今回はどんなのが入っているかなあ、と思いながら店に入ると、イケメン店長がかなり自信ありそうな表情で、「いいのがありますよ。」と言って奥へ行き、持ってきてくれたのがこのお酒。
久保田萬寿 無濾過生原酒
朝日酒造(新潟・長岡市)。アルコール度17度。
ラベルには銘柄が書かれていないが、久保田・萬寿の原酒で、「裏萬寿」と呼ばれているらしい。限定品で、岡山には十本しか入らなかったうちの一本だそうな。店長にはいつも限定酒ばかり飲ませていただいて恐縮である。
店長からは一癖あると言われたが、原酒なのに澄んできれいな味。はなやかな香りを楽しみつつ、盃を傾けると、やさしい口当たりで、のどごしがすっと切れ、ゆっくり消えていく後味の余韻までがすばらしい。
特に個性を主張するのでなく、バランスよく完璧にまとまったお酒、という感じがする。
店長も、のみくち・のどごし・あとあじという三要素が同じ水準で○、というお酒はめったにない、今まで日本酒を色々追求してきたが、行き着いたのがコレ、と絶賛していた。
とにかくうまい。他に言葉はいらない、ということで一致したが、あとで調べてみたら、えっ、こんなにするの!? というお値打ちものであった。だから、この一升瓶には、店長が「○○の私物なので触るな」と書いたタグが付けられていたのか。店長、ありがとうございました。
長陽福娘 山田錦直汲み 夏吟醸
岩崎酒造(山口・萩市)のお酒。
精米歩合50%、アルコール度17度以上18度未満
日本酒度+6、酸度1.6
「直汲(じかぐ)み」とは、「上槽(醪(もろみ)を搾り、酒と酒粕に分ける作業)時に無加圧の状態で槽(搾り機)口に流れ出るお酒を直接汲み取ったお酒」のことで、限定品だそうだ。
シュッと舌先を刺激する爽快感に続いて強い酸味を感じ、辛口でキレのよい味。いかにも夏向けな、清涼感あるさわやかなお酒で、飲み飽きない。料理との相性も良く、生酒とあるが燗にしてもイケそうな気がした。
今回実は、他のお酒も勧められたのだが、すでに舌がバカになっていたので、次の機会にということにした。
また都合をつけて、味わいに行くことにしよう。