函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

昨夜の焼酎は特別美味しかった

2018年07月11日 16時42分56秒 | えいこう語る

▼死者150名を遥かに越えそうな、西日本豪雨災害。土石流の様子は、東日本大震災の津波と同様の恐怖感を国民思い出したに違いない。災害は忘れないうちにやってくるという、連続性の中に暮らしていることを実感する。

▼あらためて、産業革命後の人類の進歩は、自然破壊と切り離すことはできないことを、立ち止まって自覚しなければならないのが、今いう時代ではないかと、思い知らされる。

▼そんな中、IR法「カジノを中心とする総合型リゾート開発」は、現在ある豊かな自然を破壊し、賭博という人間の良心までむしばむ施設を、経済振興というお題目で施行しようという政府の在り方に、疑問を禁じ得ない。

▼オウム真理教のアサハラと幹部6人の集団死刑。そして
、山が崩壊するという豪雨での多数の死者。この歴史的事象の中での「IR法」の審議。このことは国民にとって、何を示唆するものなのだろうか。

▼「防災強化」という、今後の我が国の在り方は【9条改正】という、自衛隊の軍隊化につながるのではないかとの懸念を、国民に示唆しているような気がしてならない。もちろん私のこの妄想が、杞憂であればいいが。

▼だがこの「杞憂」であってほしいという気持ちが、災害を防除できない大きな原因なのかもしれない。

▼私が楽しみにしている大相撲が始まったが、上述した二つの事象で気が沈み、後半だけの数番しか見なかった。いつもは、幕内の土俵入りから、ビール片手にちびちびやりながら観戦するのが楽しみなのだ。

▼今応援しているのは、大関初場所を迎えた「栃ノ心」だ
。彼が幕内に上がった時から、将来を期待し応援していた。栃ノ心は、時々私たちの酒宴に同席していた、40代の真面目な男性に、よく似ていた。その男性は子供がまだ小さい時に、奥様に急死されたという。そんなこともあって、栃ノ心を応援していた。

▼栃ノ心の大関昇進で、大相撲観戦が今や最大の私の楽しみとなっている。居間から見える庭は、赤い「もみじ」と「いちい」や「石楠花」の若緑の葉が、小雨降る中で鮮やかなコントラストを見せている。

▼上口と底の部分が紫色で、手作りのガラスのスタンド型の器。そこに大きめの氷をたっぷり詰め込み、薩摩の芋焼酎を注ぐ。酒の肴は、友人が練り上げた緑色の器に、冷ややっこ。醤油は甘く深みがある、隣町で製造の「がごめ醤油」。漬物二品は、秋田名産「いぶりがっこ」と「奈良漬」だ。三役揃い踏みで、栃ノ心の勝負を待つ。

▼ここで「待った」が入る。先日、Tという本屋で「国体論」という、ちょっぴり古めかしいが、若手の政治学者が上梓したと、ベストセラーとなっているという本を購入してきた。

▼この本屋、軽食もでるしコーヒーもあり、今までの本屋の概念を取り払った経営で有名だ。その日も秋田物産展が開かれていた。秋田と言えば「えぶりがっこ」だ。大根を燻煙し、糠につけた郷土食だ。

▼40年以上も前、秋田県出身のママの小料理屋で「いぶりがっこ」を注文し、飲んだ頃の思い出した。今は故人となったが、年齢は5歳ほど上の友人と二人で飲んでいた。「明日は会社が休みなので、今夜、青森に行こうか」という話になった。津軽海峡には、まだ青函連絡船が走っていた時代だった。

▼秋田出身のママも、海峡を渡り函館に着いた当時を思い出したのか「若いというのはいいわね。船の中で、飲んでちょうだい」と、ウイスキーをいただいた。そんな人情が、まちに満ち溢れていた頃の、港函館だった。翌朝二人は、岩木山が見える、弘前城にいた。私の中で「いぶりがっこ」はそんな思い出の中にある。

▼ところが、品名は「いぶりたくあん」だ。理由をたずねると「がっこは方言なので、皆様に理解されないので“たくわん”にしています」という。・・・???。でも、そんな思い出がよみがえってきたので、購入してきた。

▼亡くなった友人をしのんで、えぶりがっこの味を確かめながら、冷たい芋焼酎を飲んだ。えぶりがっこの味は、名前を変えても、当時の人情と思い出は、ちっとも色あせず蘇ってきた。

▼栃ノ心は全勝を維持した。だが、私は彼に苦情を伝えたい。途中、左の肘を相手のあごにあてがい、相手をのけぞらせようとした。そのしぐさは前日にもみられた。白鵬の肘鉄同様に、みっともない戦いだ。優勝を狙い、横綱を目指すなら、心・技・体を極める、美しく強い横綱になってほしいからだ。そんな正々堂々とした相撲を取ってほしいと望むのが、栃ノ心フアンの一致した気持ちなのではないか。

▼サッカーのワルドカップに沸き立つ日本。未曽有の大雨災害とアサハラの死刑執行。その中での「IR法案」の審議。

▼こんな手法は、アベ政権が目指す「戦後レジームの解体」の「氷山の一角」ではないかと、グラスの中の大きな氷を眺めながら妄想を働かせる、酔うほどに邪推が働く、相撲フアンの私だ。

▼私は家の中で大相撲を観戦し、美味しい焼酎を飲んでいた。西日本の豪雨災害が叫ばれる中、アベ総理の仲間が集まり、議員宿舎で宴会を開いていたというニュースが報じられている。

▼翌日、アサハラたち7人の大量死刑を前にした、上川陽子法務大臣もいたという。アベ政権というのは、実は恐ろしい企てをしようという集団なのだろうか。

▼いやな思いがする新聞記事だ。