夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

ロイヤル・アフェア(その3)

2013-06-12 22:34:37 | 映画
あらすじの続き

その後、ヨハンは公開処刑となり、カロリーネは、ヨハンの生まれ故郷に近いドイツのツェルに追放される。カロリーネはそこで五年暮らし、病気になり、わずか23歳で亡くなる。映画では、死の間際に、カロリーネが二人の子どもたちのフレデリクとルイーセに、自分とヨハンとの真実を手紙に書いて送ったことになっている。
その九年後の1784年、フレデリクは16歳で宮廷クーデターに成功し、皇太后とグルベアを追放、父王のもとで摂政として改革を進めた。フレデリクはヨハンの作った法律を復活させたり、農地解放なども行ったという。

感想


この映画を観る前は、ドロドロした王室スキャンダルを想像していたのだが、思いのほか政治的な描写に多くが割かれ、ヨハン・ストルーエンセがデンマークにもたらした、早すぎた「啓蒙時代」とその行方が見事に描かれていたように思う。
いくつかの脚色がある以外は、かなり史実に忠実につくられているそうで、今までデンマークの歴史についてはほとんど知らなかったが、ドラマチックなストーリーでとても見応えがあった。
壮麗な王宮、豪華な晩餐会、「夏の離宮」、仮装舞踏会など、絵のように美しい場面が次々に現れ、すっかり魅了されてしまった。王妃の衣装も贅を尽くしたものであり、ダイヤのピアス、真珠の髪飾り、絢爛たるドレスなど、特に女性は夢中になって見てしまうにちがいない。
二時間余りの鑑賞時間はあっという間に過ぎ、最後の方は、まだ終わらないでほしいと思いながら観た。