愛する妻のために無農薬でリンゴを栽培しようと決意した男が、11年もの歳月をかけて「奇跡のリンゴ」を実らせるまでの物語。
あらすじ
青森県弘前。三上秋則(みかみあきのり=阿部サダオ)は、子どもの頃から遊び方が普通の子とは変わっていた。
答えを見つけなければ気が済まない子どもで、興味を持ったものは時計、ラジオ、テレビ…なんでも分解してしまう。高校のとき、友達のバイクを分解して組み直し、高性能にしたはずが爆発して炎上、別の友達のギターアンプも、高出力にしたはずがやはり爆発…。
父親は、
「農家の息子は農家のことだけしてりゃええんだ!」
と叱るが、秋則はそれに反発し、高校卒業後、父親に内緒で上京し、電器メーカーに勤める。
ある年、台風9号で秋則の地元のリンゴが壊滅し、秋則は実家からの電報で、すぐに帰るように言われてしまう。
父親は、
「ウチには、お前を東京でいつまでも遊ばせておく余裕はない。」
と言い、あるリンゴ農家がお前を跡取りに欲しがっているから、見合いを受けるよう命令する。
強引に見合いの場に連れて来られた秋則。父親と娘一人だけの家とは聞いていたが、見合い相手はなんと、高校の頃、生徒会長でありながら変人で有名だった秋則に、唯一興味を持って話しかけたりしてくれた木村美栄子(菅野美穂)だった。
美栄子が好きだった秋則は、東京に帰らず結婚することを決意する。
木村家に養子として入り、リンゴ農家の跡取りとして働きはじめる秋則。
安全なリンゴを育てるためには、一年に13回も農薬を散布しなければならない。ある日、美栄子が倒れるが、義父は「いつものことだ。」と言う。美栄子は薬にアレルギーがあった。
秋則が、
「それなら農薬なんてやめたらいい。」
と言うと、義父は、
「やめたらリンゴは育たない。それがリンゴ農家だ。」
と答える。しかし、秋則が美栄子を看病していて、ふとその首を見ると、農薬アレルギーで中毒をおこした皮膚は、ひどくただれている。
秋則は妻の中毒を治すため、リンゴ農家の若手を語らって勉強会を発足し、減農薬や堆肥づくりの研究を始める。
そのころ、美栄子が妊娠して女の子が生まれ、雛子(ひなこ)と名づけられる。(その後、次女の咲(さき)、三女の菜ツ子(なつこ)も生まれる。)
秋則は、リンゴの虫害は、過剰な栄養が虫を呼んでいると考え、肥料を使わない栽培を目指す。そのころ、古書店でたまたま手にした福岡正信著『自然農法』という本。耕さず、肥料も農薬も使わず、何もしない農法…。気づけば、秋則はこの本を朝までかかって読み通していた。
「見つけた! これだ! オラは答えを見つけたぞ!」
秋則は、これが成功すればみんなが助かると言って、義父に四つある畑のうちの一つで、無農薬栽培をやらせてくれと頼み込む。
翌年、無農薬一年目。しかしそれは、これから長く続く苦しい日々の始まりにすぎなかった…。
あらすじ
青森県弘前。三上秋則(みかみあきのり=阿部サダオ)は、子どもの頃から遊び方が普通の子とは変わっていた。
答えを見つけなければ気が済まない子どもで、興味を持ったものは時計、ラジオ、テレビ…なんでも分解してしまう。高校のとき、友達のバイクを分解して組み直し、高性能にしたはずが爆発して炎上、別の友達のギターアンプも、高出力にしたはずがやはり爆発…。
父親は、
「農家の息子は農家のことだけしてりゃええんだ!」
と叱るが、秋則はそれに反発し、高校卒業後、父親に内緒で上京し、電器メーカーに勤める。
ある年、台風9号で秋則の地元のリンゴが壊滅し、秋則は実家からの電報で、すぐに帰るように言われてしまう。
父親は、
「ウチには、お前を東京でいつまでも遊ばせておく余裕はない。」
と言い、あるリンゴ農家がお前を跡取りに欲しがっているから、見合いを受けるよう命令する。
強引に見合いの場に連れて来られた秋則。父親と娘一人だけの家とは聞いていたが、見合い相手はなんと、高校の頃、生徒会長でありながら変人で有名だった秋則に、唯一興味を持って話しかけたりしてくれた木村美栄子(菅野美穂)だった。
美栄子が好きだった秋則は、東京に帰らず結婚することを決意する。
木村家に養子として入り、リンゴ農家の跡取りとして働きはじめる秋則。
安全なリンゴを育てるためには、一年に13回も農薬を散布しなければならない。ある日、美栄子が倒れるが、義父は「いつものことだ。」と言う。美栄子は薬にアレルギーがあった。
秋則が、
「それなら農薬なんてやめたらいい。」
と言うと、義父は、
「やめたらリンゴは育たない。それがリンゴ農家だ。」
と答える。しかし、秋則が美栄子を看病していて、ふとその首を見ると、農薬アレルギーで中毒をおこした皮膚は、ひどくただれている。
秋則は妻の中毒を治すため、リンゴ農家の若手を語らって勉強会を発足し、減農薬や堆肥づくりの研究を始める。
そのころ、美栄子が妊娠して女の子が生まれ、雛子(ひなこ)と名づけられる。(その後、次女の咲(さき)、三女の菜ツ子(なつこ)も生まれる。)
秋則は、リンゴの虫害は、過剰な栄養が虫を呼んでいると考え、肥料を使わない栽培を目指す。そのころ、古書店でたまたま手にした福岡正信著『自然農法』という本。耕さず、肥料も農薬も使わず、何もしない農法…。気づけば、秋則はこの本を朝までかかって読み通していた。
「見つけた! これだ! オラは答えを見つけたぞ!」
秋則は、これが成功すればみんなが助かると言って、義父に四つある畑のうちの一つで、無農薬栽培をやらせてくれと頼み込む。
翌年、無農薬一年目。しかしそれは、これから長く続く苦しい日々の始まりにすぎなかった…。