかけの花だが、僅かに紅を射したヤマシャクヤクの花を見つけた。
他にも咲いているかもしれないとは思ったけれど、ザックを降ろして一先ず、昼飯にすることにした。