夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

龍ノ口八幡宮

2012-11-01 22:26:17 | 日記
夕食後、運転する車内から月を眺めつつ、少し遠回りして帰宅した。途中でふと思い出して、龍ノ口のあたりは月がきれいかも、と行ってみたら、思ったとおりだった。

岡山市街から車でわずかに15分ほど東北に行ったあたりに、龍ノ口グリーンシャワー公園というのがある。龍ノ口山(標高256メートル)を中心に、付近一帯の山林が森林公園になっており、頂上に龍ノ口八幡宮がある。奈良時代からの由緒あるお社だそうで、現在では合格祈願の神様として、受験生がよく訪れている。

ここには10年ほど前、毎日参拝した時期があった。その頃、私は夏休みを利用して隠岐島に旅行し、後鳥羽院の足跡をたどったことがあったのだが、島内を踏査するためには体力が必要だろうと、毎日、午前中の補習授業を終えるとここに来て、山登りしては山頂の神社に参拝していたのだ。

当時は実は、人生に悩んでいた時期であり、仕事も勉強も全然うまくいっていなかったので、なんとか打開したいという思いもあった。

今思うと、あの頃の暗中模索がいちばん苦しかった時期で、そこを乗り越えたからこそ、現在がある気がしている。

今日はさすがに夜遅いし、寒風吹きすさび、遠山に時雨雲がかかっているような状況で山頂まで行く気にはなれなかったが、また天気のいい折に、お詣りしたいと思っている。

麓から峰にかかる月を眺めながら、昔のことを思い出してしまった。

  年を経て祈る心は龍の口の峰の月もや見そなはすらむ