カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

北イタリア アルト・アディジェの旅(4)~マッレス

2012-11-09 23:55:26 | └☆イタリアぶらり旅
さて、途中下車のカステロベッロ駅から
次の電車に乗って更に山を上っていく。

車窓には、りんご畑と深い森。
そして切り立った雪山がどんどん間近に迫ってくる。
 
いくつかの小さな村を通過し、終点マッレス駅へ到着。

その先に広がるのは山と草原。。
そこからバスに乗り換えてさらに奥へ。
昨日行った鐘楼の建つレジア湖へ。

え?また行ったの??とお思いの方もいるだろう。
はい、行きます。何度でも。
そこに美しい光がある限り。

昨日はそこまで晴天というわけではなかったし、
山間の日没はずっと早く、
あっという間に山の陰に日が隠れてしまって、
思うような光でなかったのだ。

写真は一瞬の出会い。
その出会いは偶然であるから輝く一瞬だと分かっていても、
どうしてもその一瞬を貪欲に求めてしまう。
日頃、まっいっかと実にあっさり生きているほうだけど、
(もっとがんばれとも我ながら思うけど)
こと写真に関しては実に貪欲でしつこく、
こんな自分もあったのかと思ったりする。
とにかくである、
旅を延長した晴天の一日を、
昨日のあの景色にリベンジしたのである。

青空を映して昨日よりも青く輝く湖面。
明るい陽を受けて燃える紅葉。

輝く頂上の雪、太陽。

そこに見える全ての景色
美しい地球。
 
  
美しく雄大な自然に包まれて
穏やかな気持ちになって辺りを歩く。

よくあるささやかな景色にも涙が出そうになる。
溢れる光
それに向けて全てのもが手を広げる、
草木、水、山、空、空を泳ぐ雲、
この地球にある生命、それがある理由、
その答えが今、目の前にある。
私も習って、そっと手を広げる。
生かされている、
私は生かされている。
この森が、山が、湖が、
たくさんの偶然と必然の織りの中で、
そこにあるものとして存在するように、
私も今ここに立って、ここにあるものとして存在しているんだ。
たくさん傷ついた。
私の存在を否とするものに対抗する事も出来ず
心を固くして必死で身を守ろうとした。
でも本当は誰も傷つけようとなんてしていなかったのかも。
それは、時に強い風に折れる枝のような、
強い雨に削れる山のような、
日が陰れば輝かない湖のような、
そういうことだったのかもしれない。
もうやめよう、傷ついたことにこだわるのは。
でも手を広げて初めて分かる、
私自身がぽろぽろと欠けた身であることを。
探すんだ、亡くした私の欠片を。
それがこれから私ができること。
やるべきこと。

大きく空を見上げて、帰りのバスに乗る。
車窓を眺めながらふと思う。
亡くした欠片を探す事は、旅する事に似ていると。
だから私は無意識に旅をしていたのかもしれない。

車窓の景色に思わずバスを降りた。
夕日を明るく照らした紅葉に
丘にぽつんと建つ教会。

のんびり草を食む牛に、
遠くに見えるお城。
傾く日の光が引く影の美しさ。
今日一日が平穏に終わる事の至上の美。

数枚写真を撮って振り返って愕然とする。
ひよーん、、ただ風が吹く平原はどこまでも平原。
あれれ、もしかして、町の一つ手前だと思って
衝動的に降りたここは、随分手前??
次のバスは1時間後。
どうだろう、歩くが早いか。。
とりあえず歩いてみる
ガシガシと革のブーツがぬかるむのも気にせずに。
ガシガシガシガシガシ。。
遠くで牛が振り返る。
変な人間を確認して、興味がなさそうにまた草を食む。
人の牧草地だろうが道路だろうがかまわず横切って、
丘を転げ落ちる勢いで下ってようやく見えて来た町影。

あと、一息。
でも陽はとうに山の端に消え、若干の光を残すのみ。
暗くなる前に町につかなきゃっ。
ガツガツガツガツ
足がじんじんする程に歩調を強めて町を目指す。
  
セーーーフ。
なんとかついた~~~。

最後に残った今日の光に見送られて電車に乗る。
車窓はすぐに真っ暗に。
灯りのない景色はあっというまに闇に包まれていく。
 
泊まっているラブラには特にお店もないので、
メラーノまで降りてお土産の買い物。
これまたメラーノに住んでいたお友達に教えてもらった、
土地のお土産がまとめて売ってるお店。
名産品のスペックやワイン、ビールなど品揃えも豊富。
ワインやハムはその場で食べられたので、
ついでに夕飯もここで。
この地方は白ワインが有名。
良く分からないのでお店のお兄さんに聞いたら、
フルーティーでありながらボディのしっかりした味わいが特徴なのだそう。
一番のおすすめワインと、ハムの盛り合せをもらって晩餐。
ん~~、おいしい!
その土地の物はやっぱりその土地でいただくのが最高においしいね。
そのためならひとりご飯の寂しさもがまんできる大人にならなくっちゃ。
長い長い旅の空、ほろ酔い気分で夜は更けていくのでした。

北イタリア アルト・アディジェの旅(3)~ラブラ/カステッロ・ベッロ

2012-11-09 23:23:20 | └☆イタリアぶらり旅
北イタリア アルト・アディジェの旅、延長戦!

私の泊まったラブラという町は
メラーノから更に私鉄に乗って山を上った、
山間のとっても小さな町。

私も、あの宿が部屋を安くしていなければ
きっと通りすぎただろう小さなま町。
 
 
でもこの町にはこんなに輝く景色があった。
輝く雪山、深い森、煙たつ清流、
小さな白い教会、光を燦々と受けるりんご畑。

ここに立ち止まって良かったなぁ。。

さて、延長戦の今日、どうしよう。
とりあえず、また私鉄に乗ってみる事に。
そして次に途中下車して立ち止まったのは、カステロ・ベッロ。
昨日電車の車窓からお城が見えて、
ああ、窓越しでなく、ちゃんと写真撮りたいと思ったから。

とても静かな町。
水が流れる音だけがサラサラと響く。
ずっとここにいると、そのうち、
紅葉にひらひらと揺れる木漏れ日の音まで聞こえてきそう。
 
  
りんご畑にも近づきたかったので、そちらの方に歩く。
  
  
時折見かける村の人々。
お昼の買い物をして帰るおばあちゃん、
りんご畑で働く若者、
ここで暮らすってどんな感じだろうか。
こんな大きな山に守られて、
目新しい物は何もないけれど、美しい川と深い森、
毎日のりんご畑の仕事があって、
暖かな家に片寄せ合って家族で生きる、、
童話にでてくるみたいな幸せな生活なんじゃないだろうか。
こんな幸せがこの山間にだってあるのに、
どうして私はずっと旅をつづけているんだろう。。

りんご畑を電車が走る。
最新型の列車はこの自然の静けさを壊す事なく、
器用に山間を抜けて上っていく。
そして私をさらに上へ上へと運んでいくのでした。




北イタリア アルト・アディジェの旅(2)

2012-11-09 23:19:22 | └☆イタリアぶらり旅
北イタリア、アルト・アディジェの旅、
泊まった宿は本当に素敵な宿でした。

昨日、メラーノで夕飯を食べ終わって、今から行くからと宿に電話した。
泊まる宿はメラーノからバスに乗って随分離れた所、
シーズンオフで安くしてあったのでそこにしたのだけど、
知らない町の夜道は怖いのでバス停まで迎えに来て欲しかったのだ。
これからバスに乗るけどバス停まで迎えに来てくれる?と聞くと
あら、あなたどこにいるの?
今からメラーノまでお母さんを送りにいくから駅まで迎えにいくわ。
と、親切に申し出てくれた。
ありがとう、助かるわ、と迎えに来てもらった。
でも、顔も分からないし、ちょっと不安になりつつ駅で待ってると、
かわいらしい笑顔のお母さんが迎えに来てくれた。
良かったわ、見つけられて。
でもかわいらしいアジア人はあなたしかいないからきっとそうだと思って、とお母さん。
いやいや、お母さん、かわいらしいのはあなたです。
車にはお父さんもいて、豪華に二人でお出迎えいただいた。
車中、明るくてほがらかなお母さんに比べ、お父さんはだんまり。
静かな人なんだろうか、、イタリア人にしてはめずらしいと思っていたら
その理由をお母さんが説明してくれた。
私たちはチロルだからドイツ語なの。
お母さんのイタリア語もすっごくなまってるけど、
お父さんはほとんどイタリア語が話せないらしい。
ここ、イタリアなのに。。
でもなんだかおもしろくなってきた!
この夏、オーストリアに行って覚えたチロル地方の挨拶「ぐりゅすごっと」を披露すると、
お父さんが、おお!と喜んでくれた。
調子に乗って、唯一知っているドイツ語「あいんびーらびって(ビール下さい)」というと、
声を上げて笑ってくれた。
なんかちょっと仲良くなれたかもっ。

お部屋はとってもきれいで、新築なのと聞いたら、
そんなことないわ、もう何年も経ってるのよと。
でもそうとは思えないきれいさ、
たくさんの人が通り過ぎる宿のくすんだ感じはなく、
大人になって都会に出てしまった娘さんの部屋を借りてる感じ。
誰かのお宅におじゃましたみたいなアットホームな雰囲気。

そういえば、
明るくて丸くてちっちゃいお母さんと、
四角くて長くてシャイなお父さん、
なんだかウチの両親みたいだから、よりそう感じるのかな。。
 
よく眠れた一夜を過ごし、朝食。
カプチーノの甘いパンだけのイタリアの朝食ではなく、
ハムとチーズとライ麦を使ったパン、シリアルやヨーグルトまである
オーストリアの朝食と同じスタイル。
どれもとってもおいしかった。

そして大きな窓の外は晴天!
そして私は、むしゃむしゃとライ麦パンを食べながら考える。
たった1泊の貧乏弾丸旅行、本当は今日でフィレンツェに帰る予定だったけど、、、
こんなにきれいな青空を見せつけられて、
それでも私はお金がないからっておめおめと帰るのか。
否!
いや、撮るでしょう、この抜けるような青空を、
そこに映える山を、森を、湖を!

お母さんに聞いてみる、今日の夜も空いてる?
空いてるけど、今日も泊まりたいの?
とってもいい天気だから、一日延ばしたいの。いくらで泊まれるかな?
いいわ、昨日と同じ値段で。
本当に!ありがとう、じゃあ、今晩も泊まるね。
喜び勇んでカメラを持って外へ出る。

晴れ渡る空、標高が高い場所特有のピンと澄んだ空気
深い森が吐く霧に朝日が乱反射してえも言われぬ美しい世界を映し出す。
そこへ踏み出す喜び、
ああ、天気の神様ありがとう、この青空。

空に続くこの道を進んで、私の旅は続くのでした。

北イタリア アルト・アディジェの旅(1)

2012-11-08 23:55:56 | └☆イタリアぶらり旅
出発はまだ星の瞬く午前4時、
ガタゴトと重く走る鈍紺列車は、
私を北へ北へと押し上げる。

車窓に映る景色は、いつしか、
トスカーナの緑の丘陵地帯から、
雪を抱く切り立った山へと変化する。

イタリア北部アルト・アディジェ州、メラーノ駅。
国境の近いこの町では、表記がイタリア語とドイツ語になる。
ここで今度は私鉄に乗り換えて、
更に北へ、国境を目指して山を登る。
  
電車はつづら折りに路線を刻みながらぐいぐいと山を上っていく。
鮮やかに紅葉した山々、その頂にはもうやわらかに雪が積もっている。
車窓を過ぎていく小さな村の家はとんがり屋根。
雪深い地方の風景。
南国九州に育ち、今も温暖なトスカーナに住む私には
ちょっと見慣れない景色。
なんだかドキドキする。

列車はついに終着のマレスへ。
そこからバスに乗り換えさらに国境付近を目指す。

遥か遠くに見上げた山がもう目の前にある。
雪を抱く山、空を削るように猛々しく切り立つ、
なんて美しいんだろう。。

バスに小一時間揺られやって来た小さな町。
町の名前は知らない。
 
辺りはシンと静まり、風さえも音を潜めて通り過ぎる。
静かな世界の中で私は自分の声をきかずにはいられない。
 
澄み渡った空気は何も屈折させず、
ただ真っ直ぐに伝える、
空の青、山の端の鋭利な輪郭、森の紅葉、美しい光

私がここでバスを降りたのは、ある湖があるから。
湖の中に鐘楼が建つ湖。

去年一緒に暮らしていた旅好きのルームメイトがここを訪れ、
写真を撮りに絶対行った方がいいと私にお勧めしてくれたから。

電車とバスを乗り継いで、イタリアの果てまで来るこの経路を教えてくれたのも彼女。
今ここに、この幻想的な風景に立っていられるのは彼女のおかげ。
本当にありがとう。
  
山間の日は短く、太陽はまさに山に削りとられていく。
消えようとする光が描く最後の輪郭は、
私に強い衝撃を与える。
最後の瞬間。
その一瞬が描き出す恐ろしく悲しくそして甘い陰影。
私は、それを捉えることができただろうか。。

遠く、遠く、およそ450キロを今日一日で移動した私は
そのまままだ心だけがどこかに動き続けている。
 
長い一日、気付けばまともに食事もとらないまま移動し続けた。
メラーノに戻ってようやくの食事。もう夕飯だ。
以前メラーノに住んでいた友達に教えてもらったレストランへ。
ひとり飯が苦手という私に、
ここならカジュアルでひとりでも入り易いし、
ビールメーカー直営のお店で、
おいしいビールと土地のソーセージがあるよと教えてもらった。
その通り!
明るい店内と、ほどよく親切なおじさんの丁寧な対応、
そしておいしいビール!
疲れた体に染み渡って、ついお代わり。
おお、お代わりかい、と笑みを目元に浮かべておじさんが持って来てくれる。
ソーセージもおいしい!さすが北イタリア。
調子に乗ってシュトゥルーデル(シュトレーン)もいただく。
この地方の特産のりんごをたーっぷり使って
甘酸っぱいりんごのおいしさが口中に、いや体中に染み渡る。
はぁぁ~、おいしい。
このお店を紹介してくれた友達に感謝だな。

気の遠くなるような旅の果てに見た
終わりの景色の衝撃に
うっかり迷子になりそうだった私は、
おいしいものに活力をもらって我に返る。
我ながらゲンキンだ(笑)

今日は星空見えるかな。
あの終わりの景色をもう一度考えながら眠ろう。
そして私が聞いた私の声に答えを探してみよう。
そう思ってひとり歩く旅の空なのでした。

<夕飯を食べたお店>
■Bierstüberl Gatto Nero Merano
Via delle Corse, 12, Merano
tel 0473 233713
http://www.forst.it/it/forst/locali/?lc=gatto_nero_merano

新たな旅~アルト・アディジェ

2012-11-08 23:38:13 | └☆イタリアぶらり旅
朝4時、まだ星影うかぶ夜のフィレンツェを抜け出し旅に出た。
乗ったのは得意の鈍行列車。
何度も乗り継ぎ北へ北へとのぼる。
冷えきった車内で短い眠りを繰り返し、
車窓を流れる景色と夢の間を彷徨いつつ、
私は私を探している。

なんで無性に旅に出たくなったんだろう。
私のことを置いて先へと進む時計に追われるように春夏を過ごし、
ようやく時間のできた秋、
私を置いてった時計への腹いせだったのかもしれない。

寝ぼけ眼で降りる乗り換えのボルツァーノ駅。
真っ青な空と輝く今日が始まっている。

迫り来る山陰はもう私の見知らぬ景色。
トクンと胸が高鳴る。
イタリア北部アルト・アディジェへの
新たな旅が今始まるのでした。


ペルージャ☆チョコレート祭り!

2012-10-25 21:56:04 | └☆イタリアぶらり旅

早起きしてお出かけ。
今日は私が待ち望んでいたペルージャのチョコレート祭りへ。
ペルージャといえば、日本でも有名なバッチ・チョコの町。
そんなチョコレートの町が町を上げての大規模なお祭りに
チョコレートをこよなく愛す私のテンションも上げあげで乗り込む。
 
ペルージャに行くときは何故かいつもぱっとしないお天気だったけど、
今回は快晴!
モノレールで丘の上の町へと上がる。

わー、きれい!
町の上から見る眺めはやわらかな朝もやに包まれる。
きっとこの町が出来た頃から、
このやわらかな朝の風家はこんな風だったんだろうな。。
昔の人がここに住もうと思った気持ちもなんとなく分かる。

さて、町に入るとチョコレート祭り一色。
毎回思うんだけど、このポスターかわいい!
 
 
町中にチョコレートを売る屋台が並ぶ。
 
どうやらバッチチョコの90周年らしく、
気合いの入れようもハンパない。

おおー!、バッチチョコドリンク!!
夢のようだ~♡
 
 
並ぶチョコ、チョコ、チョコにテンション上がりまくり。

まずは、心落ち着けて一服。
チョコラータ・カルダ(ホットチョコレート)
厳選したのはハイカカオの濃厚タイプ。
ふうう~、胃が一気にあったまって、血糖値急上昇↑
 
 
チョコレートカードというスタンプカードを買うと、
いろんなブースで試供品をくれたり、
スタンプラリーを集めて景品に応募出来たりする。
 
 
チョコレートカード片手に、チョコと青空、楽しい町歩き。
 
ちょっとチョコを食べ過ぎたので甘くない物で中和。
オリーブのフライ。おいしいのー、これ!
揚げたてホクホク。
 

こちらはジャンドゥヤチョコでおなじみのカファレルのブース。
ここのチョコもおいしいよねー。
 
写真右はイベントのマスコットキャラクター。
このチョコを食べてる子ども達、ほんとにかわいくって大好き。
左は「チョコレート工事中」と書かれた標識。
こんな洒落た標識が実は町中に隠れてあったりするのも楽しい。
 
 
チョコ、チョコ、チョコー!と
目を♡にしつつ、お土産選びにも余念がない。
大好きなチョコレートに囲まれて幸せ。

会場を念入りに2周して、見晴らしのいいBARで休憩。
 
写真左はもらった試供品と景品。
もう食べちゃってない物もあるけど。
そして、のどが乾いたのでビール!

ぷはー!
青空にビール、最高でしょう!

大好きなチョコレートに囲まれて満たされた一日。
そして、晴れ渡る秋の青空をいっぱい吸い込んで、
過ぎ行く季節を寂しく思わないように、
エネルギーをチャージしているのでした。

旅は道ずれ、チンクエテッレ

2012-09-10 23:47:48 | └☆イタリアぶらり旅

ロンドンで知り合った世界一周中の美容師さん、
世界で100人切りの目標を達成すべく、
私のお友達にも、髪切りたい人!と声をかけて、紹介して
フィレンツェでも髪を切りまくっていた彼女。
昨日も、営業終わったレストランで友達のコックさんの髪を切っていた。
そこへバイト帰りの私も合流しまして、
ビールなんぞ飲みながら、楽しくヘアカット。
「明日どうするの?」
「チンクエテッレでも行こうかと」
「じゃあ、私も休みだから行くよ」
「あ、オレも休みだから行こうかな」
「あ、待って、友達も誘っていい?」
わーい、じゃあみんなで行こう!

とういうわけで、チンクエテッレ、快晴!

うわー、海、青!

どこまでもふんわりと広がる青の世界。
ね、もうさ、いいんだよ、
この空の下で生きてること、
君がいて私がいて、
それだけで、
きっとすばらしく、
しあわせなことなんだ。
 
 
リオマッジョーレからマナローラまでの
海辺の遊歩道「愛の小道」をワイワイと歩く。

イタリアの至る所で見られるかけられた鍵は、
永遠の愛を誓う恋人達がかけたもの。
 
 
海の道を30分程散歩して、次の村マナローラへ到着。
カラフルな町並みが夏の眩しい太陽に映えて、いっそう鮮やかに
まるでおとぎの国みたいにかわいい。
 
フィレンツェからはるばる電車に乗って、
さらに炎天下海辺を散歩した私たちは
もう暴動を起こさんばかりに腹ぺこ。
もーダメ、と入ったレストラン。
これがすっごくおいしかった!!
こんな観光地のレストランなんて正直期待してなかったけど、
なんでしょ、この海鮮の旨味!
うまい!
空腹も手伝って、モリモリ食べ、ゴクゴク白ワインを飲む。
心地よい疲れすら感じる位にがっつりお昼を食べて、
腹ごなしに海辺にお散歩。
 
と、連れの一人がソワソワと水着に着替え始める。
あれ?みんな持って来てないんですか、水着?
持ってくる分けない、水着になるのイヤだもん。
いいよ、せっかくだから泳いで来なよ、待ってるからと送り出す。
ザバーン!
真っ青な海に溶け込んでいく。
くぅぅ~、気持ち良さそう。。
他の若い女の子達も岩からダイブしては奇声をあげている。

くぅぅぅ~、こりゃたまらん。
私も、私もあれやりたい!!
ってかココで海に入らなきゃ女が廃る!
というわけで、飛び込みました、服のまま。
穏やかに見えた海は、岩場のせいか思ったよりも波の勢いが強く、
寄せては引く波にもまれて、ワーキャー言いながら岩にたどりつく。
そして、やってやりました!
ダーーーーイブ!!
バッシャーン!と強烈におしりと太ももを打ち付け、
でも、恐怖心に打ち勝ち、空に蹴り出したあの爽快!
ズブンと海深く青に飲み込まれるときのあの異空間。
たのしーー!!!

子どもみたいにはしゃいで白熱の夏の日は過ぎていく。

遊び騒ぐ子ども達を尻目にじわりと傾き始めた太陽、
チンクエ・テッレ(五つの村という意味)全てを廻る時間はなくなり、
私たちは電車で一気に最後の村モンテロッソ・アルマーレへ。
 
 
ここは村の中で一番大きく、
リゾート地として開けた所。
海辺のバーで冷えたプロセッコ(スパークリングワイン)を飲みながら、
日に焼けて疲れた体を休める。

ゆっくりと傾いていく太陽が
そっと染めていくオレンジ色。

こんなに、はしゃいで、笑ったのどのくらいぶりだろう。。
私は一生懸命な彼女の旅が、
少しでも楽しいものであって欲しくって、
友達も紹介して、ここまで一緒に来たけど、
結局、誰より楽しんだのは私かもしれない。
いつも明るくケタケタと笑う私を取り戻した今日、
それは彼女が私に分けてくれた元気だったのかも。
すてきな出会いに感謝。
楽しい時間をありがとう。
どうか、これからの旅が楽しく、無事でありますように。

<ランチしたお店>
■Trattoria la Scogliera
Via Renato Birolli, Manarola, La Spezia
tel +39 0187 920747
http://www.trattorialascogliera.com

今年のひまわり

2012-07-22 20:37:47 | └☆イタリアぶらり旅

今年もひまわり畑を撮りにでかけた。
いつものお友達の車をチャーター、
本当にいつもありがとう。

高く、広い夏の空に

懸命に咲く金色のひまわり

その姿を見るだけで、チリチリと心は震える。

ひまわり畑をまわる途中、立ち寄ったサン・ミニアート
丘の上の小さな町。


古い町並を今も残すかわいらしい町。
 

丘の上を吹く風と夏の光が濃く落とす影が心地よい。

ここでお昼休憩。
写真左、トスカーナの郷土料理ミートソースのパッパルデッレ、
もちろん赤ワインとともに。
そして右は大好きティラミス!

おひるごはんをしっかり食べたら、
腹ごなしにあの塔のある高台へ。

濃い緑色のオリーブ畑が広がる丘の上の
煉瓦色のかわいい町サン・ミニアート。
なんて美しいコントラスト
きれいだな、、

帰り道でもひまわり畑を探しながら走る。

今年のひまわりは強い風に吹かれても
毅然と顔を上げて立っている。
ザワザワと吹き付ける風に私の不安な心が露になる。
そんな私をまっすぐ見つめて立っているひまわり。
不安におびえる時には君の姿を思い出すよ。
強くてまっすぐな君の姿を。

今年もひまわりの旅をありがとう。
去年の感動とはまた違う思いを胸に、
ひまわり畑を、夏を、あとにしたのでした。

ローマの”ロ”はロマンの”ロ”(2)

2012-06-13 23:58:32 | └☆イタリアぶらり旅
おなかいっぱいに元気をチャージした私たちは、
今回の目的フォロフォマーノへ、いざ。
ようやくちょっと乗り馴れたバスを乗り継いで行く。
路線が複雑で観光客にはちょっと乗りにくいバス、
地元民を乗せてのどかに走る車窓にどどーんと見えてきた。

コロッセオ!

うわー!これだからローマ!興奮しちゃう。
これ、2千年も前の建物だよ、
でも今見ても圧倒的にでかい!
ここに人が集い、様々な闘技見せ物が開催されたその当時に想いを馳せれば
熱狂的な歓声が今もこだましているように思える。
そこにあったであろう熱く黒い人々の思惑、たくさんの物語。

ロマンだ、ロマン!
これをロマンと呼ばずして、何を言う。

やたら妙なテンションになって小躍りしそうな自分をようやく押さえて
コロッセオのお隣、目的のフォロロマーノへ。

始まりは紀元前6世紀!想像もつかない。

それから起源後300年あたりまで政治の中心地だったここ。
その長い歴史を考えるだけでも気が遠くなるし、
今の政治がここまではっきりとした痕跡を残せるかと思うと、
その偉大さに恐れいってしまう。

そこに策略や謀略が渦巻いていたとしても、
やっぱり人々はある理想都市を夢見ていたと思う。
これは人々が紡いだ夢の跡。

夢のかけらを集めるようにそっと遺跡の中を歩く。
 
 
 
 
  
 
街の痕跡を見ているだけで、
その時人々はどうなりたかったのか、
どんな夢を見ていたのかが伺える。
一度は朽ち果てても、それでも消える事のなかった強い思い。

今の私たちにそんな風に夢を見る力はあるだろうか。。

結局、半日では広いフォロフォマーノを全部まわる事が出来ず、
コロッセオが見える丘で力尽きた私たち。
階段に腰掛けてぼんやりと巨大なコロッセオを眺める。
傾く日の暖かさを背中に感じつつ、ぽつり、ぽつり。
は~、いっぱい見たね。
見きれなかったね~。
また来なきゃね。
ほんと、また来たい、ローマ。
 
今日の一日最後の最後までローマを楽しみたいっ。
終電にぎりぎりだけど、夕飯だって食べたいでしょう、とピザ屋へ。
ピザには本当に色んな種類がある。
ローマピザは薄いパリパリ生地が特徴。
ま、なんとなくこんな感じと想像していたけど、
正直、考えが甘かった。
そのおいしさ!
芸術的に薄く伸ばした生地のかっりっと食感の良さ、
鼻をくすぐる香ばしさったら、
ちょっと家でまねしようったって出来ない職人芸。
そして、(写真のピザにはのってないけど)
トッピングのモッツァレラチーズのおいしさったら!!!
はんぱない!
もちろん、トスカーナのモッツァレッラだっておいしいけど、
何て言うか、とにかく、そう!格が違う!
味を表現しようと思えば同じ言葉になってしまうけど、
でも圧倒的に違う、
いやー、もうこれは食べてもらうしかない。
とにかく私はローマピザの大ファンになった。
そしてローマをもっと大好きになった今日。
暑い中、私の欲望につきあってくれたお友達に感謝。

何千年もの間きっとそうだったように、
ローマの太陽はオレンジ色を長く引きながらゆっくりと落ちて行くのでした。

<ローマピザのを食べたお店>
■ivo
Via di San Francesco a Ripa, 158, Roma
tel +39 06 581 7082

ローマの”ロ”はロマンの”ロ”(1)

2012-06-13 23:52:52 | └☆イタリアぶらり旅
どうやら”ロマン”の語源が”ローマ”と断定されるものでもないようだが、
私には、ローマこそ世界一ロマンティックな街だと思える。
この街に刻まれた何千年を越える人の歴史の痕跡が、
当時の記憶を語り出しそうに今でも生々しく残っている。
ああ、ローマ!
曲がれば遺跡に出会うその街角に何千年もの人々の夢が蠢く影が見える。
そこに強い興味とシンパシーを感じずにはいられない。

先日、仕事でローマをまわった時、
その街角角で歴史の描いた興味深いシーンに出会いながらも、
強行軍の取材日程をこなすのに精一杯で何も見れなかった。
でもそのシーンは鮮烈な残像となって私につきまとう。
くーー、今度は絶対プライベートで行って、思う存分見て撮ってやる!
思ったら、そっこう飛んで行く私である。
やってきましたローマ!
しかも、行くと決めて電車のチケットを買おうとしたら、
なんと9€のスペシャル割引チケットが買えた!
絶対ローマに呼ばれてるっ。

混雑を避けて早い時間に行こうと、まずはバチカン美術館へ。


ずっと、ずっと見たかった美術館。
ようやく念願かなって見ることが出来た。

それは巨大な宝箱。
圧倒的な美意識は完結したひとつの世界となって
今私を包み込んでいる。
その素晴らしさに圧倒されてすぐに頭で理解する事ができない。
でも体の芯に強い何かが伝わって来るのが分かる。
それは私の真芯を強く押さえて離さない。
体の全ての細胞が生きるように仕組まれている事のように
当然で、絶対な目的、それがなければ全てが存在しない、
それがあるから全ての始まったような、
宇宙の目のような。。
なぜ美術館を見てそんな事を思ったのかは分からない。
すっかりその世界に飲み込まれて、ただ感嘆のため息をもらすばかり。

美術館大好きの私、いろいろ廻ったけど。
ここは何度でも訪れたい、きっと何度見ても飽きない。
ああ、こうやって書いているうちにもまた行きたくなってきた。
 
さて、圧倒的な美術品を前に、どっぷり体力を使い果たした私たち
ここでお昼ご飯を食べようと、ローマの下町へ移動。
明るい日差しに照らされた街角の小さな風景もかわいい。
 
庶民的なレストランで、地元の物が食べたいなーと、
下調べして探しておいたお店へ。
こじんまりとした店内にチェックのテーブルクロスがかわいい。
お店の人の対応もなんか近所のおねえちゃんみたいでいい感じ。
 
写真左、名物ローマのアーティチョークと奥はズッキーニの花のフライ。
どちらもシンプルだけどすっごくおいしかった。
なぜ??揚げただけなのに、この旨味!

写真右はカチョカバーロと黒胡椒のパスタ、ローマの名物料理。
カチョカバーロはチーズの名前。
火を通さず作られたこのチーズは滑らかで濃厚。
このチーズをふんだんに使ったこの料理は、
チーズを食べつけない日本人の胃には正直重いが、でも!
うまい!!
このミルキーな風味、芳醇な旨味。
ぜひローマに来た時には一口ご賞味いただきたい、
一皿は多いと思うので誰かとシェアして。
私も日本人の胃なのでチーズは好きでもたくさん食べられないけど、
でも、今日も元気に一皿完食!
おいしかったーー!ごちそうさま。

あれれ、藤原さんとしたことが、デザートは??と思いました?
いえいえ、ちゃんと食べました。
次のお店で。

なんでもローマで一番おいしいティラミスに選ばれたとか言うお店にわざわざ行きました。
結果は、????????という残念なもので。。
でもこれはあくまで個人的感想なので、お店の名誉のためにも名前は公表しませんが、
もしそんなうわさのあるお店があった時には、ちょっぴり疑いつつ食べてみて下さい。
(そしたら案外おいしく思うかも。多分期待が大きすぎたのね)
 
おいしい地元のお料理に満腹満足、エネルギーチャージした私たち、
次なる目的地フォロロマーノへと、小さな大冒険は続くのでした。

<ランチをしたお店>
■Da Enzo(ダ・エンツォ)
Via dei Vascellari, 29, Roma
tel 06-5818355