『映画は映画だ』(2008)、『ただ君だけ』(2011)のソ・ジソブ主演なので、かなり期待して見に行った。
一見、平凡な会社員、実は組織の忠実な殺し屋、というのはよくある設定ではあるが…。
内容の紹介
正直、主人公チ・ヒョンド(ソ・ジソブ)の勤める会社が非現実的すぎて、いくらなんでもありえないだろうと思ってしまった。
ソウルのビジネス街にある中小企業・NCM(新大陸金属)は、表向き金属貿易商社だが、営業第二部だけは別フロアで、契約殺人を専属に請け負う部署。
その部署の社員たちは、出勤すると、クライアントに提案する(殺人などの)企画書を練り、射撃や格闘の訓練に励む。また、ヒョンドが最初に勤務していた「備品室」は、秘密の扉を開けて歩いて行くと、謎の地下室に通じている…といった設定は、いつの時代の話だよ!と言いたくなってしまった。
そんなヒョンドがあるとき偶然知り合ったのは、昔、少年の頃に憧れていた元アイドル歌手のユ・ミヨン(イ・ミヨン)。
彼女はヒット曲を持つ人気歌手でありながら、妊娠して芸能界を去り、現在では裁縫工場で働きながら、シングルマザーとして必死で二人の子どもを育てている。
何度も会ううちにヒョンドはミヨンに惹かれていき、彼女との平凡な生活を夢見るようになる。
しかし、次第に組織に忠実でなくなっていくヒョンドは、周囲から怪しまれてその行動を見張られるようになり、ついに不適格と判断されて「解雇」(=抹殺)の対象となってしまう。一方、ヒョンドも、ミヨンと新しい人生を送るために、組織と対決する覚悟を固めるが…。
感想
俳優たちの演技やアクションは素晴らしいのだが、いかんせん設定が現実味に乏しいので、やや醒めた目で鑑賞することになってしまった。
ソ・ジソブの抑制の利いた演技や、激しい格闘シーンは見もの。ファンの方には是非ご覧いただきたい。
イ・ミヨンは、私は今まで知らなかったが、韓国では以前、青春スターとして人気を集め、その後もドラマや映画に数多く出演しているそうだ。きれいな女優さんで、演技も自然でとてもよかった。
ヒョンドに乞われて、かつてのヒット曲を弾き語りするこのシーンは胸にじーんときた。
見てもまず損のない映画だと思う。