この季節、トスカーナの野原にはひなげしの花が一面に咲く。
ひなげしなんて花壇に植えなければ咲かない花だと思ってたけど、
こちらでは野に咲くはならしい。
柔らかな真っ赤な花びらをが風に揺れている様は、
まるで赤いスカートをはいた女の子がくるくると踊っているようで、
とても愛らしい。
あの花が撮りたい!との私の要望に応えてお友達が車を出してくれた。
花畑を見つけては車を止めて写真を撮る。
そうやって進んで、私たちはとうとう丘の上まで来た。
certaldo、以前ここに住む友達に案内してもらった丘。
ここからの眺めが気に入って、今日も立ち寄ってみた。
曇りがちだった空はいつの間にかすっきりと晴れ、
青い小麦が気持ち良さそうにさらさらと風になる。
丘の向こうに見えるのがチェルタルドの町。
小さな町だけど、その歴史はとても古く、
あのデカメロン伝説を書いた作者の故郷でもある。
デカメロン伝説の内容は良く知らないけど、
名前は良く知ってる、あの歌謡曲のおかげでね。
ドキドキするような伝説が隠れているとは思えない、平穏な町の風景。
人々の幸せがその屋根の下にちゃんと収まっている。
なんか、この町好きなんだよね。
ぷらぷらと町を散歩するも、数分で町の外れに。
振り返ると町の反対側のはずれが見える。
ちっちゃいのね。かわいい。
お腹が空いたのでここでお昼。
なんかおいしそうな匂いがする!
まるで犬みたいに本当に匂いをたどってレストランへ。
丘からの景色の見えるテラスで優雅にご飯。
谷から吹く風が心地よい。
エビのタリアテッレ。
しっかり味のソースがぺこぺこのお腹にしみわたる。
うん、結構当りかも。
やっぱり頼りになるのは嗅覚ね。
のんびりと過ぎていく春の陽の午後。
写真撮りに行きたいの!
そんな私のわがままに、車まで出してくれるお友達に感謝。
いつも優しいお友達に恵まれて、私は本当に幸せ者だ。
お友達の優しい思いやりは春の陽ににている。
私もそんな陽だまりみたいにありたいなと思うのでした。
<ランチをしたお店>
■Ristorante L'Antica Fonte
via Valdracca,25, Certaldo Alto
tel 0571.652225
http://www.tavernaanticafonte.it/