夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

豊島(1)

2013-07-28 23:10:23 | 旅行
「瀬戸内国際芸術祭」の会場の一つである豊島(てしま)へ。
豊島は、瀬戸内海で二番目に大きな小豆島の西約5㎞のところにあり、周囲約18㎞の自然豊かな島。
ここには、十点余りの作品や美術館がある。


宇野港の旅客船乗り場から、高速船「マーレてしま」で出発。(船着き場の左側奥に泊まっている船。手前は岡山県警の警備艇「はやなみ」)。「マーレてしま」は、豊島の家浦港・唐櫃(からと)港を経由して、小豆島の土庄(とのしょう)港と宇野港を結んでいる。


家浦港へは約40分後に到着。
島内の移動は、レンタサイクル(電動アシスト付)を利用した。バスもあるが本数が少なく、作品や美術館が島内に散在しているため、効率よく回るためには自転車の方が便利。私が借りたところでは、5時間1,200円、1日1,500円だった。
なお、島内で平坦な地区は家浦港周辺くらい(地元の方の話)であり、道路は狭く坂道が多いので、アート鑑賞目的で島を訪れる方は、電動アシスト付の自転車を使うことをお勧めする。


家浦港の近くにある「豊島横尾館」は、アーティスト・横尾忠則による美術施設で、この夏にオープンしたばかり。
民家を改修した三つのスペースに、独自の死生観を描いた大作の絵画を中心に展示している。
真ん中の煙突のような構造物は、中に入るとまるで古井戸に落ちたようなスリルを味わえる。


自転車を漕いで(アシスト付なので、すごく楽)しばらく行くと、道路の脇に「竹の散歩道」という作品が。
竹林の中に、竹で編んだ謎の球形オブジェがいくつも浮かんでいる。
屋外の空間全体を作品として体験させ、現象させる試み(こういうのをインスタレーションと称するという理解でよいのだろうか?)は面白い。


さらに進んで行くと、次々に島が新たな風景を見せてくれる。
どんな天才の作品よりも、この島の自然と風土、そしてそれに適応して生きてきた人々の暮らしの方が、ずっと芸術的だと思う。
…のどの渇きを覚えたころ、「唐櫃(からと)の清水」の看板があり、「さぬきの名水」にも選ばれた湧き水とある。
早速、自転車を停めて手を洗い、水をすくって飲んだが、真夏なのにびっくりするくらい冷たく、美味しい水だった。
昔、弘法大師がここに来たとき、のどが渇き自ら地面を掘ったところ、水が湧き出したのだという。

豊島の自然とアートめぐりの話題は、次回に続ける。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
共鳴 (風の靴)
2013-07-29 11:30:52
あらためまして、こんにちは

「瀬戸内国際芸術際」本当に素晴らしいですね。

美しい海に囲まれた島全体が、まるで巨大なアート、美術館のようです。

この壮大な試みはアートに関心の高い方には堪らない魅力ではないでしょうか?

私も其処に行って直接、目と耳と肌でそれを体験してみたいですね。

それにしても眺めが美しい・・・素晴らしい景観ですね

「どんな天才の作品よりこの島の風土、人々の暮らしの方が芸術だと・・・」

おっしゃるちかさださんのお気持ち分ります(笑)

そうですよね・・・おっしゃる通り

ただ唯・・・この自然の持つ美しさに圧倒されますよね。

この海底には様々な貴重な生物が生息しているのですよね、この海の美しさは世界的に見てもアノエーゲ海にも匹敵するとも言われて居りますが・・・

見渡す限りの美しい海と、この恵まれた豊かな大地、そして長年渡って培われた人々の暮らしと智慧

人々が如何にこの地に愛着を持ち、大切にして来たかが分ります・・・そこに心(魂)の共鳴がある・・・

その自然美に心を奪われずには居れませんよね(笑)

ちかさださん、この度はありがとうございました。
なんとなく落ち着きました・・・

また次回期待しております。(笑)
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