テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

魔術?NO!ミステリ!!

2009-02-07 11:10:51 | ブックス
「わわッ、たいへんッ!
 とりあつかいィちゅゥいィ、ッて、かいてあるでスよ、ネーさ!」

 安心して、テディちゃ。
 危険な御本ではありませんから。
 むしろ、とびきり要注意な、ユニークなミステリです。
 さあ、こちらを、どうぞ~!



              ―― 生者と死者 ――


 
 著者は泡坂妻夫さん、1994年11月に発行されました。
 副題に『酩探偵ヨギ・ガンジーの透視術』とあります。

 著者の泡坂さんが亡くなられたのはつい先日のこと……
 心より御冥福を祈りつつ、
 泡坂さんの作品を紹介しなくちゃ!と
 本棚から取り出したのが、
 『ヨギ・ガンジー』シリーズ中の、この一冊です。

「がんじーさんッ??
 にほんのォひとでスかァ?」

 ガンジーさんの国籍は……判然といたしません。
 ルックスは、インド風なのですけれど、
 日本語ペラペラですし、
 日本の事情にも通じています。
 正体不明、とはガンジーさんのためにある言葉でしょうか。

「なぞォでスねッ!」

 ガンジーさんのお仕事も、
 《謎》と関係があるんです。
 超常現象トリックの実験――
 つまり、超常現象か?!というような出来事を、
 実はこうなんですよ~と、
 タネ明かししてしまうのが、ガンジー先生の本領。

 不動丸さん、元女優の美保子さんら二人のお弟子さんと、
 講演会で《いかさま》を演じ、
 そのカラクリを解説してみせるガンジーさんのもとには、
 悩みを抱える人が訪れます。
 今日も或る女性が、
 相談に乗ってほしいとやって来ました……

「がんじーせんせいィはァ、うでききィたんていッ!」

 ガンジー先生の探偵術を裏打ちするのは、
 著者・泡坂さんのもうひとつの《顔》です。
 泡坂さんは、奇術の達人でした。

「ええッ? まほうッ!?!」

 いえいえ、魔法ではなく、マジックです。
 タネも仕掛けもちゃ~んとある、
 手品をしてみせるマジシャン、ですね。

 マジシャン・泡坂さんの知識は、
 この『ヨギ・ガンジー』シリーズ、
 そしてデビュー作品であった『DL2号機事件』を含む
 『亜愛一郎』シリーズ他、
 多くの著作に活かされています。

「ふむふむッ!
 とりッくがァ、これでもかァ、なのでス!」

 特に『亜愛一郎』ものは、お薦めですね。
 短編ミステリの真髄を味わうことが出来る、
 素晴らしい作品ばかりです!

「ゆーもあもォ、ありまスよゥ~♪」

 泡坂さんの作品を未読の御方は、ぜひ、
 『ガンジー』さんや『愛一郎』さんの御本を!
 あっちにもこっちにも《仕掛け》が満載です!

「わんだふるゥまじッくゥ、あんこーるゥ!」 
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