函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

加害者と被害者

2015年01月15日 16時26分50秒 | えいこう語る

▼暴力事件で、普通は怪我をさせた者が加害者で、怪我した者が被害者だ。事件に至った経過を調べると、被害者の方に非が多くあり、逆に加害者の方に情けをかけたいなどというのもある。つまり、加害者であって被害者で、被害者であって加害者というのもありうるのだ。こういう時には大岡裁判を期待したいが、必ずしもそうならないのが、世の中というものだ。

▼ 原発裁判は、人格権や環境権を主張する原告側と、エネルギー問題は国策という被告側の対立になるが、なぜか裁判所は、住民の意見を退け、国策に加担した判定を下す。原発立地地域では、原発賛成派が多く、反対派は少ないという現状もあるからだろう。多数の方に正義を与えるのが、裁判ということなのだろう。

▼ 原発再稼動については、すでに多額の補助金をもらい、地域は生活を維持しているので、住民としては容易に中止とはいえない。福島第一原発事故で、よく理解しているのだろうが、生活を維持するためには、再稼動止むなしというのが、立地地域の考えだ。もし事故があれば生死に関わることだと思っていても、反対できない。その時はその時だという、妙に度胸が据わっているような発言も飛び出す。開き直ると人は強く見えるものだ

▼ 結局、補助金頼りの生活に、慣れてしまっているからだ。

つまり、多額の振興交付金さえ出さなければ、再稼動には断固反対を貫くはずだ。反対運動の人から、再稼動容認の住民たちが「あなたがたは加害者だ」といわれ「何で加害者と呼ばれなければならない、むしろ私たちが被害者だ」という言葉を聞くが、なんともやりきれない気分になる。

▼ 函館市の対岸に建設中の大間原発は、福島第一事故を経験してから、大きな反対運動が起きている。大間町民の多くは、心では中止したほうがいいと思っているに違いない。だが、昔のように貧乏な地域に戻りたくはないので、建設推進は止むなしだ。大間町長は建設を期待すると公言している。もし福島のよう事故が起きれば、どんな責任を取るのだろうか。まさか「マグロの餌にでもしてくれ」などと、考えていやしないだろうね。

▼ 話を整理してみよう。この倒置の原因は、電源三法という交付金の仕組にある。立地自治体には手厚く電源三法交付金が支払われる。だが、この資金の出どころは国民から支払われる膨大な電力料金からなっている。均衡ある国土の開発、つまり地域活性化という名の下に、総原価方式を編み出したことに、そもそもの原因があるのだ。

▼ その仕組を是正することが、原発裁判の公平さだと思うが、原子力ムラという、「特別自治体」を維持しなければならないため、そうはならない。裁判官の中にも「原子力ムラ」に所属している者もいるといわれるぐらいだからだ。こうなると「地方創生」なる政策も怪しいものに思える。交付金をばら撒いて、貧しい地域の住民を「原子力ムラ」の住民に登録しようという魂胆かもしれない。

▼ さて、今日のとりとめもない話の結論だ。福井県には原発が14基在る。開発から今までの半世紀で、福井県に落ちた原発関係の交付金は、3500億円という。この金額は、大きいのか小さいのか判断が付かないが、貧乏県と言われた福井県は、現在、住み心地のよい県として、全国NO1だ。一方、米軍基地移転を推進すれば、2015年度の沖縄振興資金が3794億円という。基地移転に反対すれば、減らすというのが、我が政府だ。

▼ ユーチューブに「原発銀座・福井県の苦悩」という福井テレビの制作した番組がある。私のいいたいことは、この中に全部わかりやすく、解説している。ぜひご覧くださいというのが、今日の私の願いです。


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