雑誌などでの評価が高かったので、かなり期待して観に行ったのだが…。
ニューヨークのブロンクス。ある高校が、明日から夏休みを迎えることになり、解放感に浮かれる高校生たちの、下校バスでの様子、というより痴態を描いた作品。
高校教員の眼で見るからか、悪ガキ共(それにしてもタチが悪い)のバス内での乱暴狼藉を笑って見過ごすことができず、不快感ばかりが残ることになってしまった。
専門家たちは、凡百の青春ドラマとは違う、高校生のリアルな姿や本音を捉えた傑作、アマチュアを起用してティーンエイジャーたちの個性や内面を描き、笑いとともに共感や感動を伝える魅力的な映画、というように評しているのだが、正直、そうは受け取れなかった。
バスに乗り合わせた老人女性にセクハラまがいの嫌がらせ、車内で喫煙、子どもを吊革にぶら下げる、他生徒のギターを粉々にする、キスするカップル、暴力、ケンカ……ほとんど乱痴気騒ぎのように見え、どうしても共感を覚えることはできなかった。
職業柄なのかもしれないが、高校生を取り上げた作品でありながら、楽しく鑑賞できなかったのは、とても残念。