▼「日独伊・三国同盟」は、戦前、いわゆる「悪の枢軸」と言われた軍事同盟だ。それを彷彿させるのが「日英伊・三国同盟」だ。
▼日本と英国とイタリアが、共同で戦闘機を製造し、世界に売り込もうという『武器製造同盟国家』の設立だ。
▼【憲法第9条】のある我が国が、先に声を上げるはずはない。ウクライナ戦争を支援する米国が、支援予算や武器供与が足りなくなったので「英と伊」に働きかけ、武器供与体制を確保しようという魂胆ではないか。
▼ウクライナがロシアに負ければ、NATOの勢力は脅かされる。その対抗策として、英国とイタリアに、戦闘機の製造を要請したのではないか。
▼だが英国もイタリアも、対ロシア戦の前面には出たくない。そこで米国は軍事同盟国である日本に、加わることを強要したのではないか。
▼日米安保条約も、そろそろ役割を変更すべき時が来た。今度は日本が前面に出て、米国が後方支援をするべきではないかと。
▼それが可能なのが「集団的自衛権行使容認」だ。そしてそろそろ【憲法第9条】も改正してはどうかという、米国の‟恫喝”によるものではないか。
▼13日の参院予算委員会の「戦闘機輸出」の、国会論争をテレビでみて、共産党の山添拓議員に次いで、私が質問に立つという夢を見てしまった。
▼キシダ総理の答弁は『かわぐち議員の発言は妄想に過ぎない。「日英伊・三国同盟」は、ロシアを挟み撃ちにするという、そんな狙いではない』という答弁をしたところで、夢から覚めたのだ。
▼「日英伊」が、共同で戦闘機を製造し販売する。そのことに中国・ロシア・北朝鮮は、最大限の脅威を感じるはずだ。
▼外交上、敵対意識を煽ることになる。という結果になれば、なおさら我が国は『軍事費の増大』を、国民に納得させることに、なるのではないか。
▼「武器製造輸出」など、我が国の憲法下で「違憲」であるのは、国民の多くが認めることだ。だがキシダ政権下では、戦争当事国への輸出はしないとかの制限項目は、そのつど「閣議決定」で行うという。
▼「閣議決定」についておさらいしておこう。内閣法第4条には「内閣がその職権を行うのは、閣議によるものとする」とあり、憲法第65条には「行政権は内閣に属する」と定められている。
▼そのようにして決められた決定は、政府内における最高の意思決定として、政府全体に貫徹されるべきものと、みなされる。
▼「閣議決定」は国会審議を経ないため、内閣にとっては、スピード感を持った対応ができるという、メリットがある。だが閣僚間でコンセンサスをとっただけで‟法的効力”はなく、国会を縛る拘束力もない。
▼「閣議決定」とは国会のチェックが働かず‟内閣の暴走”を許す余地と、リスクがある手法ともいえる。
▼キシダ総理は「戦闘機輸出」に関する規定は、その都度「閣議決定」すると答弁した。政権与党が「武器輸出」の決定権を持つなどというのは、民主主義国家ではありえない判断だ。
▼閣議決定の様なものは、法規範を超えて肥大化しかねない『例外規定』がはらむ危うさについて「例外状態は民主主義国家を、全体主義国家へと、変容させることを可能にするメカニズムだ」と、看破した一人が、戦闘機開発を行うイタリアの哲学者、ジョルジョ・アガペンだ。・・・2023年「世界」5月号(岩波書店)に掲載された、ジャーナリスト松本一弥の文面を参照。
▼「閣議決定」なるものは、アベシンゾウ政権から、目立つた気がする。キシダ総理は、これからは「閣議決定」で決めてしまうという。
▼閣議は「全会一致」で、一人でも反対する閣僚が居れば、罷免される。過去に民主党政権の時にある。
▼「全会一致」は民主主義国家から『全体主義国家』への助走だ。故に「閣議決定」が多いキシダ政権は危険な政権へと、のめり込んでいる。
▼これに『緊急事態条項』を認めてしまえば、
「集団的自衛権」も総理の独断で、簡単に行使できることになる。
▼「閣議決定」を簡単に許してはいけないということが、夢から覚めた私の総括だ。肩の凝るような夢を見させる、キシダ政権だ。