夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

「出雲―聖地の至宝」展

2012-11-23 13:50:21 | 日記
今年は、古代出雲の神話や出雲大社の創建が語られている「古事記」編纂から1300年の記念すべき年にあたる。また、来年5月には出雲大社で60年ぶりの大遷宮がある。

上野の東京国立博物館では、この機会に、聖地・出雲の至宝を一堂に集めた特別展を行っている。明後日で会期終了なので、間に合うように観に来られてよかった。

「古事記」(近衛本)・「出雲国風土記」等の書籍、加茂岩倉遺跡出土の国宝の銅鐸、美保神社所蔵「古筆手鑑」等にも感銘を受けたが、いちばん印象に残ったのは重要文化財の「宇豆柱」(うづばしら)だった。

これは、平成12年の発掘調査により出土した、鎌倉時代の出雲大社本殿の巨大な柱で、3本の古い杉を束ねて1本の柱としていたそうである。

会場には、出雲大社本殿の復元模型(10分の1サイズ)が展示してあったが、古代のものは高さ48m、階段の長さ109mと推定されている。宇豆柱を見ているだけでも(太いところで1.3mもある)、大社の古代の威容が偲ばれ、幾重にも年輪を重ねた杉の木が、自分に色々なことを語りかけてくるように感じてしまった。

  八雲立つ出雲の社(やしろ)支へこし柱を見れば神世しのはゆ